「食器洗い」という家事から開放してくれる食洗機は、交換できるくんでも人気の高い設備です。導入を考えているけど、卓上型とビルトイン型のどちらにするべきかお悩みの方にお伝えしたく、実際に使って徹底比較・検証しました!
食洗機を実際に使って比較、使いやすい食洗機はコレだった!
洗浄力・使い勝手・気のつける点などをまとめました。チャプターリストもご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
徹底比較1. 洗浄力はどちらが優れている?
実際に卓上型食洗機を用意して、ビルトイン型食洗機とどちらが洗浄力に優れているのか?同じ汚れが付いた食器を、予洗いなしで洗浄したときにどれだけの差が出るのか検証です。今回比較する食洗機はどちも同じパナソニック製品で、ビルトイン型はハイグレードモデルの「NP-45MD9W」、卓上型はハイエンドモデルの「NP-TZ300S」になります。
比較する食洗機
洗浄ノズルは底面のみですが、ノズルに採用されている3Dプラネットアームは隅々まで洗浄シャワーが行き渡る設計で、高さ2mまで届くほどの噴射力があります。
下段に2つの洗浄ノズル、上段カゴ下にも回転ノズル、加えて背面にも噴射ノズルが設けられており上段に庫内の食器を隅々まで洗浄してくる作りとなっています。
洗浄テストに使う食器
たんぱく質汚れ、油汚れ、でんぷん質汚れ、においの強い汚れの食器を準備しました。全て食べた後の状態で、予洗いなしで食洗機に入れて、その洗浄効果を確かめます。食器は5人家族を想定して上記の汚れた食器以外も一緒に洗浄しました。
洗浄結果
標準コースで洗浄
(運転時間 約90分)
レベル3洗浄+80℃高温すすぎで洗浄
(運転時間 約90分)
ビルトイン食洗機、卓上食洗機どちらも全ての食器がしっかりと洗浄されており、洗い残しは見られませんでした。乾燥においても十分で、食器に水滴付着などはほとんど見られず、どちらも高いレベルで同等の洗浄能力があるという結果になりました。
徹底比較2. 庫内容量はどれが一番大きい?
食器格納点数が少ないと、ご家族の人数、使用される食器の数によっては複数回運転させなければなりません。1回の運転時間はビルトイン型も卓上型も、乾燥まで含めると標準コースで90分ほど掛かるため、複数回の運転が必要になると使い勝手が良いとは言えません。この検証では、それぞれの食洗機にどれぐらいの食器を入れられるか、実際に格納して試してみたいと思います。
比較する食洗機
食器格納点数
40点/5人分
ディープタイプ
食器格納点数
48点/6人分
ミドルタイプ
食器格納点数
40点/5人分
フロントオープンタイプ
(後継品:RSW-F403C-SV)
食器格納点数
56点/8人分
庫内容量テストに使う食器
5人家族を想定して、下記の食器を準備しました。
大皿/直径23cm、中皿/直径16cm、小皿/直径8cm
ボウル皿/直径19cm、茶碗/直径12cm、汁椀/直径
12cm、グラス/直径10cm×高さ12cm
※各5個ずつ
検証結果
全ての食器が格納できる容量で、引っ掛けるラックが見えやすく食器セットがしやすい作りになっているのが特徴です。
ディープタイプ
5人分の食器をセットしてもまだ庫内には余裕があります。卓上型では洗えない直径30cmのお皿が洗える点が○。
ミドルタイプ
カタログ数値は卓上食洗機と同じ格納点数ですが、高さの制限があり、全ての食器をセットすることはできませんでした。
フロントオープンタイプ
(後継品:RSW-F403C-SV)
ディープタイプと同じぐらいの容量があり、5人分の食器をセットしても余裕があります。上段カゴが広く、使いやすいです。
用意した食器はミドルタイプ以外の食洗機で格納が可能でした。ミドルタイプ食洗機は上段カゴ下の有効高さ12cmと狭く、設置できる食器に制限があります。5人分は難しいですが、食器数が少ない2~3人の家族構成のご家庭には「ちょうどいい」大きさになります。
担当者から一言: ディープタイプ/フロントオープンはフライパンも入ります
卓上型もミドルタイプも調理器具の洗浄は可能ですが、スペースに余裕がなく限定的です。
ディープタイプは上段カゴを外すことでフライパンと鍋2つの調理器具洗浄ができます。
フロントオープンタイプは下段カゴだけでフライパンと鍋2つを同時に洗浄することが可能で、一緒に上段カゴで食器の洗浄も可能です。
調理器具も食洗機で洗いたい方は、このどちらかのタイプをお選びください。
徹底比較3. 運転音はどちらが大きい?
