最近の新築住宅であれば、エアコン取り付けに必要な設備はあらかじめ想定された設計になっているケースが多いですが、注意点もあります。ここでは設計・建築段階または竣工後の住宅ごとに押さえておきたいエアコンの取付ポイントをご紹介いたします。
注文住宅と建売住宅では選択肢が異なる
一概に「新築」といっても設計・建築段階から検討できる注文住宅と竣工後に購入する建売住宅では選択できる取り付け方法が大きく異なります。新築物件の種類に合わせた選択肢とメリット・デメリットをご紹介します。
設計・建築段階なら選択肢が広く工事メリットが多い
エアコン取り付けるには「室内機と室外機を繋ぐ冷媒配管」、「連絡電線」、「ドレンホースを通すスリーブ穴」、「エアコン専用のコンセント」、「室外機の置き場所」などの確保が必要です。建てられた後の住宅(建売住宅など)に比べ、選べる選択肢が多いのが大きなメリットです。
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筋交いを避け、耐震・気密・断熱性を損なうことなく穴あけができる
エアコンの配管類を貫通させるため壁に穴を開ける場合は、筋交いや柱・間柱など建物の耐震性に影響する構造物を傷付けることは避けなければなりません。
設計または壁が出来上がる前の建築段階なら、耐震性を損なうことなく穴あけできるのがメリットです。
特に外気の影響を受けにくい高気密・高断熱住宅であればエアコンスリーブ穴は設計のタイミングで確保されていることがほとんどです。
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天井埋め込み型のエアコンを選択できる
天井埋め込み型エアコン
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出っ張りがなく、配管も隠蔽できる美しい仕上
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交換できるのは既存の後継機種のみ
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家電量販店では取り扱いがない
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引っ越しの際に取り外して移設はできない
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施工できる業者が少ない
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本体や設置費用が高い
壁掛エアコン
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壁から本体部分が出っ張ってしまう
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グレード別にモデルが多く、選択肢が豊富
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家電量販店でも買える
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引っ越しの際に取り外して新居に移設できる
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施工できる業者が多い
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本体や設置費用を安く抑えられる
オフィスや店舗などで見かける天井埋め込み型のエアコン(天井カセットエアコン)も設計段階であれば選択することが可能です。一般的な壁掛けエアコンのように出っ張ることなくすっきりとしていて、パワーも大きく、部屋の中央付近に取り付けることができることから冷房・暖房の効率が良いのが特徴です。ただし、壁掛けエアコンに比べ、取り付け時の設置費用は割高になります。
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室外機の理想的な設置場所と十分な周辺スペースを確保できる
室外機は外気の影響を受けやすいので、冷房・暖房の機能を十分に発揮するには設置場所の選定が重要です。空気を取り込むため外壁から距離をあけるなどの周辺スペースはもちろんのこと、日光や雨が直接当たることのない場所を設計・建築段階で確保できるメリットがあります。
また室内機と室外機はできるだけ近い位置に置いたほうがエアコンの能力が発揮されやすくなります。戸建て2階、3階のエアコンは同階のベランダやバルコニーなどに室外機の置き場所を確保しておくのが理想的です。
できれば避けたい特殊な設置場所とは?
屋根の上に専用架台を組んで設置する方法。日光が直接当たりやすく外気の影響を受けやすい場所です。
天井から吊り下げる専用架台を利用して室外機を設置する方法。ドレン配管を別で確保する必要があります。
2階・3階に室内機を取り付け、室外機を1階に設置する方法。配管距離が長くなるため追加費用が高額になりやすい。
戸建て2階・3階の室外機をベランダに置くスペースがない場合、屋根の上に専用架台を設ける「屋根置き設置」、天井から吊り下げる「天吊り設置」、1階の庭に室外機を置く「立ちおろし配管」といった設置方法があります。ただし美観を損なう、設置費用・買い替え費用が高くなる、室内機と離れることで配管距離が長くなりエアコンの効きが悪くなるといったデメリットがあるため、可能な限り避けておきたいところです。
隠蔽配管のメリット・デメリットとは?
