エアコンの電気代を賢く節約するには?｜節電術を徹底解説

快適な室温維持に欠かせないエアコンですが、使い方によっては電気代が多くかかってしまうことも。ご家庭で簡単にできる消費電力・電気代の節約方法のほか、買い替える場合におすすめの省エネ機種をご紹介します。

冷房と暖房の一般的な電気料金はどのくらいになるのでしょうか？電気代は以下の計算式で算出できます。

例えば定格消費電力が580Wのエアコンで冷房を使用した場合、1時間あたりの電気代は約18円になります。電気料金単価は公正取引協議会が目安としている31円/kWhで計算していますが、電力会社や契約プランにより異なりますのでお手元の検針票をご確認ください。
なお定格消費電力は畳数や機種によって異なります。参考として当社で人気のダイキンEシリーズの電気料金目安をご紹介します。

エアコンの電源をつけっぱなしにする場合とこまめに切る場合ではどちらの方が電気代が安くなるのでしょうか?
部屋の温度と設定温度の差が大きくなるタイミングでこまめにオン・オフをするよりもつけっぱなし運転の方が節約できます。

お住まいの日あたり、断熱性能、時間帯によっても左右されますが、日中の30分程度の外出であれば入り切りせず、つけっぱなしの方が消費電力を抑えることができます。「部屋が暑くなる帰宅時の夏場」、「寒さを感じる冬場」のようなケースは室温と設定温度に差が出やすいと考えられますので、こまめに電源を切るよりもつけっぱなしの方が効率がよい節約術といえます。

動画ダイキン「エアコン電気代比較実験」

電気料金を気にして睡眠時のエアコンは「つけっぱなし運転」ではなく「切タイマー」を利用されている方も多いかと思います。電気代は「切タイマー」の方が安く抑えられますが、蒸し暑さ(猛暑日)による睡眠の質が低下となると、翌日の活動にも影響がでてしまいます。室温安定後の消費電気量は低く抑えられるので熱帯夜はつけっぱなし運転がおすすめです。

冷房と除湿は「冷たくなった熱交換器に室内の空気を通し、室温・湿度を下げる」という原理は同じで、消費電力に大きな差はありません。ただし、除湿の中でも冷たくなった空気を熱交換器の一部で暖めて送り出す再熱除湿方式は冷房に比べると電気代が高くなってしまいます。お使いのエアコンの除湿機能がどれに該当するかで変わります。

環境省が2005年より推進してきた「クール・ビズ」「ウォーム・ビズ」で提唱されているのが、夏の「冷房28℃」、冬の「暖房20℃」です。この温度はエアコンの設定温度ではなく室温であることはご存知でしょうか？確かに、外気温と設定温度の差が少ないほどエアコンの負荷は少なく省エネとなりますが、過ごしにくい環境となってしまうのは本末転倒です。夏の「冷房28℃」、冬の「暖房20℃」はあくまで「室温の目安」であるとお考えください。

カーテンをうまく使うことで冷暖房の効きをより効率化することが可能です。猛暑日が増える夏は遮光カーテンで直射日光を避け室内の温度上昇を防げます。冬場は窓から暖めた空気が逃げるのを抑制し、温度低下を防ぐ効果が期待できます。

冷たい空気は部屋の下のほうに溜まりやすく、逆に暖かい空気は天井付近にたまりやすいという性質があります。冷房時は天井に沿うよう水平に、暖房時は足元に向かって風向きを設定しておけばお部屋の効率的な温度調節ができるので節電につながります。

エアコン運転時は扇風機やサーキュレーターを併用して空気の循環・かくはんを行うことで部屋全体の温度のムラをなくし、さらに効率的な節電につながります。

冷房と暖房は真逆の動きとなりますが、どちらも熱交換器を介して空気中の熱を交換する仕組みは同じです。空気を吸い込める空間と空気を吐き出す吹出口スペースを十分に確保することはエアコンの省エネ運転に直結し、結果電気代の削減へとつながります。

常に24時間エアコンを稼働させているシンガポールでは、最低半年に一度の清掃が法律で義務付けられています。日本ではそういった法律自体はありませんが、定期清掃することで本来の性能を引き出せるようになるので、電気代を削減したい、できるだけ長くエアコンを使いたい方は、定期的に専門業者によるエアコン洗浄されることをおすすめいたします。

電力会社を変えずに契約プランのみの変更で電気代を抑えるのは難しく、ご家庭によっては逆に割高となってしまうケースも考えられます。電気小売業者への切り替えが効果的ですが、昨今の燃料費高騰によって倒産する会社も出てきています。提示されるシミュレーションだけを信じて乗り換えるのでなく、検討している電気小売業者の信頼性や実際の使用状況から計算してご判断されることをおすすめいたします。

エアコン電気代の節約術についてご案内してまいりました。使い方や周辺環境を整えるだけでも効率的な空調管理ができるようになります。また買い替えの場合はAPF値の高い省エネエアコンを選ぶことで高い節電効果を期待できます。