
【2025年版】住宅のリフォームや新築で活用できる補助金・支援制度を解説!
2025/03/30
2025/03/30
住宅の断熱性向上や高効率給湯器の買い替え・交換にかかる費用を一部補助する制度「住宅省エネキャンペーン」。2025年も昨年に引き続き実施が決定しました。
昨年とほぼ同様の内容となっていますが、一部変更点もあります。本制度を最大限活用するには、対象設備や申請の手続き、補助額の上限などを正しく理解しておくことが重要です。本記事では、住宅省エネ2025キャンペーンの概要や具体的な活用方法、申し込みにおける注意点について詳しく解説します。
※2025年3月執筆時点の情報です。補助金申請にあたっては、公式Webサイトで最新情報をご確認ください。
目次
住宅リフォームで補助金が出る理由としては、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」があります。中間目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%減らす目標を掲げており、早急な対策が求められています。
なかでも、家庭部門は2013年比で66%(1億3800万トン)の削減が必要です。一般住宅の断熱改修や省エネ性能の高い住宅設備への買い替え・交換に補助金を交付することで、家庭における省エネや脱炭素化の動きを加速させる狙いがあります。
リフォームや住宅設備の交換を検討している家庭にとっては、コストを抑えてリフォームを実現するのに追い風といえます。
国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携し、家庭部門の省エネルギー化を推進するための補助制度で、「子育てグリーン住宅支援事業」「先進的窓リノベ2025事業」「給湯省エネ2025事業」「賃貸集合給湯省エネ2025事業」の4つで構成されています。住宅省エネ2025キャンペーンは2023年から始まり、2025年まで3年連続で実施されています。なお、これらの事業は併用が可能で、ワンストップで申請することも可能となっています。
高い省エネ性能をもつ住宅の取得や省エネ改修を促進するための補助金制度で、特にエネルギー価格の高騰などの影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯を支援対象としています。
長期優良住宅やZEH水準住宅については子育て世帯または若者夫婦世帯が対象となりますが、ZEH基準を大きく上回る「GX志向型住宅」の取得やリフォームについては全ての世帯が当てはまります。なお、リフォームについては必須工事を2つ以上行った場合のみ補助対象となります。
<新築>
補助対象住宅 | 補助額/1戸 | 古家の除却を伴う場合の補助加算額 |
GX志向型住宅 | 160万円 | なし |
長期優良住宅 | 80万円 | 20万円 |
ZEH水準住宅 | 40万円 |
<リフォーム>
種別 | カテゴリー | 要件 | |
必須工事 | 開口部の断熱改修 | 左記2つ以上の必須工事を行った場合のみ補助対象(同一カテゴリーの工事を複数行っても1つとカウントされる) | 合計5万円以上で補助対象 |
躯体の断熱改修 | |||
エコ住宅設備の設置 | |||
任意工事 | 子育て対応改修 | 2つ以上のカテゴリーの必須工事を行った上で実施する場合のみ補助対象 | |
防災性向上改修 | |||
バリアフリー改修 | |||
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | |||
リフォーム瑕疵保険等への加入 |
既存住宅の窓やドアを高断熱性能の製品に改修する際に、その費用の一部を補助する制度。補助対象となるのは、既存住宅の窓やドアの断熱改修工事であり、戸建住宅だけでなく共同住宅も適用されます。具体的な改修内容としては、内窓の設置、外窓の交換、ガラスの交換、そしてドアの交換などが挙げられます。補助金額は、製品の性能やサイズ、設置する住宅の種類によって異なりますが、1戸あたり最大200万円が上限となっています。
補助対象 | 補助金額 | 補足 |
対象製品を用いており、かつ要件を満たしたリフォーム工事 | 1戸あたり最大200万円までを補助 | 同一住宅に複数回のリフォーム工事を行う場合でも、上限範囲内で申請を行うことが可能 |
給湯省エネ2025事業とは、高効率給湯器の導入を支援を目的とした補助制度です。戸建て、共同住宅、新築住宅(分譲・注文)、既存住宅のいずれであっても対象になります。補助製品には、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)などがあります。
