

食洗機専用の洗剤には様々なタイプや商品があります。価格重視の方におすすめの粉タイプ、溶け残りがなくグラスに水垢がつきにくいジェルタイプ、投入が簡単なタブレットタイプなど、それぞれの特徴をおさえて、食洗機の能力を最大限に引き出し、賢く食洗機を使いこなしましょう。
食洗機で上手に汚れを落とす3つのポイント
ビルトイン食洗機の洗浄の力を最大限に引き出すには以下の3つの要素があります。
- 1.食器セットの仕方
- 2.洗浄温度
- 3.洗剤
洗い残しのある場合は、これらのどこかに原因があるかもしれません。
1.食器セットの仕方
食器と食器が重なり合わないように、汚れた面を食洗機の中心に向かってセットするのがコツです。たくさん詰め込み過ぎず、洗浄液が汚れた面にまんべんなく当たるように意識して、適切な点数の食器をセットします。
洗剤メーカーでは、食洗機の「食器収納点数」と同じサイズの食器を同じ点数並べて、洗剤の開発・検証をしていますので、容量以上に詰め込むと汚れが落ちない可能性があります。
また、食べ残しや、ごまなどの小さな食べかすは、あらかじめ水で流しておくことをおすすめいたします。洗浄中に洗浄液に飛ばされて、他の食器にくっつき、洗い残りの原因となることがあります。

商品レビュー3分でわかる!正しい食器の並べ方
【食洗機に食器を並べるコツ】洗浄能力を引き出す食器セットとは?たった5つのポイントを3分で分かりやすくまとめました。 全てのビルトイン食洗機で使える内容なので、是非参考にしてみてください!
2.洗浄温度
食洗機は60~80℃の高温の洗浄液を高圧で噴射して食器の汚れを落とします。手洗いでは落としづらい牛脂や豚脂などの動物性の固体脂も奇麗に洗浄することができます。
牛脂の融点は40~56℃と高いため、通常の手洗いの水温では一度固まった脂を溶かしきれませんが、食洗機の高温の洗浄液であれば、固体の脂を溶かして液体にし、洗い流すことができます。
食洗機の洗浄温度が、動物性の脂や、カレー等の油汚れに強い理由です。
3.洗剤
食器についた汚れの種類は、ご飯などの「デンプン汚れ」、卵などの「タンパク質汚れ」、牛肉などの「油脂汚れ」、茶渋などの「色素汚れ」に分けられます。
洗剤メーカーはこれらの汚れに対して有効な、酵素や界面活性剤・アルカリ剤・漂白剤などを調合して食洗機専用洗剤を製造しています。

商品レビュー洗浄力を徹底検証
ビルトイン食洗機の洗浄力は本物!?実機を使って検証しました今回はパナソニックのスライドオープン型ディープタイプ食洗機を使用して食器汚れが本当にキレイに落ちるのかを検証します。
※同じシリーズであればミドルタイプでも洗浄力に差はありません。食洗機には専用洗剤をお使いください

食洗機には必ず食洗機専用洗剤をお使いください。手洗い用の中性洗剤は泡がたちやすくなっています。手洗い用の洗剤を食洗機に使用した場合、泡が食洗機から漏れ出し、漏水エラーで止まったり、故障の原因ともなりますのでご注意ください。
食洗機専用洗剤の種類と特徴



食洗機専用洗剤には、従来型の粉タイプ、手洗い用で主流のジェルタイプ、計量不要のタブレットタイプの3種類があります。それぞれの特徴をまとめます。

従来の洗濯洗剤のようなタイプで、酵素とアルカリ剤・漂白剤などが配合されています。アルカリ性が高いため、アルミ素材の調理器具や食器類は化学反応して白くなります。
また、グラスなどは水あかがつきやすく、白くくもりやすいです。
他のタイプの洗剤に比べ、価格が安いことが特徴です。

- ・価格が安い
- ・固まりやすい
- ・溶け残りやすい
- ・水あかがつきやすい
- ・アルミ製品と相性が悪い

手洗い用の洗剤のような液体のタイプです。粉末タイプと違い、溶け残りが無く、グラスなどに水垢がつきにくいことが特徴です。
酵素が入っているタイプは直射日光が当たったり、高温の場所に弱いため、夏場は涼しいところでの保管をおすすめします。
使いやすい反面、メーカーでの開発が難しく、価格は粉タイプよりも少々高めなものが多いです。