設計段階で建てる前の新築物件であれば隠蔽配管も選択可能です。エアコン室内機と室外機を繋ぐ配管・電線類を先行して壁の中に通すことで化粧カバーなどの部材不要で美しい外観で仕上げられるのがメリットです。
デメリットとしては「配管の交換が容易にできない」、「買い替え時に追加部材費や設置費用がかかる」、「ガス漏れが起きやすい」などが挙げられます。
隠蔽配管のメリット・デメリットとは?
配管穴、専用コンセント、室外機の置き場3つの確保がポイント
建売住宅などのすでに完成している住宅にエアコンを取り付ける際は「配管・電線・ドレンホースを通す穴」「専用コンセント」「室外機の設置場所」が確保されているかどうかがポイントになります。これから建売住宅の購入を検討されている方は下記事項を内覧時にご確認ください。
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エアコンを設置したい部屋に配管穴があるか
部屋に配管を通す穴(スリーブ穴)が見当たらない場合は新たに穴を開ける必要があります。
穴あけ作業に対応している家電量販店やエアコン工事業者も存在しますが、図面だけ見ても判断ができないのが一般的です。万が一の際の責任が取れないため、穴あけは建設会社(工務店)やハウスメーカーにご依頼されることをおすすめします。
後から壁に穴をあける場合の注意点
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筋交いや間柱などの構造物を誤って傷付けてしまう可能性がある
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気密性や断熱性を損なってしまう可能性がある
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雨が直接当たる位置への穴あけは水漏れしてしまうことがある
一部のハウスメーカーでは他の業者による外壁の穴あけをすることで長期住宅保証の対象外となってしまうことがあります。
建物の構造を把握していない業者による穴あけは防水性・気密性・断熱性と住宅性能を損なう可能性がある点にご注意ください。
穴あけが必要な場合はご自宅を建てた工務店やハウスメーカーへ相談する
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エアコン専用のコンセントがあるか
エアコンは消費電力が高く、比較的長い時間電気を利用するため、専用の電源が必須となります。設置したい部屋に専用コンセントがない場合は分電盤から新たに電気配線を引いてくる必要がありますが、多くは露出配線となります。
また設置場所が2階や3階となるとその距離も長くなり、位置によっては配線が難しいケースもあります。
エアコンを取り付ける壁は外壁に面してることがほとんどで、壁内は断熱材などがあるため配線が通すことができません。住宅構造によって変わりますが、露出配線となるケースが一般的です。
分電盤は1階にあることが多いため、2階や3階まで配線する場合は距離が長くなります。配線は直線ではできないため、距離が長すぎる場合はエアコンの取り付けが難しいケースがあります。
専用コンセントには種類がある?
エアコンには単相100Vと200Vタイプがあり、コンセント形状も異なります。取り付けるエアコンとコンセントの形状が合っていない場合はコンセントの交換、電圧も異なる場合は分電盤で電圧変換が必要です。
専用コンセントには種類がある?
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室外機の設置スペースがあるか
日光が直接当たる場所に室外機を設置すると、夏場の冷房運転で涼しい風が出にくくなります。また空気を取り込む背面、熱交換した空気を吐き出す前面にスペースが確保されていないと、本来の能力が十分に発揮できなくなります。
※壁・障害物からの離隔距離(スペース)はメーカーや機種により異なります。
参考ページ
直射日光を避けて室外機を移設する
冷房が効きやすい
外気の影響を受けにくく、暑さの厳しい夏場でも安定して性能を発揮することができます。室内機の設置位置によっては配管距離が長くなる場合があります。
冷房効率が落ちやすい
日差しの強い夏場などは室外機が熱くなり、冷房の効きが悪くなります。夏場に冷房が効かない原因の多くは室外機の設置場所に起因しています。
リビングなど南向きの部屋は、室外機も直射日光の当たる南面に設置されていることがあります。風が生暖かいなど冷房が効きづらい場合は室外機の移設をご検討ください。
新築物件の取り付けで注意しておきたいこと
昨今の住宅は気密性が高く断熱性にも優れており、空調管理がしやすい設計となっています。2025年4月1日以降は新たな建築物省エネ法が適用されることで、外気の影響を受けにくい住宅しか建てられなくなりますが、それでもエアコンによる空調管理を効率的に行うには、いくつか注意すべき点があります。
