「重宝」の読み方・意味・ニュアンスと正しい用法について
2023/01/12
2023/01/12
「便利」と似た意味もある、「重宝」の意味や使い方を知っていますか?
このページでは、「重宝」の意味や由来、使い方などを紹介します。日本語を正しく学んで、日常の会話にお役立ていただければ幸いです。
目次
「重宝」は「ちょうほう」と読みます。
この「重宝」という言葉の意味は、「便利で役に立つこと」や「貴重なものとして大切に扱うこと」などがあります。
なお、「貴重な宝物」という意味もあり、この場合は「重宝」を「ちょうほう」ではなく、「じゅうほう」と別の読み方をするので注意が必要です。
この「重宝」には元々「便利で役立つこと」という意味があったわけではありません。こうした意味で使われるようになった由来は、「工夫すること」や「便利なこと」を意味する「調法」と言葉が混同されたためだと言われています。
それではここからは、「重宝」(便利で役に立つこと)を使った例文や会話例、また類義語をご紹介していきます。
「重宝」はどのように使うか、日常で使うことのできる例文を見ていきましょう。
このような文に「重宝」という言葉を使うことができます。
こうしてみると、「便利で役に立つ」という意味の他、「大切にしている」「長い期間使っている/付き合いがある」ようなニュアンスがあることがわかります。
それでは、日常生活のどのような会話で使うことができるでしょうか?
先ほどの例でも見たように、「役に立つ」「大切にする」「長い期間付き合いがある」ような意味で、このような会話をすることが想定されます。
Aさん:「この間はハンドブレンダーをプレゼントして頂いて、ありがとうございました。スープとかスムージーとかを作るのに毎日使えて重宝しています。」
Bさん:「ハンドブレンダー、いいですよね。料理の幅が広がるし、ミキサーよりも洗い物が減るし、重宝しているんです。」
Aさん:「本当に役に立ちますよね。うちでも重宝しそうです。」
このように、日常生活で使用するもの、長い期間付き合いがあるものに関して、また何度も使うものに関して「重宝」という言葉を使うことができます。
では、「重宝」に似た意味を持つ類義語にはどのようなものがあるでしょうか?
例えば、「使いやすい」「役に立つ」など、「便利なもの」を連想させる言葉があります。
それではここからは、「重宝」と「便利」の違いについて説明します。
小さなニュアンスの違いは、間違って使ってしまうと、会話の中で覚えるちょっとした違和感に繋がることもあるので注意が必要です。
前述のように、「重宝」には「便利で役に立つこと」や「貴重なものとして大切に扱うこと」などの意味があります。
一方で「便利」にはどのような意味があるでしょうか?
「目的を果たすのに都合が良いこと」や「具合がいいこと」、「重宝で、役に立つこと」などの意味があります。
便利という言葉に「重宝で役に立つこと」という意味も内包されています。
「重宝」と「便利」の違いは何でしょうか?
上記で見たように、「便利」の言葉の意味の中に「重宝で役に立つこと」の意味が含まれます。そのため、「便利」の方が広い意味を持つと言えますね。
では、どのような場合に「重宝」を使い、「便利」を使うのか考えてみましょう。
先程の例にも挙げたキッチングッズの「ハンドミキサー」を例にします。「このハンドミキサーは便利だ」と「このハンドミキサーを重宝する」という文を比較した時、「このハンドミキサーを重宝する」の方が、「何度も、常に使う」「長い期間大切に使う」ようなニュアンスが感じられます。
また、他の例の仕事相手の「取引先」を例にします。「この取引先は便利だ」と「この取引先を重宝する」という文を比較した時、「便利だ」は物のように扱うニュアンスが感じられ、相手によっては違和感を与えてしまいます。
しかし「重宝する」の場合は、「大切に長い期間付き合う」というニュアンスが感じられます。
「重宝」と「便利」には似た意味がありますが、間違った文で単語を使用すると違和感が残ってしまいます。
それでは「重宝」を英語で、別の視点から意味を確認してみたいと思います。
他の言語から見ることで、よりその単語を理解することにも繋がります。「重宝で役立つこと」を英語にすると、以下の3つの単語に訳すことができます。
「convenient」には「便利な」や「都合が良い」などの意味があります。「交通の便が良い」や「何時頃が都合が良いですか?」などの文章に使うことができます。
どちらかというと「人」よりも、「物」や「都合」などに対して使うことができます。また、「一時的に便利」という意味があり、「長く大切にしたい」というニュアンスには欠けているように感じられます。
「handy」には「便利な」や「役に立つ」、「手元に置く」などの意味があります。「このサイトはビジネスの勉強に役に立つ」や「勉強中は電子辞書を手元に置く」などの文章に使うことができます。
「人」や「物」の両方に使うことができます。また、どちらかというと「何度も使う」「長く大切にしたい」というニュアンスがあるように感じられます。
「to be useful」には「為になる」や「役に立つ」などの意味があります。「キッチングッズを重宝する」や「チームの役に立ちたい」などの文章に使うことができます。
「人」や「物」の両方に使うことができます。どちらかというと「何度も使う」「長く大切にしたい」というニュアンスがあるように感じられます。
「重宝」の意味や由来、使い方など、そして、「便利」との違い等を紹介しましたが、いかがでしたか?
「重宝」という言葉には「便利で役に立つ」という意味以外にも、「貴重なものとして大切に扱うこと」という意味も含まれます。
そのため、「一時的に使える便利なもの」というよりは、「長く使いたい大切なもの」や「長く付き合いたい人」などにも使うことができます。
このように、意味は似ていても、微妙にニュアンスが異なる場合もあります。日本語を正しく学んで、日常の会話に役立てていただければ幸いです。
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