火災や地震が起きたときなど、災害時には、貴重品を持って家を出るわけにはいきません。
とはいえ、保険証券や印鑑証明書、重要な契約書などの重要書類は紛失すると手続きが面倒なだけでなく、最悪の場合は再発行できずに不利益を被ることもあります。

そんな時にあると助かるのが『家庭用耐火金庫』です。耐火金庫なら火災時にも中のものを一定時間守ることができるので、有事の時にも安心です。

この記事では家庭用耐火金庫の選び方やオススメの耐火金庫をご紹介いたします。

家庭用耐火金庫とは

家庭用耐火金庫とは、火災対策を中心として作られた家庭用の金庫です。
盗難を防ぐための金庫は「防盗金庫」と言われ、防犯を目的としたものになります。
一般的な家庭用耐火金庫は、耐火性能と防盗機能を兼ね備えていますが、より耐火機能を重視したものとなり、防盗金庫よりも軽量に作られている傾向があります。

JIS規格やUL規格の耐火試験に合格した耐火金庫なら、その性能もお墨付きです。
1時間耐火」や「30分耐火」などと明記されており、耐火時間が長ければ長いほど、高性能となり価格も高くなりがちです。

据え置き型の耐火金庫など、大型で持ち出しが難しいものは、特に長めの耐火時間のものが安心です。

戸建・マンションなどを含む建物火災では鎮火に90分近くかかると言われています。
その間持ち出しできないことを考えると、1時間半以上の耐火性能があると安心といえるでしょう。
参考:令和5年版消防白

耐水・防水金庫とは

耐火金庫の中では、耐水性能付きの金庫も人気です。
電子機器や書類など、濡れてはいけない貴重品を金庫にいれている場合、火事の時の消火活動で水がかかると、火からは守れても濡れて中身が使えなくなってしまう可能性があります。

防水・耐水機能が備わっている耐火金庫なら、消火時に水に濡れても安心です。

「メディア耐火」とは?

メディア耐火とは、CD-ROMやUSBメモリー、SDカードなどのデジタルメディアを守るための耐火性能のことです。
デジタルメディアは、小さいメモリーに大容量の記録を保存できますが、火や高熱、湿気に弱い性質を持っています。

書類なら耐えられる高温下でも、デジタルメディアは壊れてしまう可能性が高いため、メディアを安全に保管するためには、金庫内の温度や湿度を一定の時間保ってくれる性能も求められます。
金庫の中にデジタルメディアを入れたい場合は、メディア耐火性能も併せてチェックしておくと安心です。

家庭用耐火金庫の選び方

防災対策として家庭用耐火金庫を設置するなら、用途や中身に応じて選ぶことが重要です。
せっかく耐火金庫を設置したのに、置き場所がなかったり効果がなかったら残念ですよね。

ここでは、家庭用耐火金庫を選ぶ際に注意したい3つのポイントをご紹介いたします。

耐火性能・耐水性能をチェック

耐火金庫で一番肝心なのは耐火性能です。
製品によっては「耐火耐水」とパッケージなどに記されていても根拠が全くない場合があります。

耐火性能を求めるなら、UL耐火テストやJIS耐火テストに合格した製品を選ぶようにしてください。

耐火性能は「1時間耐火」または「30分耐火」といったように、どのくらいの時間、規格で定められた温度の火の中で耐えられたのかを記載します。
たとえば30分耐火なら843度の高温炉の中に金庫を入れ、30分後の金庫内の温度が177度以下という基準をクリアしたことを証明しています。

耐水性能は規格で定められた時間、金庫に水がかかっても中が濡れないことを証明しています。
たとえばETL耐水性能なら、水深20センチの水中に金庫を24時間沈め、金庫内部が濡れていないことが合格条件となります。

