給湯器は、キッチンやお風呂など生活に欠かせない家電の1つです。給湯器の寿命は一般的に10年前後といわれています。交換や買い替えとなると、メーカーや種類によって異なりますが、給湯器本体や交換工事費用を全て含んだ金額はおよそ10〜15万円で、決して安くありません。

そこで活用したいのが給湯器の交換や買い替えに活用できる補助金です。実は国や地方自治体ごとに、省エネ推進のために給湯器やエアコン、食洗機などの家電における補助金や助成金制度を行っています。

今回は、家庭用給湯器の交換・買い替えで利用できる補助金について解説します。

給湯器

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは?

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは、2050年のカーボンニュートラルの実現を目標とした、家庭での省エネ推進のための4つの補助事業の総称です。2023年に新設された同事業は、令和5年度補正予算案で閣議決定されたことで2024年も継続となりました。

住宅省エネ2024キャンペーンの事業は、全部で「子育てエコホーム支援事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」「先進的窓リノベ2024事業」「給湯省エネ2024事業」の4つがあり、給湯器が対象となる事業は、このうち「子育てエコホーム支援事業」「給湯省エネ2024事業」の2つになります。

「給湯省エネ2024事業」について

経済産業省が実施する補助事業で、高効率給湯器の導入支援を行い、家庭におけるエネルギー消費を抑えることを目的としています。正式名称は「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」。

同事業では、エコキュート、ハイブリッド給湯器、エネファームといった高効率給湯器の交換・買い替えでかかる費用の一部が補助されます。

「給湯省エネ2024事業」で補助される金額

給湯省エネ2024事業で補助される金額を種類ごとに解説します。

エコキュート

エコキュートでは、1台につき8万円が補助されます。加えて、下記の要件を満たしていれば、最大で1台あたり13万円の補助が受けられます。

加算要件補助額(加算額)
A要件インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること+2万円/台
B要件補助要件下限の機種と比べて、CO2排出量が5%以上少ないものとして、aまたはb※1に該当するものであること+4万円/台
A+B要件+5万円/台

※1 a:2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの、b:おひさまエコキュート

参照:対象機器の詳細【エコキュート】|給湯省エネ2024事業【公式】

給湯器

ハイブリッド給湯器

ハイブリッド給湯器は、1台につき10万円が補助されます。それに加えて、下記の要件を満たすと、最大で1台あたり15万円の補助を受けることが可能となります。

加算要件補助額(加算額)
A要件インターネットに接続可能な機種で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を有するものであること+3万円/台
B要件補助要件下限の機種と比べて、CO2排出量が5%以上少ないものとして、一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)に基づく年間給湯効率が116.2%以上に該当するものであること+3万円/台
A+B要件+5万円/台

参照:対象機器の詳細【ハイブリッド給湯機】|給湯省エネ2024事業【公式】

エネファーム

エネファームは、1台につき18万円が補助されます。それに加えて、下記の要件を満たしていれば、最大で1台あたり20万円の補助が受けられます。

加算要件補助額(加算額)
C要件ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に稼働を停止しない機能を有するものであること+2万円/台

参照:対象機器の詳細【エネファーム】|給湯省エネ2024事業【公式】

「子育てエコホーム支援事業」について

「子育てエコホーム支援事業」は、2023年に行われた「こどもエコすまい支援事業」の後継事業です。子育て世帯もしくは若者夫婦世帯が対象となります。

これらの世帯は、特にエネルギー価格など物価高騰の影響を受けやすいため、同事業で省エネ性能の高い新築購入やリフォーム費用を支援することで、2050年カーボンニュートラルの実現に近づけるのが目的です。

高効率給湯器はもちろん、食洗機や宅配ボックス、浴室乾燥機なども含まれます。すべて2023年11月2日以降に着工・改修したものが補助対象になるので注意してください。

「子育てエコホーム支援事業」で補助される金額

基準を満たせば、エコキュート、エコジョーズ、エコフィール、ハイブリッド給湯器すべてで、1戸につき3万円の補助が出ます。ただし、同一製品で複数の補助事業を申請することはできません。

参照:エコ住宅設備の設置【リフォーム】|子育てエコホーム支援事業【公式】

対象となる給湯器のメーカー・製品

住宅省エネ2024キャンペーンでは、リンナイ株式会社、ダイキン工業株式会社、株式会社ノーリツ、タカラスタンダード株式会社など、有名メーカーの給湯器も補助対象となっています。詳しく知りたい方は下記公式サイトから検索してください。

参照:補助対象製品の検索|給湯省エネ2024事業【公式】

地方自治体が実施している給湯器に関する補助金

「住宅省エネ2024キャンペーン」の他にも、地方自治体によっては独自に給湯器を対象とした補助金を行っていることがあります。なお、今回ご紹介する自治体以外でも、補助金制度がある場合があります。ぜひ、お住まいの自治体ホームページで給湯器の補助金が実施されているか確認してみてください。

※2024年7月時点の情報です。予算額に達した場合は期限前でも受付終了します。必ず最新情報をご確認ください。

世田谷区エコ住宅補助金【東京・世田谷区】

補助対象設備補助金額
・エコキュート
・ハイブリット給湯器・エネファーム
2万円/台

申請受付期間は、2024年4月1日から2025年2月末日まで(必着)です。契約・工事完了後および機器の購入・設置後に申請してください。

参照:令和6年度 世田谷区エコ住宅補助金について | 世田谷区ホームページ

住宅用ゼロカーボンシティ推進補助金【大阪・泉大津市】

補助対象設備補助金額補助要件
エコキュート2万円/台CO2を冷媒として使用する空気熱源方式のヒートポンプ方式給湯器で、日本産業規格(JIS C 9220)の性能表示があること
エコジョーズ1万円/台潜熱を回収するための熱交換器を備えている給湯器で、給湯効率が90%以上であること
ハイブリット給湯器3万円/台ハイブリッド給湯器(ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器) 熱源設備として、電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併用するシステムで、貯湯機能を持ち、一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上であること
エネファーム5万円/台一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)が指定したものであること

なお、申請受付期間は2024年4月1日から2025年3月15日までです。2024年3月16日から2025年2月28日までに設置した給湯器が対象となります。

参照:住宅用ゼロカーボンシティ推進補助金を交付します/泉大津市

桶川市住宅用新・省エネルギー機器設置費補助金【埼玉・桶川市】

補助対象設備補助金額
エコキュート3万円/台
エコウィル(ガスエンジン給湯器)4万円/台
ハイブリット給湯器4万円/台
エネファーム5万円/台

なお、給湯器以外にも太陽光発電システムや家庭用蓄電池なども対象で、地中熱利用システムを除く対象機器を2つ以上設置する場合は、最大で10万円まで補助を受けることが可能です。実績報告書の提出は2025年3月21日までです。

参照:桶川市住宅用新・省エネルギー機器設置費補助金のご案内/桶川市

まとめ

毎日使う給湯器は、できるだけ高性能な製品をお得に購入できると良いですよね。本記事でご紹介した補助金を活用して、より使いやすい給湯器への交換・買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

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