吹き抜けはエアコンが効きづらい
温かい空気は上方へ、冷たい空気は下方へ流れます。シーリングファンなど空気の循環を行い温度差を少なくする手法もありますが、吹き抜けでは効率的な空調管理が難しくなります。
「窓からどれぐらい陽の光を入れるか」、「窓の性能や方角等の位置をどうするか」によっても大きく異なるため、吹き抜けを採用する場合はエアコンの能力も含めて総合的に考慮されることをおすすめいたします。
床暖房と併用する場合は冷房能力を重視する
エアコンは設置する部屋の広さ(畳数)に合わせた製品を選びます。
現在では多くの住宅で床暖房が採用されるケースも多くなっており、冬場にエアコンを利用しないご家庭は暖房ではなく、冷房を基準に畳数のめやすを判断するのがおすすめです。
エアカットバルブの取り付けを検討する
高気密住宅やマンションの高層階などではエアコン運転時に室内機本体からポコポコと音がすることがあります。これは室内の吸気と排気のバランスが取れず、エアコンのドレンに空気が入り込むことが原因です。
エアカットバルブをドレンホースの先端に取り付けることで症状は改善します。またエアカットバルブは害虫の侵入を防ぐといったメリットがあるため、お住まいの環境によってご検討ください。
エアコン取り付けなら交換できるくん
交換できるくんのエアコン取り付けが選ばれる理由
メリット新しいエアコン取り付けサービス
「ネットだけで見積り総額が分かる」、「わずらわしい事前の現地訪問不要」など今までにない新しいエアコンの取り付けサービスを実現しました。
メリットエアコンは全品驚きの低価格
お見積りは写真を撮って専用フォームから送るだけ。現地調査をしないネット完結サービスだから、その分驚きの低価格でエアコンが取り付けできます。
メリット最短当日のスピード見積り
お見積りは最短当日で専門スタッフが正確にご案内。エアコンの故障や不具合などお急ぎの場合もお任せください。
メリット当日の追加請求は一切なし
お見積りでは商品+追加工事費の全てが含まれた総額をご案内。工事費込みの分かりやすい明朗会計で、当日に追加費用は請求しません。
メリット経験豊かな工事担当者がご訪問
工事担当者の身元はもちろん資格の有無、技術、接客対応まで交換できるくんが管理。経験豊かな工事担当者が伺います。
メリットエアコンは工事担当が当日に持参
重量があるエアコンは担当者が工事当日に持参して丁寧に搬出入いたします。そのまま工事を行えるので事前の保管スペース確保は不要です。
メリット充実のアフターサポート
エアコン工事後の不具合については当社専用のサポート窓口までご連絡ください。専任スタッフが修理・メンテナンスを対応します。
ルームエアコン交換の流れ
1 Step1. 商品を選ぶ
取付されたいルームエアコンをお選びください。当社にてお客様にあった商品をご案内することも可能です。
2 Step2. 見積りをご依頼
ルームエアコンが決まったら見積りをご依頼ください。現状の画像をお送りいただければ、設置適合確認も当社で行います。
3 Step3. ご注文
見積りの内容にご納得いただいたらご注文手続きをお願いいたします。工事日程のご希望をお伺いします。
4 Step4. 工事お伺い
工事担当が商品を持って、お客様のご自宅へお伺いし室内機・室外機の取り付け、電源配線接続、真空引き作業、試運転等を行います。
コンセントの形状は全部で4タイプ
単相100Vタイプ |
単相200Vタイプ |
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コンセント形状 |
平行型 |
アイエル型 |
タンデム型 |
エルバー型 |
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15A (1,500Wまで) |
20A (2,000Wまで) |
15A (3,000Wまで) |
20A (4,000Wまで) |
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簡略マーク (カタログ表記) |
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プラグ形状 (互換性) |
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対応 |
非対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
非対応 |
対応 |
対応 |
壁掛ルームエアコン用のコンセントは単相100Vタイプと200Vタイプそれぞれに型が2つ、合計4種類あります。
同じ電圧(V)でもアンペア(A)が異なるとコンセントの形状も異なります。
メーカーやシリーズによりエアコンのプラグ形状が異なりますので、ご自宅のコンセントが対応しているか事前にご確認ください。