メーカーカタログ値では多くの食洗機が40dB(図書館内ほどの静かさ)となっていますが、実際に使ってみたときに聞こえる運転音はどうでしょうか?最近の住宅では採用されるケースの多い、対面式キッチンを想定してダイニング側に回って運転音を比べてみました。
比較する食洗機
検証結果
下記の動画から実際の音をお聞きいただけます。
1分程度の動画です。カタログ値では卓上食洗機のほうが静かとなっていますが、実際に比べてみるとビルトイン食洗機の方が静かだとわかります。
実際に比べてみると、ビルトイン食洗機の方が静かだとわかりました。これは卓上型がキッチン天板の上に設置されているのに対して、ビルトイン型はシステムキッチンに組み込まれていることが影響していると思われます。卓上型食洗機との比較はパナソニックディープタイプ食洗機(NP-45MD9S/W)と行いましたが、ミドルタイプの運転音は更に静かな37dBです。リンナイフロントオープンタイプ食洗機(RSW-F403C-SV)との比較は行っていませんが、運転音はカタログ上43dBとなっており、パナソニックディープタイプ食洗機よりは運転音が大きめに感じるかもしれません。
徹底比較4. 洗浄中の「におい」について
食洗機運転中に出る蒸気は、ビルトイン型と卓上型で大きく異なります。ビルトイン型は蒸気が排出される高さがちょうど子供の顔の高さにあたるため、ここ数年の機種では外気を取り込んで蒸気の温度を下げてから排出する「ソフト排気」が採用されています。対して卓上型はキッチン天板にそのまま設置している場合、成人男性の顔あたりに温かい蒸気が排出されます。高い位置で蒸気が排出されるためか、卓上型食洗機は洗浄中のにおいが広範囲に広がる傾向にあります。
ビルトイン型食洗機は低い位置かつソフト排気温を採用していることもあり、においは感じますがほとんど気になりません。卓上型食洗機は本体上部から排出される事でにおいが広範囲に広がるため、対面式キッチンの場合は気になる場合も考えられます。
徹底比較5. 設置場所と見た目 卓上型食洗機の注意点
作業台に置くとかなり圧迫されます
ビルトイン型がシステムキッチン内の組み込まれるのに対して、卓上型はシンク周りのどこかに設置する必要があります。専用のスペースが確保されている場合はまだ良いのですが、作業台に置く場合は、想像以上に場所が取られます。本体だけでなく扉開閉時のスペースも考慮する必要があります。
配管が露出となり見た目がよくありません
卓上型食洗機はキッチン水栓からの分岐または専用水栓からの給水が必要で、排水についてはシンク内に流すようになっています。電源接続も必要で、これらは露出となるため、見た目があまり良くありません。また水回りの配管配線類は水垢がつきやすく、お手入れの手間もかかります。
まとめ
実際に比較検証した結果に基づいた比較一覧表となります。評価につきましては当社スタッフがどちらも使用した所感となります。
比較機種 |
ビルトイン型 ディープタイプ NP-45MD9S/W |
ビルトイン型 ミドルタイプ NP-45MS9S/W |
ビルトイン型 フロントオープン RSW-F402C-SV (後継品:RSW-F403C-SV) |
卓上 NP-TZ300S/W |
---|---|---|---|---|
洗浄能力 | ー※1 | |||
庫内容量 | ||||
食器のセットしやすさ | ※2 | |||
実際の運転音 | ※3 | ー※4 | ||
美観性 | ||||
洗浄中のにおい | ー※1 | |||
工事 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要※5 |
導入コスト |
卓上型食洗機はコスト面でのメリットはありますが、場所を大きく取る、美観的にあまり良くない、水回りの配管類を定期的に清掃する必要がある、動作音が大きい、洗浄時のにおいが広範囲に広がるなど、カタログだけでは分からない、デメリットがいくつかあります。食器が入れやすい、コストが抑えられるといったメリットはありますが、長期使用を考慮するとやはりビルトインタイプがおすすめです。
洗浄力に違いはないので、卓上型をお使いでビルトイン型に交換を検討されている場合は、上記の点にメリットを感じるかどうかでご判断いただければと思います。
食洗機タイプ別 こんな人におすすめ!
ビルトイン型 ディープタイプ食洗機
1.ビルトイン型食洗機が設置できるキッチンがある
2.ご家族人数が4~5人
3.直径30cmの大皿を使っている
4.フライパンなどの調理器具も食洗機で洗いたい
ビルトイン型 フロントオープンタイプ食洗機
1.ビルトイン型食洗機が設置できるキッチンがある
2.ご家族人数が4~5人以上、使う食器が多い
3.フロントオープンタイプを使い慣れている
4.フライパンなどの調理器具も食洗機で洗いたい
卓上型食洗機
1.ビルトイン型が設置できない/賃貸にお住まい
2.ご家族人数が3~4人
3.独立型キッチンに取付けられる
4.設置するスペースが確保できる