ねじにも山あり谷あり | 交換できるくんスタッフブログNO-56809

いつもスタッフブログをご覧いただき有難うございます。

経営企画部の佐藤です。

 

TOTOさんから1月、小さな部品が発売されました。

TBN01206J-2

ねじの部分を除いた厚みが約1cm、横幅は約15cmの板状の部品です。

本当に小さな部品ですが、私としては待ちに待った新商品でした。

 

お客さまに直接お買い上げいただく商品ではありませんが、

浴室水栓の雑学としてお聞きいただければと思います。

TBV03401J

TOTO|浴室用水栓『GGシリーズ』 TBV03401J

 

壁付きの浴室水栓は

・水栓本体
・脚(2本)
・シャワー部
・パッキンなど細かい部品

に分かれています。

wall_06

水栓本体とシャワー部を外すと壁に脚だけが残ります。

(より詳しい施工方法はこちらから)

 

問題はこの「脚」です。

 

交換時は基本的に脚から丸ごと取り替えますが、

どうしても脚が取り外せないケースが稀にあります。

 

脚は壁の内側で配管(給水管)とつながっているのですが、

古く固着した脚をえいやと回すと配管が傷ついてしまいます。

 

そういった現場では、古い脚を残して水栓本体だけ交換します。

当店では、エンジニアが脚を回そうとした手応えで「これ以上は危ない」と判断したとき、

お客さまに状況をお伝えして、ご了承いただいた場合は「脚残し」で対応しています。

 

 

古い脚と新しい本体をつなげるためには、ねじの形状が合っていないといけません。

これまでは、たとえ交換前後でメーカーさんが異なっていたとしても、

ねじ山の数・幅が違う程度でしたので、

pt25

こんな部品を間に挟んで、ねじの形状を揃えれば手軽に交換可能でした。

 

ところが、昨年4月に発売されたTOTOさんのサーモスタット付き水栓だけは、

・水栓本体のねじが凹
・脚側のねじが凸

と従来とは逆になってしまいました。

新しい水栓が凹、古い脚も凹では当然つながりません。

 

さらに、TOTOさんの旧品番の水栓は、

ねじの形状が「W28山18」という非常に珍しい規格をしています。

そのため探しても探しても、ちょうど良い部品が流通していませんでした。

 

同じTOTOさん、同じシリーズなのに、どうして新品番に交換できないのか……

 

TBN01206J-2

そこで、本日の主役が登場です。

板を挟んで両方のねじが凸になっており、

凹の古い脚と凹の新しい水栓本体をつなぐことができます。

 

アダプタ

このように、水栓本体と脚のあいだに挟まって、ねじの悩みを解決してくれるのです。

この部品のおかげで、お客さまのご希望に沿える現場が増えてくれれば嬉しいですね。

 

今回はニッチなお話でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

それでは、本日もよろしくお願いいたします。