東京ガス業務用厨房ショールーム CHU-BO SHIODOME見学|活動レポート

東京ガス 業務用厨房ショールーム
CHU-BO SHIODOME見学

東京ガスさん、リンナイさんご協力の下、東京・汐留の「東京ガス業務用厨房ショールーム CHU-BO SHIODOME」を見学して参りました。

現在当社では基本的に取り扱いがないものの、業務用機器はガス機器の開発や供給における大きな市場のひとつです。また、業務用の厨房は機器だけにとどまらず、調理環境づくりそのものが東京ガスさんのソリューションの対象となっています。
今回は、そんなガス機器の発展の一翼を担う、業務用機器及び厨房環境を提案するショールームに伺ってきました。

働く環境としての厨房を改善する「涼厨」

ガス機器を厨房で使用する際の大きな課題のひとつは、厨房の室温の上昇です。ガスの炎そのものから伝わる熱(輻射熱)、また調理機器表面の熱によって気温が上がるため空調で気温を下げる必要があります。それを改善するのが「涼厨(すずちゅう)」と名づけられた機器です。
「涼厨」は調理機器の炎を露出させないことで低輻射を実現し、機器外側を覆うことで表面温度を低い状態でキープします。
ショールームではこの「涼厨」を採用した厨房と従来の厨房での室温の違いを体験することができます。
「涼厨(すずちゅう)」
「涼厨」の表面に手で触れる
当社スタッフも実際に「涼厨」の表面に手で触れて、その温度を体感しました。機器についた窓の中では火が燃えているのに、室温も機器表面もまったくと言っていいほどあつくないのが不思議なくらいです。
厨房機器はそれぞれの調理目的に応じた専用機器が用いられていることが多く、電気機器も幅広く使用されています。電気機器が選ばれる理由は、やはり厨房環境(室温)の管理を始め、清掃性、安全性の高さが挙げられており、「涼厨」はこういったガス厨房機器の課題を改善するものとして開発されているそうです。このあたりは家庭用機器の電化製品とガス機器にも似た部分がありそうです。

使い勝手はそのままに、衛生、安全面に配慮した厨房環境づくり

厨房環境に求められるものに衛生的であること、また安全性が高いことが挙げられます。衛生管理については、HACCP(ハサップ)という衛生管理手法の導入が進められています。HACCPは食品の製造・加工工程のそれぞれの段階で衛生管理を連続的に監視するという手法で、厚生労働省によってもその導入が推奨されているものです。
東京ガスさんの提案する厨房環境では、例えば水を多用する調理工程を他の調理工程と明確に分けると同時に、使用した水が停滞することのないよう、そして必要な箇所以外はドライで清潔な環境がキープされるよう様々な配慮がされています。こういった厨房環境は、特に学校給食や病院、福祉施設や社員食堂といった大規模な厨房環境で採用、もしくは採用検討されていることが多いそうです。また、濡れていても滑りにくい床や、ダクトを通る空気の温度が180度を超えると、自動的に熱源に消化液を噴射する仕組みなど、安全面でも様々な考慮がされていました。
そして「涼厨」の一環として、加熱機器が並ぶ厨房も空調で冷やすのではなく、温度の高い排気が上昇することで、天井の換気口から涼しい空気を引っ張り下ろすように給気するという室温上昇を抑える仕組みも同時に体感し、エネルギーを効率的に利用した環境づくりを実感することができました。
業務用コンロ 他
厨房環境

食の安全性と安定した供給をサポートする業務用ガス機器

こちらのショールームでは少し珍しい調理機器を見ることもできました。 オーブンとガスコンロが一体になった「フランスレンジ」というフランス料理に使用される加熱機器です。
フランスレンジ
通常のバーナーほかに、一見すると鉄板のように見える部分があります。天板プラックと呼ばれる天板部分の丸く蓋のようになった部分の下で火が燃えており、天板の温度はその火の真上を中心に端に向かってグラデーションのように温度が低くなっていきます。
そのため調理をする人は、火加減を調整するのと同じように、この天板のどこに鍋を置くかで調理の調整をするのだそうです。ひとつのバーナーの熱を効率的に利用しながら、天板という面全体を使用することで複数の鍋を同時に加熱することができるという調理機器です。
フランス料理では、例えばオーブン内で肉を調理しながら、天板の上で野菜などを調理し、天板の端の方でソースを温め、それらをひとつの皿として完成させるといった調理方法がとられることが多いため、このような加熱機器が長く愛用されているそうです。
調理人の五感をフルに使った調理に向いていて、食材や提供する相手に合わせて臨機応変な対応が必要とされる調理シーンにぴったりの厨房機器です。
一方で安全に、かつ大量の調理を効率的に行う必要があるシーンもあります。例えば学校給食や病院、福祉施設向けの調理は数百人単位での提供が必要となるため、安全はもとより効率も重要です。
そういった厨房で活躍し始めているのがスチームコンベクションという業務用オーブンで、スチームを利用することで熱伝導率が高くなるため食材の中までしっかり火が通り、調理時間も短縮できるのが特長です。
こちらのショールームではプロ向けのスチームコンベクション体験セミナーも開催されているそうで、私たちもスチームコンベクションで調理した唐揚げを試食させていただきました。スチームを利用して加熱しているため、ふんわりと柔らかく、学校給食では冷めても柔らかいと子供たちに人気なのだそうです。
スチームコンベクション体験セミナー
そのほかにも様々な業務用ガス機器を拝見することができました。使用する人のためには安全性、厨房環境性、清掃性など、食を提供される人のためには安全性と美味しさなど、求められる条件が厳しい厨房機器ですが、様々な開発や工夫によって大きく進化しているのだと実感することができました。
様々な業務用ガス機器

おわりに

集合写真
今回、ショールームで拝見・体験した業務用機器は当社が取り扱っている家庭用の機器とは異なりますが、ガスというエネルギーを使用して、より快適な調理環境を提供したいという東京ガスさんや、リンナイさんをはじめとするガス機器メーカーさんの想いを改めて感じることができました。
このような機会をくださったと同時に、東京ガスさん、リンナイさんには当社スタッフの様々な質問にも丁寧に対応いただき、本当にありがとうございました。
住宅設備の販売・施工専門店として、東京ガスさんや住宅設備メーカーとも引き続き積極的に交流を図り、お客様により高品質のサービスをご提供できるように努めて参ります。
何とぞよろしくお願い申し上げます。