- ・溶け残りがない
- ・計量が楽
- ・水あかがつきにくい
- ・保管場所に気を使う
- ・粉タイプよりも少々高い

量を計らずに一回分を食洗機に投入することができます。一方、食器が少量の場合や、汚れがひどい時など、量の調節ができないことが欠点です。
湿気の多い場所ではタブレット同士がくっつくことがあるため、タブレットタイプ購入の場合は個別包装がおすすめです。
また、濡れた手で触ると、表面の膜が破れ洗剤が漏れることがあります。価格は他のタイプに比べ高価です。

- ・洗剤の投入が簡単
- ・他のタイプに比べ高価
- ・量の調節ができない
- ・濡れた手で触れない
- ・溶け残る場合がある
食器汚れの種類と食洗機用洗剤の基本的な配合成分
デンプン汚れ

ご飯など

- ・デンプン分解酵素
タンパク質汚れ

卵など

- ・タンパク質分解酵素
油脂汚れ

牛脂など

- ・界面活性剤
色素汚れ

茶渋・果汁など

- ・アルカリ剤
- ・漂白剤
- ・キレート剤
など
洗機用洗剤は、酵素や界面活性剤、アルカリ剤などの調合を変え、様々な汚れに対応しています。組み合わせによっては酵素が働かなくなる場合もあるため、配合成分や量など処方を変えて最大限の効果を発揮するよう調整されています。様々な汚れに対応する製品や、消臭に特化した製品など、食洗機専用洗剤でも複数の製品が開発されています。
食洗機メーカーで使える洗剤を比較
食洗機には手洗い用洗剤の使用ができません。食洗機専用洗剤の使用が必須になりますが、形状(粉末タイプ、ジェルタイプ、タブレットタイプ)の他、洗浄能力にも種類があるのはご存知でしょうか?現在はたんぱく質汚れに強い「酵素系洗剤」がトレンドです。実は食洗機ごとに使える(推奨される)洗剤も異なりますので、これらも比較してご案内いたします!
パナソニック ミドルタイプ・ディープタイプ共通

パナソニック食洗機は、一部機種を除き洗剤投入口が設けられていません。そのため、粉末またはジェルタイプ洗剤は食器をセット後、食器と食器のすき間に入れてください。タブレット洗剤は残菜フィルターの上にセットしてご利用ください。
また、酵素系洗剤活性化モードは搭載されておりません(一部機種を除く)が、どの洗剤を使用しても同じ除菌効果が得られるストリーム除菌洗浄が搭載されています。
酵素活性化モードなし
リンナイ ディープタイプ RSW-SD401LPA

リンナイ「RSW-SD401LPA」はセンターノズル付近に洗剤投入口が設けられています。
洗い物を置いたあとには投入しにくい位置なので、ご使用の際は先に洗剤を入れてから食器を入れると使いやすい構造です。こちらにも酵素系洗剤活性化モードが搭載されています。
たんぱく質の汚れに強い
酵素活性化モードあり
三菱電機 ミドルタイプ EW-45R2S

三菱「EW-45R2S」はセンターノズル部分に洗剤投入口が設けられおり、特に専用の投入口が設けられているわけではありません。
他機種同様に主に粉末タイプまたはジェルタイプの利用を前提の構造なので、タブレットタイプをご使用の場合は食器の上に投入してご使用ください。こちらの機種については酵素系洗剤活性化モードは搭載されておりません。
酵素活性化モードなし
リンナイ フロントオープンタイプ RSW-F403C-SV

リンナイフロントオープンタイプ「RSW-F403C-SV」は扉の裏側に洗剤投入スペースが設けられてます。投入後に扉を閉めるので、ジェル状のものだと垂れてしまい、タブレットタイプは、下に落ちてしまいます。このため、使用を推奨されているのは粉末状の食洗機専用洗剤のみとなります。タブレットタイプをご利用の場合は食器の上に置いてお使いください。
たんぱく質の汚れに強い
酵素活性化モードあり
メーカー推奨の食洗機洗剤をご紹介
食洗機洗剤には、食洗機メーカーごとに「推奨洗剤」があります。
推奨洗剤以外を使用しても、もちろん問題はございませんが、食洗機メーカーがテストした上で推奨する食洗機洗剤を選ぶのが安心です。