技術と感謝の心 | 交換できるくんスタッフブログNO-6797

技術と感謝の心

いつも交換できるくんのスタッフブログをご覧いただきましてありがとうございます。

気温も上がり、夏の気配を感じていますが、
エアコンで体を冷やしすぎないよう、注意してくださいね。

さて本日は、私の身内に起きたことから考えさせられた事柄を書こうと思います。

先日、私の父が心臓の手術を行いました。
当初の予定より、難しい手術になりそうということで、午後からの予定が、午前開始になったり、術後も病室へ戻ることができなかったりと体に負担がかかることの連続でしたが、手術自体は無事成功し、術後の経過を見ている状態です。

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父は、幼少期の高熱が原因で心臓弁膜症を患い、以降常に心臓に不安を抱えながら生活してきました。
とはいえ、家族を支える仕事ある男性ですので、無理をしてきたと思います。
その無理がたたり十数年前に一度目の手術を行い、その後カウンターショック(*1)と呼ばれる、除細動を行いました。
その時、担当医から家族が告げられたのは、「除細動は応急的な処置であり、数年後に再発する可能性は高い」「弁膜症が悪化すれば、大がかりな手術の必要がある」という内容でした。
幸い術後も仕事を続けることができたのですが、当時の担当医の予告通り、心房細動による不整脈が度々起こるようになり、今回は心房粗動による不整脈が抑えられなくなり、手術することになりました。
前回の手術時には、次回は再度の除細動または大きな手術になるという話でしたが、予想以上に心臓がもってくれたこともあり、技術が進歩し、不整脈を起こす電気信号を出す細胞を高周波で焼き原因を取り除くことができる術式が、実用化され今回手術を受けることができました。

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父がそのような手術を受けていなければ、そのような技術があることも、それを実用化させるために努力してきた人がいることも、知ることがなかったと思います。
私たちは、普段生活を送っている中で、自分とはかかわりの薄い物事や一見関係しないような物事のために、日々時間と命を削っている人がいることを意識することがなかなかありません。
私は今回のことで、知らないところで、「誰かが誰かのために」働いてくれていることを再認識することができました。
その技術はもしかしたら、私には一生関係のないことかもしれませんし、その物事一つ一つを認識し感謝することは到底できません。
ただ、それを意識して生きていく人生と、意識せずに生きていく人生には大きな違いがあるように思います。
私が出した一つの答えは、遠回りなのかもしれませんが、自分が日々生活していく中で起こる事象に、敬意を払い感謝していくことが、いつかは父を助けてくれた技術者に伝播し、その輪の広がりが、また別の人を助けることにつながるような気がします。

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私は、「ありがとう」という言葉の重みを再認識することができると同時に、自分が意識せずにこの言葉を使い分けていたことに気付きました。
ただ声に出すということではなく、思いを言葉に込めることで、「ありがとう」は初めて成立する言葉だと感じることができました。

あたまではわかっていても、日常に取り入れていくことは難しいものですよね。
まずは、交換できるくんをご覧いただいている皆様への感謝から、今日一日を始めてみようと思います。

お読みいただきまして「ありがとうございました」

※1カウンターショックとは、心室細動,無脈性心室頻拍などの致死性不整脈や,心房細動,心房粗動,発作性上室性頻拍,心室頻拍などの頻拍性不整脈に対し,これらを洞調律に復帰させることを目的として直流通電する方法