布団乾燥機は、布団を乾燥させたり布団を温めておいたりと便利ですが、布団乾燥機を使うとすごく熱くなるので、火事にならないか不安になってしまいます。

結論から申し上げると、布団乾燥機は正しく使えば火事になりません。布団乾燥機を使って火事にならないように、出火事例や使用時の注意点を紹介します。

本記事を参考にして、便利な布団乾燥機を使いこなしていただけると幸いです。

布団乾燥機使用中の火事の危険性

布団乾燥機を使うと火事になるという不安があるのは、使用時に温度が高くなるからです。それではどのくらい温度が高くなっているのでしょうか。

布団乾燥機の使用中は約50℃近くなる

布団乾燥機は、高温の温風を吹き出して湿気やダニから布団を守る役割を果たしてくれます。ダニは布団を干してもなかなか退治できないと言われています。退治するためには、50℃以上の熱をあてることが必要です。そのため布団乾燥機を使用しているときは、50℃以上の高温状態になります。

種類やメニューによっては65℃近くなることもある

50℃以上でダニを退治できるので、布団乾燥機の使用時には50℃近い温度になりますが、布団乾燥機の種類やメニューによっては65℃近くなります。あてる温度が高いほうがダニをより退治できるので、ダニを退治するメニューだと設定温度は高いです。

布団乾燥機で火事の出火原因に事例

布団乾燥機の使用中は温度が高くなりますが、適切な使い方をしていれば出火しません。不注意などで家事になってしまうという事例が多いです。製品安全センターが報告している「乾燥機及び除湿機による事故の防止について(注意喚起)」に紹介されている出火事例をいくつか紹介します。

乾燥機及び除湿機による事故の防止について(注意喚起)

電源コードから出火する

  • 事故の内容

布団乾燥機の電源スイッチを入れてコンセントに差し込んだところ、コードが破裂し火花が散りました。

  • 事故の原因

電源コードを持ってコンセントから抜く行為を繰り返していたので、差し込みプラグの根元部分で芯線が判断線状態となっていて、それがショートして火花が出たと考えられています。

取扱説明書には、「プラグを抜くときは、電源コードを持って引き抜かないでください。ショートして発火することがあります。」という記載がされています。

油のしみたタオルから出火

  • 事故の内容

老人ホーム内の電気衣類乾燥機を設置していた部屋の近くから出火しました。

2人が死亡し、2人が重傷、1人が軽傷を負いました。

  • 事故の原因

油が残っているタオルを電気衣類乾燥機にかけたので、油が酸化し、酸化熱がたまって温度が上昇し、発火したと考えられています。

美容オイル(アーモンドオイル、グレープシードオイル、オリーブオイルなど)、食用油、動物油などの油は、空気に触れると参加して熱が発生します。この酸化熱が蓄積して温度が上昇すると、自然発火に至る可能性があります。

液体や異物などが発火

  • 事故の内容

電源を入れた電気洗濯乾燥機から、焦げ臭い匂いがして発煙しました。

  • 事故の原因

乾燥用ヒーターに洗剤成分の焦げ付きが認められたことから、洗濯時にヒーター表面に洗剤成分が付着し、乾燥時に洗剤成分が一時的に焦げて発煙したものと考えられました。

布団乾燥機で火事にならないように気を付けること

布団乾燥機は家庭で使うと想定されて作られているので安全ではあるものの、使い方を誤ったり注意を怠ったりしてしまうと取り返しのつかない事故が起きてしまうおそれがあります。具体的にどのようなことに注意して使用すればよいのかを紹介します。

安全装置のある機能を使う

布団乾燥機を安全に使うには、安全装置の機能がついている機種を選んでみてはいかがでしょうか。タイマー機能をはじめとして、温感センサーや温度ヒューズ、サーモスタット機能、掛け布団が本体全体に被さったのを感知して自動停止する機能など、さまざまな機能を搭載した布団乾燥機が出回っています。

アイリスオーヤマのカラリエという商品は、安全設計がなされています。過度の温度上昇を防ぐヒーターや温度センサーなどの部品や、重要部分が故障している場合に電源が入らないようにしたり、ヒーターが設定値以上になると通電を遮断したりと安全に使用できる機能を搭載しています。

使用ルールを守って正しく使う

製品の説明書に書いてある使用ルールは、製品を安全に使用するためのルールです。使用ルールを守って使用していれば、故障していない限り事故は起きないので確認しておいてみてはいかがでしょうか。どの製品にも共通しているような使用ルールをいくつか紹介します。

  • 乾燥させる布団の耐熱温度を確認する

布団にはいくつか種類があります。布団の種類によって耐熱温度が異なる場合があるので、使用している布団の耐熱温度や布団乾燥機の使用は可能かどうかを確認してみてはいかがでしょうか。布団乾燥機を安全に使用できる布団の耐熱温度は70℃程度です。

機能性寝具を使っている場合、高温にあてると機能を失ってしまう可能性があります。例えば低反発マットレスを使っている場合、光熱をあてるとウレタンが変質してしまい、もとのような使い心地が失われてしまいます。低反発、ビーズ、パイプ素材などを使っている寝具に対しては、布団乾燥機を使用しないほうがよいです。

  • 布団乾燥機全体に掛け布団を被せない

布団乾燥機全体に掛け布団を被せると出火の原因になる可能性があります。布団乾燥機の吸気口を塞いでしまうと、本体の温度が急激に上昇してしまい、出火する可能性があります。掛け布団を被せるのはホースのみにして、本体に被せたり掛け布団の中に異物を入れたりしないように注意してください。

  • 水滴が落ちるような洗濯物は乾かさない

布団乾燥機は布団を乾かす以外にも、洗濯した洋服や靴を乾かせる機種があります。布団乾燥機を使って何かを乾かすときには、必ず水気を切ってから乾かすようにしてください。水気が布団乾燥機の中に入ってしまうと、ショートや感電のおそれがあります。水滴が落ちてくるような場所で布団乾燥機を使用するのも危険なので、離れた場所で使用するようにしてください。

布団以外のものを乾かす場合にも、耐熱温度を確認しておかないと生地を痛めてしまうおそれがあるので注意が必要です。

  • 油や洗剤が染みたものを乾かさない

出火事例でも紹介しましたが、油などが付着したものを乾かすと、発火する可能性があります。気づかないうちに火事にならないように注意してください。

まとめ

布団乾燥機を使用するにあたって火事の心配はないのか解説しました。布団乾燥機は家庭で使用することを考えて作られているので、適切な使用方法を守っていれば安全に使用できます。

布団乾燥機を安全に使用するための注意点は

  • 安全装置のある機能を使う
  • 使用ルールを守って正しく使う

の2点です。使用ルールは説明書に書いてあるので、布団乾燥機の使用時には必ず説明書を読んでください。

本記事を参考にして、安全に布団乾燥機を使用していただけますと幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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