ガスコンロの火がつかない原因は、簡単に直せるもの、修理しないといけないものと、両極端に分かれます。
簡単に治せる原因は日々のお手入れで解決可能。修理が必須になってしまったら、もしかしたらガスコンロが寿命を迎えているのかもしれません。
最近調子が悪いコンロはお手入れ不足?買い替え時?見極めるポイントと対処法をご紹介いたします。
ガスコンロの寿命と取替時期
交換できるくんでガスコンロの交換・取替工事をされた方の多くは、はじめの設置から8年~15年程度で新しい機種へ交換されています。
メーカーの交換部品の保持期間が、生産終了から5年程度であったり、メーカーの多くが耐用年数は約10年と記載していることが多いため、10年前後がガスコンロの寿命の目安といえます。
特に多い買替理由が「火がつかない」「火が消える」といったバーナー(点火)の不具合です。
点火不具合のよくある原因と対処法をまとめました。ご使用中のガスコンロの調子が悪いとき、掃除で直るのか修理が必要かそれとも寿命なのか、買い替え判断にご活用ください。
メーカー別 エラーコード一覧
ガスコンロに異常が起きた場合、または誤った使い方をした場合、ランプの点灯・点滅やエラーコードによって異常内容を知らせます。
エラーが出ている場合はエラー表示から異常の原因を確認することができますので、まずはこちらの一覧表、もしくはお手持ちの取扱説明書でエラー表示とその内容を確認してください。
火がつかない時にチェックするべきポイント
ガスコンロの調子が悪くなったら、まず「バーナーの汚れ」と「電池の消耗」といえます。
どちらも毎日コンロを使っていく間に劣化しやすい部分であり、様々なコンロ不調を引き起こします。
バーナーキャップを清掃する
バーナーの各部位は以下の役割を持っています。
名称 | 役割 |
---|---|
温度センサー | 鍋底の温度を検知します。センサーが汚れると安全装置が誤作動を起こします。 |
立消え安全装置 | 火の有無を検知します。検知部が汚れると安全装置が誤作動を起こします。 |
電極 | 火花を散らして着火します。先端が汚れるとガスにうまく着火しません。 |
火口 | 隙間からガスを吐き出します。隙間が詰まるとガスが供給されません。 |
バーナーキャップとその周りに汚れがこびりついていると、火がつかない、火が小さい、火が途中で消えるなど様々なトラブルにつながります。
吹きこぼれがかかった時や揚げ物の油などは必ず取り除き、バーナーを清潔に保つことが故障の予防につながります。
バーナーキャップの清掃には歯ブラシが便利です。火口の隙間や、バーナー本体とセンサーの間など、汚れが溜まりやすいポイントなので丁寧に掃除します。
温度センサーは固く絞った布で水拭きをします。センサーの頭部で温度を測るので、センサー先端と側面の汚れを拭き取ります。
バーナーキャップは浮きが無いように取り付けます。取り付け向きを示す凸部で正しい向きを確認できます。
電池を交換する
ガスコンロの調子が悪いとき、乾電池を新品に取り換えるだけで改善することがたびたびあります。
コンロの乾電池は、火花を散らしてガスに着火する、安全装置のセンサーを動かす、つまみやスイッチの操作を伝達するなど、様々な役割を持っています。
乾電池が完全に切れていなくても、消耗していると誤作動につながります。
電池交換の目安は1年に1回です。点火するときぱちぱちと鳴る火花が弱い、ぱちぱちという音がゆっくりになった時は電池消耗のサインです。電池を入れる向きは決まっているので間違えないように気を付けます。
ロックを解除する
ガスコンロには子供のいたずら防止を目的としたロック機能がついています。
ロックがかかっていると、点火ボタンが動かなくなります。気付かない間にロックがかかってしまっていないか、ボタンが押し込めないときは最初に確認をします。
火がつかない場合の原因と対処法
ガスコンロの火がつかない原因は大きく分けて、「ガスが供給されていない」「火花(種火)が出ていない」「安全装置が動いている」の3種類です。
まずは点火ボタンを押して火花がぱちぱちと出るか、出ないかを確認して、それぞれの原因と対処法をご紹介いたします。
火花がぱちぱちと出ない場合
電極が汚れている
電極が汚れていると火花がうまく散りません。吹きこぼれ等がかかりやすい位置にあるので定期的に清掃する必要があります。
