マイホームを建てる子育て世代から絶大な支持を受けているリビング階段。周りから「一軒家を建てるなら、リビング階段にした方が良い」と勧められたことがある方も多いのではないでしょうか?

リビング階段は、近年の日本の住宅事情にマッチする間取りですが、いくつかのデメリットもあります。

この記事では、リビング階段のメリットとデメリット、またデメリットを解消するための方法についてご紹介いたします。

リビング階段とは?

リビング階段とは、リビングの中に階段を設ける間取りのことを指します。1階にリビングがある場合は、玄関からリビングに入り、リビングの階段から2階に向かうことになります。

一昔前までは、デザイナーズハウスや注文住宅でしか見かけない珍しい作りでしたが、今では建て売り住宅でも多く見られる人気の間取りです。

リビング階段のメリット

近年建てられるファミリー向け戸建の間取りではリビング階段が主流になってきていると言われるほど、人気が高いリビング階段。その人気の背景には、リビング階段の主なメリットで、ファミリー層が求める『理想の暮らし』を、叶えられることにあると考えられます。

リビング階段の主なメリット3つをご紹介いたします。

家族のコミュニケーションが生まれやすい

長い間、平屋がメインだった日本の古来の家屋では、ハシゴの代わりとして、上下階に行くための階段が土間や玄関付近に設けられていました。そのため、西洋建築が入ってきてからも、玄関付近、廊下サイドに階段を設置するのが一般的な間取りになったと言われています。ちなみに、このような階段を「ホール階段」と呼びます。

ホール階段は、リビングを通らず2階に向かうことができるため、子供部屋が2階にある場合、玄関から真っ直ぐ自室に行くことができます。リビングに家族がいても、顔を合わせる機会が減ってしまうため、コミュニケーションが生まれにくいのが難点でした。

その点、リビング階段なら、必ずリビングを通るので、お子さんが学校から帰ってきた時や、遊びに行く時など、リビングにいれば必ず顔を合わせることができ、自然なコミュニケーションが生まれます。「どこに行くのか」「今日は〇〇をした」など、小さなコミュニケーションだとしても、つながりを感じることができれば、家族仲良く過ごせるかもしれませんね!

家族の気配を感じやすい

リビングに階段を設けると、物を探しに玄関と部屋を行き来したり、ちょっとした外出をする際にもリビングを通るため、家族の気配を感じやすいといったメリットがあります。

それぞれが忙しく、あまり一緒に過ごす時間がなくても、行動を把握できていれば、すれ違いも防げます。仕事が忙しい共働きの家族でも、家にいる時間を共有しやすくなるでしょう。

吹き抜け+リビング階段で開放感のある間取りに

リビング階段を設置するためには、最低2畳のスペースが必要です。階段のスペース分、リビングが狭くなるとも考えられます。

そこで、階段を吹き抜けにしたり、リビングに吹き抜けを設置することで、開放感を生み出す手法が人気です。吹き抜けを設置することで、階段やリビングが明るくなり、空間にゆとりが生まれます。

吹き抜け部分に採光用の窓を設置すれば、窓からの日差しが空気をあたため循環させてくれるので、冬も暖かになり、過ごしやすくなるといったメリットもあります。

リビング階段のデメリット

良いことばかりのリビング階段ですが、いくつかのデメリットもあります。建ててから後悔しないよう、デメリットについても知っておくと安心ですね。

リビング階段のデメリット3つをご紹介いたします。

音や匂いが家全体に広がりやすい

リビングに階段があると、思いの外、リビング内の音や匂いが家全体に広がります。特に、吹き抜けのリビング階段だと、なおさら音が響きやすくなる傾向があるでしょう。

リビングで見ているテレビの音はもちろん、階段を上り下りする際の足音やリビングで物を置くときの音まで、2階の部屋に聞こえる可能性があるため、自室でリモートワークしている時やお子さんが勉強している時などに、集中できない可能性があります。また、生活リズムが異なる家族がいる場合は、夜中の足音で目が覚めてしまうことも。

匂いも音と同じように広がります。特に、リビングとキッチンダイニングが隣接している場合、階段から料理の香りが家全体に広がります。良い匂いなら良いですが、揚げ物の匂いやカレーの匂いなど、キツめの匂いが広がると、不快に感じることもあるかもしれません。

冷暖房効率が悪い

リビング階段のデメリットとして、一番に挙げられることが多いのが、冷暖房効率の悪さです。リビングを快適な温度にするためにエアコンや暖房をつけても、階段が空気の通り道となってしまいます。

暖房の場合は、暖かい空気は上に昇ってしまうので、階段下の空間が冷え込んでしまいます。逆に、冷房の場合は、冷気が下に流れ、上階は暑いままになりがちです。

リビングが何階にあるかにもよりますが、空気が逃げてしまうことで、冷暖房コストが上昇する可能性があります。

来客もリビングを通らないといけない

来客が多い家だと、リビングに階段があることで、お客さんがリビングを通る頻度が高くなることも意識しておく必要があります。お子さんが友人を家に連れてきた時に、顔を合わせることができるのは、メリットと考えることもできますが、頻度が多いとくつろげないといったデメリットにつながります。

事前に聞いていない来客があった時などは、リビングが散らかっていても、リビングに一旦お客さんを通さなくてはいけなくなるため、恥ずかしいと感じる方も多いようです。

リビング階段のデメリット解消アイディア

上記で解説したリビング階段のデメリットですが、以下のアイディアを活用することで、解決することができる場合もあります。実際にリビング階段の家に住んでいる方も、このアイディアでデメリットを解消している方が多いようです!

カーテンで仕切る

階段前にカーテンをつけ、リビングと階段を仕切ることで、冷暖房効率を高めることができます。冷房の季節は下り階段の前に、暖房の季節は上り階段の前にカーテンをつけると効果的です。

音や匂いを遮断する効果もあります。

キッチンや収納の前にカーテンをつければ、来客時の目隠しに使えます。階段から目に入りやすいところに収納がある場合は、その前にカーテンをつけることで、いつでもリラックスして過ごせるかもしれません。

シーリングファンをつける

リビングの天井にシーリングファンをつけると、冷暖房効率が良くなります。吹き抜けを設置する場合は、見た目も美しく、実用性も兼ねているので、大型のシーリングファンをつける方も多いようです。

シーリングファンをつけることで、空気が循環されるので、匂いも気になりにくくなるメリットがあります。

最近では、簡単に自分で設置できるシーリングファンも増えているので、冷暖房効率の悪さが気になった時に後付けすることも。ライト付きのシーリングファンなら、シーリングライトと取り替えることで設置できます。

まとめ

階段の場所を後から変えるのは難しいため、間取りはとても重要です。リビング階段にするメリット・デメリットを理解し、理想のライフスタイルに合った間取りの家を探しましょう!