お湯が出ないとつい慌ててしまい、「ガス給湯器の故障かも」と思いがちですが、蛇口の故障、凍結、ガスの遮断、天候の影響など給湯器本体以外にも様々な要因が考えられます。自分で対処し解決できる場合もありますので、まずは原因をセルフチェックしてみてください。
こちらではお湯が出ない時にチェックすべきポイントと対処法をご紹介いたします。
お湯が出ない原因とは?
給湯器・蛇口の故障
お湯が出なくなる原因として多いのは、経年によるガス給湯器や蛇口の故障です。天候や自然災害が原因でない場合は、「2.お湯が出ない原因のチェックポイントと対処法」以下をご確認ください。
天候や自然災害(点火不良・安全装置作動など)
大雨・台風・地震・落雷・寒波での凍結など、天候が原因でガス給湯器からお湯が出なくなることがあります。自然災害ごとに考えられるトラブルや対処法をまとめました。
※自然災害によるトラブルについてはこちらのページで詳しくご紹介しております。
大雨や台風による不具合
大雨や台風など風の強い日には、ガス給湯器の点火不良が起こったり、給湯器内の安全装置が作動して給湯器が動かない、お湯が出ない場合があります。
その際、給湯器のリモコンに「111」が表示されることが多いです。「111」の表示が出たら、まずはリモコンの「運転」スイッチを入れ直して再度お湯を出してみてください。
それでも解決しない場合、ガスメーター側で止まっている可能性もあります。ガスメーターが正常に動いているかを確認してください。
地震による不具合
地震が原因で、ガスメーターが遮断し、ガスが供給されず、お湯が出なくなることもあります。
地震直後にお湯が出なくなった場合は、まずガスメーターをご確認ください。
凍結による不具合
寒い地域ではあらかじめ給湯器の凍結予防が行われているので問題ないですが、比較的暖かい地域で大寒波などが起こった際に凍結が原因で、お湯が出なくなる場合があります。
寒い日に突然お湯が出なくなるので、慌ててしまいがちですが、まずは外気温度の上昇で、凍結が自然解凍されるまで少し待ってみてください。朝起きてお湯を出そうと思ったら出ない、ということが多いですが昼頃まで待てばお湯が出てくる可能性があります。
落雷による不具合
落雷があった後、電源が入らなくなることもあります。その際は、給湯器内部での漏電が原因の可能性が高いため、一度、給湯器のコンセントを抜き差ししてみてください。
それでも直らない場合は、漏電が原因で給湯器の故障も考えられますので、修理もしくは交換をご検討ください。
お湯が出ない原因のチェックポイントと対処法
蛇口をひねってみる
キッチン・浴室・洗面 ご自宅全ての蛇口(水栓)で、お湯・お水が出るかご確認ください。
お湯が出なくなった場合、一部の蛇口だけではなく、キッチン・浴室・洗面などご自宅全ての給湯機能付き蛇口をご確認ください。また、お湯だけが出ないのか、水・お湯両方とも出ないのかも合わせて確認ください。
水は出るがお湯が出ない場合
お湯側の蛇口をひねると、水は出るけれど、お湯が出ないという場合は、一部の蛇口からのみお湯が出ないのか、ご自宅全ての蛇口からお湯が出ないのかがポイントになります。
一部の蛇口からのみお湯が出ない
ご自宅の蛇口を全て確認し、一部蛇口からのみ、お湯が出ない場合は、蛇口自体の故障も考えられます。
例えば、洗面・浴室の蛇口からはお湯が出る、また追い焚き付き給湯器で追い焚きも問題なくできるけれど、キッチンの蛇口からのみお湯が出ないという場合は、キッチン蛇口の故障が原因の可能性があります。
蛇口からお湯が出ない=給湯器の故障と考えがちですが、慌てずに、別の場所の蛇口からは問題なくお湯が出るのかを、まずはご確認ください。
※浴室蛇口を確認する時は、サーモスタットがお湯の温度にきちんと設定されているかも合わせてご確認ください。
一部の蛇口からのみお湯が出ない場合は、蛇口の交換をご検討いただくことをおすすめします。
どの蛇口からもお湯が出ない
ご自宅のどの蛇口からもお湯が出ない場合は、まず給湯器の水抜き栓のフィルターにゴミが詰まっていないかご確認ください。
給湯器の給水元栓の上部に、水を抜くための水抜き栓があり、その栓の中にストレーナ(水抜き栓フィルター)があります。そのストレーナ(水抜き栓フィルター)にゴミなどが詰まっていると、お湯がうまく出なかったり、お湯にならない場合があります。
ストレーナ(水抜き栓フィルター)の掃除をし、ゴミを取り除きます。
※掃除方法は、お使いの給湯器の取扱い説明書をご確認ください。
※ストレーナーを掃除しても解消しない場合は、それ以外に原因がないか、以下項目についてもご確認ください。
水もお湯も出ない場合
蛇口のお湯側をひねっても、お湯も水も出ない場合は、水道の止水栓や元栓をご確認ください。
水道の止水栓を確認する
蛇口には、それぞれ止水栓がついています。止水栓が閉まっている場合、蛇口から水やお湯を出すことはできません。止水栓が開いた状態であるか確認してください。
※水量調節機能も担っているので、必ずしも全開とは限りません。
水道の元栓を確認する
家全体の給水を止めることができる、水道の元栓が閉まっている場合は、蛇口や給湯器などの機器に水を送ることができません。元栓がきちんと開いていることを確認してください。また、断水の際も水を送ることができないため、断水が起きていないかも併せて確認します。