また、防水タイプの金庫は、豪雨などの災害をも想定して作られている、よりハイグレードなモデルです。
水が入らないのがメリットですが、洪水の際には水に浮いてしまい流されやすいというデメリットもあります。
耐火目的なら耐水機能だけで十分ともいえるでしょう。

ロック方法で選ぶ

金庫には、ダイヤルロックやテンキーロックなど、さまざまなロック方法があります。

ダイヤルを回してあけるダイヤルロックは、鍵を持ち歩く必要がないうえ、電池切れの心配もないといったメリットがあります。
最近では、暗証番号を押して開けるテンキー式も人気です。

また、小さな鍵をさし、回して開けるシリンダー錠は、番号を覚えておく必要がないため、鍵の管理さえ気をつければ良いので取り扱いが簡単です。

ただし、どのロック方法にもメリット・デメリットがあります。
たとえば、ダイヤルロックやテンキーロックは、番号を知らない人でも、時間をかければ開けられるというデメリットも。
シリンダー錠は、鍵を盗まれてしまえば、簡単に中を抜き取られてしまうでしょう。

2タイプのロックを併用するダブルロックタイプだとより安心です。

重さや大きさも事前に確認

金庫の中に何をいれるのか、非常時以外に持ち出す可能性はあるのかなどを考慮して、金庫の大きさを決めます。
書類を入れる場合は、A4サイズを折らずに入れられるサイズだと便利です。トレー付きなら、整理がしやすいといったメリットもあります。

手提げタイプの金庫だと、持ち運びしやすい反面、強盗や空き巣も簡単に持ちだせるのがデメリットです。
防盗金庫としても使いたい場合は、大きくて重量のある金庫がオススメです。

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オススメの家庭用耐火金庫4選

UL規格やJIS規格に合格した耐火金庫の中から、家庭用として特にオススメの金庫を4つご紹介いたします。どの金庫もAmazonで購入できるので、気になるものがないか是非チェックしてみてください。

SENTRY (セントリー) 金庫 家庭用 CHW20201

SENTRY (セントリー)はアメリカ大恐慌の頃に生まれた金庫メーカーです。
耐火性能の高い家庭用金庫メーカーとして世界各地で重宝されています。

ウォータープルーフシリーズのCHW20201は、30分耐火性能と72時間の防水性能を誇る手提げ式家庭用耐火金庫です。
ETL 30分メディア耐火規格もクリアしているため、デジタルメディアの保管場所としても最適です。A4サイズを折らずに入れられます。

日本アイエスケイ CPX-A4

CPX-A4は日本製の耐火金庫です。日本アイエスケイはホテルや商業施設など、多くの施設で業務用金庫としても使われている信頼できるメーカーです。
シンプルな外観ですが、JIS規格の耐火1時間テストにクリアしているので安心。

ロック方法はシリンダータイプですので、鍵さえあれば家族の誰でも開けることができます。

ダイヤセーフ 耐火金庫 ダイヤルタイプ D30-1

ダイヤセーフは半世紀以上、耐火金庫を生産している日本のメーカーです。
知名度も高く、品質もピカイチです。アフターフォローも手厚く、家庭用から業務用まで各業界の耐火金庫を手掛けています。

D30-1はJISの耐火試験30分に合格した家庭用耐火金庫です。
29kgの重さがあるので、防犯対策もバッチリでしょう。

ディプロマット 125EN88WR

ディプロマットの金庫は、高い耐火性能だけでなく、インテリアの美観を損ねないモダンな見た目を兼ね備えた家庭用耐火金庫です。
UL規格で1時間耐火、耐水性能も備えています。さらに、金庫が持ち上げられたり、衝撃が加わると警報アラームがなるため、空き巣対策としてもオススメのタイプです。

まとめ

家庭用耐火金庫の選び方とおすすめ製品をご紹介いたしました。

防災対策の一環として、耐火金庫は注目を集めるアイテムです。
この機会に貴重品の保管場所として、家庭用耐火金庫を導入してみませんか?

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