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賃貸物件でウォシュレット(温水洗浄便座)の取り付け・後付けは可能?
2025/02/02
2025/02/02
最近では、一般家庭でもごく当たり前となっているウォシュレット(温水洗浄便座)。その快適さから「賃貸物件でも取り付けをしたい」と考える方も増えています。
しかし、賃貸では、物件の規約や原状回復の義務があるため、設置に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。この記事では、賃貸物件でも安心してウォシュレットの取り付けや後付けを行うための方法や注意点をわかりやすく解説します。
※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。
目次
そもそも賃貸物件で、ウォシュレットの後付けはできるのでしょうか?
結論からいうと、大家さんや管理会社の許可が得られればウォシュレットの後付けは可能です。賃貸物件は退去時に原状回復が求められるため、工事や改装は原則禁止されています。
ただし、ウォシュレットのように大家さんや管理会社に相談すれば可能なケースも存在します。入居時の契約内容に工事OKの旨が記載されていたとしても、念のため許可を取ったほうが安心です。
賃貸物件でウォシュレットの取り付けを行うケースでは、工事費用やウォシュレットの本体価格、修理費用はすべて自己負担になることが一般的です。さらに、退去時には後付けしたウォシュレットを取り外して原状回復する必要がありますが、その際にかかる費用も自己負担となります。
ユニットバスでは電源の確保や防湿性の問題があるため、設置が制限される場合があります。水がかかったり湿気がこもったりする場所に設置すると、感電や故障のリスクがあるため、通常の温水洗浄便座の設置は推奨されません。
しかし、防湿仕様の温水洗浄便座(例:TOTOの『防湿仕様ウォシュレット』)を選べば、設置できるケースもあります。どうしても取り付けたい場合は、防湿タイプの特殊なウォシュレットを選んでください。
ただし、防湿タイプのウォシュレットを後付けする際には、壁に穴を開けて電源コードを接続しなくてはいけません。電気工事を伴う設置(コンセント増設など)は、原状回復の義務が発生する可能性が高いので、必ず大家さんや管理会社に確認してから着工するようにしてください。
ここでは、自分でウォシュレットを取り付ける方法について解説します。
基本的には、下記の3つの工具があればウォシュレットの取り付けや後付けが可能です。
・プラスドライバー ・マイナスドライバー ・モンキーレンチ |
まず、水漏れを防ぐために水道の元栓を閉めます。また、古いウォシュレットを交換するケースでは、感電防止のためにコンセントも抜いておきます。
便座の根元部分は下から便器にナットで留められています。モンキーレンチで便器の裏に付いているナットを取り外し、蓋ごと便座を取り外します。
便座を取り外して露出した2つのナット穴部分に、ベースプレートを横向きに置き、上からボルトやネジで留めます。
トイレタンクの蓋を開けて止水栓を閉めます。そのあと、蓋を開けたままタンク脇に付いている給水管を取り外します。給水管はナットで固定されているため、モンキーレンチで慎重に取り外してください。少し水が落ちる可能性があるため、給水管の下にタオルや雑巾などを敷いておくと良いです。
止水栓を押さえながら、ゴムパッキンを間に挟んで分岐金具を取り付けます。ゴムパッキンが緩んだままだと水漏れの原因になってしまうので、取り付けには注意してください。
ウォシュレットの便座本体を、あらかじめ付けておいたベースプレートに差し込むように取り付けてください。あとは、先程取り付けた分岐金具に給水ホースを取り付けます。確実に固定されるまでしっかり差し込んでください。
賃貸物件でウォシュレットを取り付ける際には、いくつか注意しなければならない点があります。
元から付いていた便座は、退去時に再び取り付ける必要があります。取り外した部品とともに、ビニール袋に入れて紛失しないように保管しておいてください。
原則、賃貸物件では退去時に原状回復が求められます。原状回復とは退去時に借りた部屋を入居時の状態に戻すことを指します。万が一、元の便座や部品を紛失・破損してしまうと、自己負担で購入・修理しなくてはなりません。
また、ウォシュレット設置に伴って電源(コンセント)を増設した場合も、電源の原状回復が求められることも。取り付け工事の前に、必ず大家さんや管理会社に確認してください。
もし電源のないトイレにウォシュレットを後付けしたければ、大家さんや管理会社の許可を得たうえで、電源の設置工事をする必要があります。ただし、この工事は高額になることが多く、あまり現実的とはいえません。
賃貸物件でウォシュレットを取り付ける際には、設置スペースの確認が肝心です。具体的には、便器のサイズや形状がウォシュレットの取り付けに適しているかを確認する必要があります。一般的に、便器の陶器部分から縦に開口している部分の長さが32cmから35cmであれば標準サイズ、35cmから38cmであれば大型サイズのウォシュレットが適合します。
また、ウォシュレットの操作パネルには「一体型」と「壁掛け型」があり、それぞれ必要なスペースが異なります。便座横や壁面に十分なスペースがあるかを確認してください。
さらに、ウォシュレットを設置することでトイレのドアの開閉に支障が出ないかもあわせてチェックしておくと良いです。
ウォシュレットの保有者を明確にしておくことが肝心です。保有者を入居者にすると、退去時にウォシュレットを撤去して原状回復する義務があります。しかしそのまま新居に持っていけるメリットも。
一方で、大家さんや管理会社が保有者になると物件の設備として扱われます。そのため、退去時に撤去は不要で、また、破損や不具合を修理するのにかかる費用も大家さんまたは管理会社の負担となります。
ウォシュレットの本体代金は製品や機能などで大きく変動しますが、おおよそ3万円〜10万円が相場です。
自分で設置を行うのであれば必要な工具を揃えるだけで済むため、ほとんど費用はかかりません。ただし、正しく取り付けられていないと水漏れや漏電などが起こり、結果的に修理やメンテナンスで多く費用がかかってしまうことも考えられます。
一方、専門業者に依頼する場合は本体価格とは別に工事費用が1.5万円~2万円ほど発生します。リモコンの設置費用として、別途追加費用がかかることもあります。
本体価格に加えて取り付け工事費用がかかるものの、正確に設置してもらえる安心感があります。自分で設置するのが不安な方は専門業者に依頼することをおすすめします。
賃貸物件でウォシュレットを取り付けることは、一見ハードルが高いように感じますが、ポイントを押さえれば意外と簡単に実現可能です。取り付け前には物件の規約や工事の可否を必ず大家さんや管理会社に確認し、工具不要の簡易タイプや取り外しが容易なモデルを選ぶと安心です。
また、取り付けやメンテナンスが不安な場合は、専門業者に相談することでトラブルを未然に防ぐことができます。
ウォシュレットの後付けは、日々の生活の快適さを大きく向上させる投資といえます。本記事で紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
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