豪雪地帯や寒冷地では必須ともいえる風除室(ふうじょしつ)。風除室は玄関先の雪や雨を防いでくれたり、ペットの脱走を防止できたりと、意外とメリットが多く、後付けしたくなる方も多いようです。オシャレな風除室付きの家を見かけると憧れてしまうという方も多いでしょう。

実は後付けでもオシャレな風除室を作ることは可能です。

この記事では、風除室のメリット・デメリット、形状ごとの費用相場やオシャレに作るコツをご紹介いたします。

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風除室とは?

風除室とは、家の玄関や出入り口の外側に壁を設置し作りだされる空間のことです。ガラスやポリカーボネート板など透明な壁でドアをぐるっと四角く囲むように作ります。

主な役割は、雪や雨からドアを保護することにあります。寒冷地では、雪や雨がドアに吹き付けると、ドアが凍結してしまう恐れがあり、凍結を防ぐために設置されるようになりました。玄関フードとも呼ばれ、昭和50年ごろから北海道や北陸地方などの豪雪地帯を中心に設置されるようになったと言われています。

風除室を設置するメリット

風除室を設置すると以下のメリットが期待できます。

  • 玄関の冷え込み解消
  • 雪・雨除けに
  • ペットの脱走防止
  • 防犯対策にも

それぞれ詳しくみていきましょう。

玄関の冷え込み解消

冬は玄関や廊下の冷え込みが厳しいですよね。玄関前に風除室で空間を設けることにより、玄関先の冷え込みが軽減されます。玄関前に空気の層ができることで、断熱効果があるうえ、玄関を出入りする際にも、風除室があれば、外気を直接家の中に入れずに済むのです。

玄関ドアをあけても暖房であたためた空気を逃さないので、暖房効率も高まり、光熱費の節約にもつながります。

雪・雨除けに

風除室がなければ、玄関ドアを開けた瞬間から雪や雨にさらされますが、風除室があれば、ワンクッションおくことができます。出かけるときも落ち着いて雨具を用意でき、快適です。

さらに、帰宅時は風除室に入ってから雨具の雪や雨を払って家に入ることができるので、玄関を汚さずに済むのも嬉しいポイントです。花粉の季節や外でスポーツをしたあとにも重宝します。

雪や雨以外にも、玄関の灯りにつられた虫が家の中に侵入するリスクも減るので、虫が苦手な方にもオススメです。

ペットの脱走防止

「帰宅時にドアをあけたらペットが飛び出てきた」そんなヒヤヒヤする体験をしたことがある愛犬家・愛猫家の方も多いでしょう。

風除室があると、玄関の前に空間ができるので、ペットの脱走・飛び出しを防止できます。万が一玄関から飛び出してきてしまっても、風除室の中で捕まえられるので安心です。

散歩の後にゆっくり足を拭いてあげることもできますね。逃げ足が早いペットを飼っている方や家の前が道路の方には特にオススメです。

防犯対策にも

風除室を防犯対策として活用しているご家庭も増えています。風除室のドアに鍵をかけておけば、玄関を2重ロックにすることができます。空き巣は手間や時間がかかるのを嫌がるので、鍵付きの風除室にするだけで、防犯対策になるのです。

防犯カメラを風除室の中につければ、雪や雨でカメラが曇ることもなく、さらに防犯対策を強化できます。

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風除室のデメリット

風除室にはいくつかのデメリットもあります。設置してからら後悔しないよう、あらかじめデメリットを理解しておくと安心です。

まず、一番のデメリットは真夏や梅雨時の暑さです。風除室は。透明な壁で囲った狭い空間ですので、直射日光が当たると高温多湿の空間になります。冬はそこがメリットですが、梅雨時や真夏は、まるで温室のようになってしまうことも。

換気口をつけることで、室温や湿度の上昇をある程度ふせぐことができますが、大雨の日や真夏日・猛暑日だと、あまり効果がありません。

また、風除室を設けると、当然ですが家に入るまでにドアを2回開け閉めしないといけません。この動作が意外と面倒に感じるという方も。

基本的に風除室は引き戸式が多いため、荷物を持ったまま開け閉めしにくいのも一因かもしれません。軽い動作で開閉できるハンガータイプ(上吊り式)にするか、ドアタイプのものにすると開け閉めしやすくなります。

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風除室の形状と費用相場、オシャレ見えするためのポイント

風除室は後付けリフォームも可能です。玄関の形状により、設置できるタイプがことなります。

それぞれの形状と費用相場、オシャレ見えするためのポイントを解説いたします。

Ⅰ型タイプ

玄関ドアが外壁から奥まったところにあり、玄関前の空間の左右に外壁がある場合、I型タイプの風除室を設置できます。外壁と天井を利用できるので、ドアを設置するだけで風除室が完成します。一番安価に施工でき、およそ15万~25万円程度で設置できます。

玄関が外壁に沿って設置されている(玄関ドアを横から見てフラットに見える)場合は、外付けI型の風除室を設置します。左右の外壁と天井、風除室のドアと4面を増やすことになるため、通常のI型よりは費用が高くなる傾向です。

L型タイプ

玄関が外壁から奥まったところにあるけれど、家の角に玄関ドアがある(玄関前にある外壁は片側のみ・ひさしはある)場合は、L型の風除室を設置します。左右どちらかの壁と風除室のドアの2面を増やすことになります。費用相場はおよそ20万~40万円程度です。

C型タイプ

玄関ドアと外壁がフラットで、ひさしがある場合、左右の壁と風除室のドアの3面を増やすC型(コの字型とも)の風除室が適しています。ひさしを天井に使えるのが外付けI型との違いです。

使用材料が多いため、費用は少し高くなり相場としては、およそ40万~50万円程度となります。

スタイリッシュなデザインパネルも人気

風除室は形状によって、雰囲気がだいぶ変わりますが、後付けする場合は玄関の形状に合わせて作るので、残念ながらデザイン優先では選べません。しかし、どの形状で設置する場合でも、自在に変えられるのが「風除室の入り口」のデザインです。

風除室の入り口となる正面パネルは、家の外側になるので、オシャレな風除室にしたいなら是非こだわりたいポイントになります。

オプションで施工でき、人気が高いのが、風除室の正面の一部をデザインパネルにする方法です。格子状のデザインパネルは、スタイリッシュでモダンな印象にしあがります。木目調のデザインパネルなら、木目を活かした和風な住宅にもマッチし、ぬくもりを感じさせることができるのが魅力です。

オシャレな風除室にするためのポイント

オシャレな風除室を作るためには、小さなディテールにこだわることが重要です。

たとえば、出入り口のドア形状をこだわるのも一つのアイディアです。片引き戸・引違い戸・プッシュドアなど、ドアの形だけでもさまざま。ハンドルの有無でも印象が変わるので、家全体のデザインのマッチするものを選びましょう。

また、ドアの框(かまち)太さも印象を左右します。近年は細いスリム框が人気です。スリム框だと、框の印象が薄いため、スタイリッシュな印象に仕上がります。反対に太めの框だと、アクセントになるため、あえて太めの框にする方も。好みや外壁のデザインに合わせてお気に入りのデザインをみつけてください!

まとめ

風除室のメリット・デメリット、オシャレな風除室の選び方を解説いたしました。冬の寒さや吹き付ける雨雪にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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