ガス給湯器の給水元栓を確認する
給湯器は、給水した水が給湯器内で温められてお湯となり、蛇口や浴槽から出る仕組みです。そのため、給水元栓が閉まっていると給湯器内に給水できず、お湯を沸かすことができません。
給湯器を使用する際は、給水元栓が完全に開いている必要があります。完全に開かれていない場合にもお湯が出ないことがあります。
ガスの供給元を確認する
給湯器と一緒に、他のガス機器(ガスコンロやガスファンヒーターなど)も使用できない場合は、そもそもご自宅にガスが供給されておらず、給湯器が使用できない、お湯が出ない状況になっている可能性があります。
また、賃貸マンションやアパートにご入居され、最初に蛇口をひねった際にお湯が出ない場合は、ガスの元栓が閉まっている可能性がありますので、開栓してください。
ガスメーター側で遮断されている場合
都市ガスまたはLPガスをお使いで、ガス遮断装置付きのガスメーターの場合、ガス機器の消し忘れや流量オーバー、地震や強い振動、多量のガス漏れ、機器の長時間使用、ガス圧力の低下の際にガスが自動的に遮断されます。ガスが遮断されている場合には、給湯器にもガスが供給されないため、お湯を沸かせません。ガスメーターが止まっていないか、正常に動いているかをご確認ください。
ガスが自動的に遮断された場合は、ガスメーターの復帰作業が必要となります。写真の赤丸の部分が復帰ボタンです。こちらのボタンで復帰作業を行います。
※復帰作業の詳細については、ガスメーターの取扱い説明書等をご確認ください。
プロパンガス(LPガス)が無くなっている場合
プロパンガス(LPガス)をお使いの場合、ガスの量が少量になり、給湯器にガスが供給できなくなっている場合がまれにあります。ただ、プロパンガスの残量は外から目視で確認することができませんので、ガス残量が気になる場合は、ご契約されているガス会社にお問い合わせください。
ガスの元栓が閉まっている場合
給湯器は、ガスを燃焼させてお湯を沸かします。そのため、ガス栓が閉まっていると、給湯器にガスが供給されず、お湯を沸かすことができません。給湯器を使用する際は、ガス栓が完全に開いている必要があります。
特に、賃貸のマンションやアパートにご入居され、初めて蛇口をひねった際、お湯が出ない場合は、給湯器のガスの元栓が閉まっている可能性があります。
写真を参考に給湯器の配管部分にあるガスの元栓を開栓してください。
※メーカーにより、給水元栓の形状が異なります。
電気系統を確認する
お湯が出ない原因として、給湯器リモコンをうっかり消してしまった、ブレーカーが落ちている、給湯器の電源が外れているといった電気系統部分に原因がある場合もあります。
ガス給湯器のリモコンがOFFの場合
キッチンや浴室に取り付けられている給湯器リモコンの電源がOFFになっていないかご確認ください。
OFFの場合はスイッチを入れ、給湯器を起動させてください。
漏電遮断器(ブレーカー)が落ちている場合
漏電などで異常な電流が一定時間以上流れると、漏電遮断器が電流を自動で遮断します。ガス給湯器の運転には電気が必要なため、ブレーカーが落ちた状態では、お湯は出ません。
漏電遮断器が落ちた時は、どの場所で漏電が起きているかを特定し、給湯器以外であれば給湯器はそのまま使用し、給湯器が原因の場合には、給湯器メーカーにお問い合わせください。
ガス給湯器の電源プラグが外れている場合
電源プラグが外れている場合もお湯が出なくなる原因となります。
給湯器本体のプラグが外れていないかご確認ください。
給湯器本体を確認する
上記項目がいずれも当てはまらない場合、給湯器の不具合(トラブル)や故障によりお湯が出ないことが考えられます。給湯器の故障によりお湯が出ない場合には、メーカー保証期間内であるかなどを確認の上、給湯器メーカーにお問い合わせください。
エラーコードが表示されている場合
給湯器のリモコンにエラーコード(数字)が表示されている場合は、取扱い説明書でエラー内容を確認します。エラーの内容により、修理依頼を必要とするものとしないものがあります。
故障の場合には、メーカーにお問い合わせください。
メーカーの判断にて給湯器の交換が必要になった場合は、給湯器交換業者をお呼びください。
設置(ご購入)から10年以上経過している場合
給湯器の耐用年数は、各メーカー10年と定めています。そのため、設置(購入)から、10年以上経過している給湯器は、故障が起こりやすく、修理しただけでは完全な解決にならない場合が多いため、給湯器ごとの交換も含めてご検討いただくことをおすすめします。
また、これまでも何度か不調があった場合などは、給湯器の寿命である可能性が高いです。その場合も、給湯器交換の検討をおすすめします。
まとめ
問題は解決されましたか。ある日突然、お湯が出なくなるという状況は大変困ってしまいますが、慌てずに1つ1つの原因をチェックしていけば対処できることも多くあります。
生活に欠かせないお湯ですが、どういう仕組みで毎日供給されているのか案外、知らないことも多いのではないでしょうか。
給湯器や蛇口の故障が原因の場合は、ぜひ交換できるくんにて機器交換をご検討ください!
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