種類 | 補助額 | 加算額 | 補足 | ||
いずれか | 両方 | 戸建:いずれか2台まで 共同住宅等:いずれか1台まで | |||
ヒートポンプ給湯機(エコキュート) | 6万円/台 | A | 4万円/台 | 7万円/台 | |
B | 6万円/台 | ||||
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機) | 8万円/台 | A | 5万円/台 | ||
B | 5万円/台 | ||||
家庭用燃料電池(エネファーム) | 16万円/台 | C | 4万円/台 |
<加算要件>
A要件 | インターネットに接続可能な機種で、昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を有するものであること。 |
B要件 | 補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものであること。 |
C要件 | ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に、稼働を停止しない機能を有するものであること。 |
賃貸集合住宅におけるエネルギー消費の削減を目的として、従来型の給湯器を高効率給湯器に交換する際にかかる費用の一部を負担する補助制度です。こちらは主に対象が賃貸オーナー(貸主)になります。なお、リースによる交換も含まれます。
補助対象 | 補助金額 |
<エコジョーズ> ・モード熱効率が90%以上の給湯単能機 ・モード熱効率が90%以上のふろ給湯器 ・給湯部熱効率が95%以上の給湯暖房機 <エコフィール> ・連続給湯効率が95%以上の油焚き温水ボイラー ・モード熱効率が91%以上の石油給湯機(直圧式) ・モード熱効率が80%以上の石油給湯機(貯湯式) | エコジョーズ/エコフィールへの取替(追い焚き機能なし):5万円/台エコジョーズ/エコフィールへの取替(追い焚き機能あり):7万円/台 |
前年度の「住宅省エネ2024キャンペーン」から、どのような変更があったのでしょうか?変更点としては、大きく以下の3つになります。
前年度では、1種類以上の必須工事を実施すれば補助を受けられました。しかしながら、2025年では必須工事を2種類以上実施しないと補助対象外となってしまいます。また、前年度は子育てエコホーム支援事業において他の補助事業と併用する場合、2万円以上で交付申請が可能でしたが、今年度は子育てグリーン住宅支援事業だけで補助金額の合計が5万円以上必要となります。
前年度は子育て世帯や若者夫婦世帯に対しての補助上限が高く設定されていましが、今年度からは世帯要件による補助額の差がなくなり、全世帯で共通の補助額となりました。
「子育てエコホーム支援事業」では、子育て世帯や若者夫婦世帯を主な対象としていました。しかし、その後継事業である「子育てグリーン住宅支援事業」の中の「GX志向型住宅」の基準を満たす場合には、全世帯が補助対象となります。
最後に「住宅省エネ2025キャンペーン」を利用する際の注意点について解説します。
補助金は定期的に条件などの情報が更新されます。「住宅省エネ2025キャンペーン」は、発表から1〜2ヶ月ほどしか経っておらず、今後も新しい条件や情報が追加される可能性があります。申請する際には、補助対象条件を満たしているか必ず確認してください。
2025年3月から申請が開始されました。終了の時期は2025年12月末となっているものの、予算上限に達した場合は早めに受付を終了することがあります。すでに利用する補助金が決まっているのであれば、早めに申し込むことをおすすめします。
住宅省エネ2024で交付を受けたリフォーム工事に対し、重複申請を行うことはできません。ただし、補助対象が重複しない範囲内では併用可能とされています。詳しくは、住宅省エネ2025キャンペーンの公式問い合わせ窓口にご連絡ください。
例年と同じく、工事請負業者しか申請を行えません。補助金は補助対象の確認や申請書類の作成など、時間と手間がかかります。補助金の申請サポートの実績が豊富で、かつ手厚いフォローをしてくれる業者を選ぶことをおすすめします。
「住宅省エネ2025キャンペーン」は4つの補助事業が合わさった制度で複雑ですが、うまく活用すれば、省エネ家電や住宅リフォームの費用を大幅に抑えることができます。ぜひ、活用を検討してみてください。
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