~トイレといえばTOTOかLIXIL~
この常識を覆すべく、2強に斬りこんだのが、総合電機メーカー パナソニック。「陶器ではなく、特殊樹脂を使ったトイレ」「モーターで動かす、可動式のトラップ」「台所用洗剤の泡で、便器を自動洗浄」。従来の便器メーカーでは考えもつかない、型破りな発想と技術力で開発したタンクレストイレ『アラウーノ』が消費者に支持され、発売開始からたったの9年で、累計販売100万台を達成。今、最も勢いのある、パナソニック アラウーノ。メーカー開発者との対談を通じて、その魅力に迫ります。
対談:2016年1月 ※ご紹介している商品やオプション品は対談当時のものです
4. グイグイ動いて排水するターントラップ
中出さん |
今日は工場から、ターントラップの実物を持ってまいりました。 |
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高橋 |
おお~。ありがとうございます!ターントラップを生で見るのは、はじめてです。 |
坂本さん |
横のハンドルを回すと、トラップが上下に動きます。 |
高橋 |
それでは失礼します。 (ハンドルを回すと、グインッという音と共に、トラップが下に動く) おお~、これはすごいですね。メカ感が半端ない。トラップがターンする時の「グイン」という音が、たまらないですね! |
阿部 |
私も、ターントラップ本体を見るのははじめてです。少し力を入れて、ハンドルを回す必要があるんですね。 |
坂本さん |
そうですね。今は電源に接続していない状態ということもあります。 |
高橋 |
アラウーノはタンクレストイレですが、停電時でも、手動でこのハンドルを回せば、排水が可能ですね。 |
坂本さん |
はい。その通りです。 |
阿部 |
開発当時は、排水トラップは固定式が当たり前という時代だったと思うのですが、モーターで可動させるトラップということで、「モーターだと壊れやすいのでは?」という声はなかったのでしょうか。 |
坂本さん |
ターントラップは、初代アラウーノよりもさらに前で、1999年に発売した「シャワレインCX」というトイレに搭載したんですね。開発当初は、ご指摘の通り、モーターの耐久性云々と言われたこともありました。 |
阿部 |
ただ当時、100万回以上の耐久試験を行われたんですよね。100年相当にあたる実験とのことで。そこまでやれば十分な気もしますが・・・。 |
坂本さん |
はい。そうなんです。耐久試験だけでなく、汚物を遠くに流す搬送実験も、当時、徹底的に行いました。 可動式のターントラップを市場に出してから17年経過し、アラウーノも100万台を突破した中で、ほとんどトラブルはありませんでした。ここにきて、ようやく年数・台数などの実績でも、ターントラップの耐久性を示せるようになりました。 |
高橋 |
固定式のトラップが当たり前の当時は、トラップを可動させるなんてとんでもないという風潮もあり、行政の認可をとられるのに、相当ご苦労されたんですよね。本当にすごいと思います。 |
坂本さん |
ちなみに、水や汚物の通り道となるゴム管ですが、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)という電線の被覆部分に使われているようなとても丈夫な素材を使っています。 |
阿部 |
ゴム管が蛇腹になっているのですが、何か、理由があるのでしょうか。 |
坂本さん |
先ほども申し上げましたように、ゴム管には、EPDMという丈夫なゴムを使っているのですが、やはり毎回モーターでゴム管を上下に動かしますので、可動しやすく、力も分散されるように、蛇腹にしています。 蛇腹ですと、ゴム管の溝(凹凸の凹部分)に、汚物が溜まってしまうのではないか?と思われる方もいらっしゃるのですが、人間の腸が蛇腹状の形状をしているのと同じで、汚物を押し出してくれますので、大丈夫ですよ。 |
阿部 |
ターントラップのメリットとして、静音性も挙げられてますよね。カタログにも、アラウーノの洗浄音は、「約55db」と記載されています。洗浄音の大きさを明確に公表しているのは、パナソニックさんだけだと思います。ですので、静音性にはやはり自信がおありなのかなと。 |
中出さん |
ありがとうございます。ターントラップ方式のアラウーノシリーズは、機種によらず、洗浄音の大きさが一定でして、カタログにも洗浄音の目安を、記載させていただいております。 |