歯ブラシなどで汚れを除去します。
電池が切れている
電池が切れると、電極に電気が供給されず火花が散りません。新品のアルカリ電池に取り換えて改善するか確認をします。
鍋がない・検知されていない
バーナーに鍋が乗っていないと、事故防止のため火花が出ません。
鍋の有無は、バーナー中央の温度センサーが押し込まれているかで検知しています。そのため、「温度センサーが汚れで固まっている」「鍋が軽すぎてセンサーが浮いている」などの理由で鍋が検知できないと火花が出ません。
センサーが固着している場合は清掃してスムーズに動くようにします。軽すぎる鍋はセンサー付きコンロでの使用に向かないため使用を避けるか、湯沸かしなど重さがある調理にのみ使用します。
機器内部の故障
電極に電気が伝わっていない、スイッチが反応していない等、機器内部が故障している場合はメーカー修理が必要になります。
10年以上使用しているガスコンロであれば取り換え時を迎えています。
火花が出るのに点火しない場合
火花は出るのに点火しない場合、バーナーにガスが供給されていないと考えられます。何が原因でガスが届いていないのか、以下の原因を上から順に確認します。
バーナーキャップ(火口)がつまっている、濡れている、ずれている
バーナーキャップに異常があるとガスが出口を失い着火しません。火口の隙間にたまった汚れを落として着火するか確認をします。
ガスメーターが閉まっている
ガス給湯器は動いているか、お湯を出して確認します。ガスの元栓が閉まっていると家中のガス機器が使用できません。
地震などを感知して、安全機能がガスメーターを自動で閉めることがあります。ガス会社に復旧方法を確認して、ガスメーターを開きます。
ガスの元栓が閉まっている
ガスコンロのバーナーは全て着火しない状態でしょうか、片方だけでしょうか。
お湯は出る(ガス給湯器は動いている)のにガスコンロが全く使えない場合、ガスコンロにつながるガス栓が閉まっている可能性があります。
ガス栓は一般的にガスコンロの下部にあります。キッチンのキャビネットを開けて、元栓が閉まっていないか確認します。
機器内部の故障
これまで挙げた原因を確認しても火がつかない場合、コンロ内部で故障が起きている可能性が高くなります。
たとえば、コンロを使用していない間はバルブがガスの通り道を塞いでいますが、バルブを動かす信号が途切れていたり、バルブが固着してしまうとガスが流れません。
メーカーによる部品交換が必要です。10年以上使用しているガスコンロであればそろそろ寿命を迎えています。
点火しても途中で消えてしまう場合
点火しても途中で消えてしまう場合に考えられるのは、ガスの供給が十分でないか、安全機能が誤作動を起こして火を消してしまっているという原因です。
バーナーキャップ(火口)がつまっている、濡れている、ずれている
バーナーキャップがつまっていてガスの供給が不十分だと立ち消えが起こります。火口の隙間にたまった汚れを落として着火するか確認をします。
温度センサーが汚れている、鍋底の温度を検知できていない
バーナー中央の温度センサーが汚れている、ゆがんだ鍋を使用しているなどの理由で、鍋底の温度を正しく検知できないと安全機能が誤作動を起こします。
センサーの汚れを拭き取り、別の鍋が正常に使えるか確認をします。
立ち消え安全装置(火検知部)が汚れている
火検知部は「ちゃんと火が出ている」ことを確認できないと安全機能を働かせてガスの供給をストップします。
火検知部が汚れていないか、火検知部とバーナーの隙間に吹きこぼれ等がつまっていないか確認します。
機器内部の故障
センサー類に異常がないのに安全機能が動いてしまう場合、センサーの電気系統が狂っていることが疑われます。
メーカーによる点検と修理が必要です。他の部位も調子が悪いようであれば、新しいガスコンロへの買い替えがおすすめです。
まとめ
ガスコンロの不調やトラブルの多くは「バーナーの掃除」「電池の交換」によって解決できます。
しかし、それでも直らない場合はメーカーによる修理・部品交換が必要になるケースがほとんどです。
今お使いのガスコンロが10年以上ご使用されている場合は交換もぜひご検討ください。
※当社、2024年10月の販売実績より算出