屋根の断熱リフォームの方法と費用相場！活用できる補助金制度

「夏は暑くてエアコン代が高い」
「冬は暖房をつけても寒さが残る」

そんな悩みを抱えていませんか？

屋根の断熱リフォームは、室内の温度を安定させ、冷暖房の効率を向上させる効果があります。しかし、「断熱と遮熱の違いは？」「天井断熱と屋根断熱、どちらがいいの？」と迷うことも多いのではないでしょうか。

この記事では、屋根の断熱リフォームについて、方法や費用相場、利用できる補助金制度などを詳しく解説します。メリット・デメリットも合わせてご紹介するので、リフォームを検討する際の参考にしてください。

断熱と遮熱の違い

「断熱」と「遮熱」は、どちらも家の温度調整に関わる言葉です。よく似た意味を持つ2つですが、性能には大きな違いがあります。

まず、「断熱」は熱の移動を抑えることが目的です。外からの熱を家に伝えず、家の中の熱を外に逃がさない性能のことを指します。

一方で「遮熱」は外からの熱を家に伝えないことが目的です。「家の内部の熱を外に逃がさない」という役割は持ちません。

このことから、断熱は遮熱よりも住まいの温度を保つ機能に優れていることがわかります。ただし、取り入れるには遮熱よりも大掛かりな工事が必要になり、費用も高額になります。

天井断熱と屋根断熱の違い

屋根と天井の断熱は、どちらも家の上部の断熱性能を高める方法です。しかしそれぞれ、断熱できる範囲が異なります。

たとえば天井断熱は、特定の部屋の断熱性能を高めるための方法です。その他の空間の断熱性能は向上しないため、家全体を暖かく、もしくは涼しくすることはできません。

一方で、屋根断熱は家全体を覆う屋根に断熱加工を施します。そのため家全体の断熱性能を高める効果が期待できます。

一部の部屋だけ極端に寒かったり暑かったりする場合は、天井断熱を導入すると良いでしょう。家全体の断熱性能を向上したい場合や、屋根裏空間の快適性をアップしたい場合は、屋根断熱を採用するのがおすすめです。

屋根の断熱リフォームの方法とそれぞれの費用相場

屋根の断熱リフォームの方法はさまざまです。ここからは、工法ごとの内容や費用相場などを解説します。

外張り断熱

【費用相場】8,000円〜1万5,000／m2

外張り断熱とは、垂れ木や屋根下地など、屋根の構造部分の上に直接断熱材を貼り付ける方法です。断熱性能が高い反面、屋根材を一部撤去する必要があるため、施工費が高くなることがあります。

充てん断熱

【費用相場】3,000円〜1万円／m2

充てん断熱とは、屋根の内部に断熱材を充填する方法です。使用する断熱材によって費用が異なります。

• ・グラスウール（3,000円〜5,000円／m2）
• ・ロックウール（4,000円〜6,000円／m2）
• ・発泡プラスチック（6,000円〜1万円／m2）

外張り断熱よりも簡単に施工ができ、屋根裏からアプローチすることも可能です。

断熱塗料

【費用相場】3,000円〜6,000円／m2

屋根に断熱効果のある塗料を塗る方法です。既存の屋根材を活かしながら、断熱効果を手軽に得たい場合におすすめです。

屋根の新設リフォーム（履き替え）

【費用相場】1万円〜1万5,000円／m2

古い屋根を撤去し、断熱性の高い新しい屋根材に交換する方法です。履き替えの際に、同時に外張りや充填断熱を取り入れることもできます。

屋根の新設リフォーム（カバー工法）

【費用相場】8,000円～1万2,000円／m2

既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる方法です。履き替えと同じく、断熱効果の高い屋根へのリフォームとなりますが、既存の屋根の上から断熱性の高い屋根材を貼るため、建物の負荷が増えます。

屋根の断熱リフォームで利用できる補助金制度

屋根の断熱リフォームで活用できる補助金制度は、以下の通りです。

• ・子育てグリーン住宅支援事業（2024年12月現在、詳細は不明）
• ・既存住宅における断熱リフォーム支援事業（2024年12月現在、募集は終了。次回募集は1月下旬ごろ予定）

どちらも屋根の断熱リフォームの際に活用できる補助金制度ですが、支給には条件が定められています。屋根の断熱リフォームを検討する方は必ず募集要項を確認してください。

また、補助金制度は募集期間内であっても、予算上限に達した時点で応募は終了となります。申請を検討している方は、定期的に公式サイトで募集率を確認することが重要です。

屋根の断熱リフォームを行うことのメリット・デメリット

屋根の断熱リフォームを行うことで、次のメリットとデメリットが生じます。

それぞれの内容を把握し比較をした上で、導入を検討しましょう。

メリット

屋根の断熱リフォームを行うことで、住まいの温度が安定します。「廊下や脱衣所が寒い」「2階の部屋が暑い」といったこともなくなり、家のどこにいても、快適な室温を保ちやすくなるでしょう。

また、家の中の温度差が少なくなることで、ヒートショックなどの健康リスクも低減できます。

加えて断熱リフォームによって外の温度からの影響を防ぐだけでなく、室内の熱を逃がさない効果も得られます。エアコンの効率性が向上すれば、光熱費にも良い影響を与えます。

デメリット

屋根の断熱リフォームは初期費用が高額です。施工範囲によっては100万円を超える費用が必要になることもあるため、導入する際は十分な資金の用意が必要です。

また、施工期間中は生活に多少の影響が生じます。工事の騒音や、乗・施工材料などのニオイが、ストレスに感じるかもしれません。工事中はご近所への配慮もしなくてはならないことに、煩わしさを感じる可能性もあります。

屋根の断熱リフォームはDIYでできる？

屋根断熱のリフォームは、専門的な知識や技術が必要な作業が多いため、DIYで実現することはできません。

高所での作業となり、慣れていないと大きな事故が発生する可能性もあるため、DIYで屋根断熱リフォームを実現するのは避けましょう。

まとめ｜屋根の断熱リフォームで家中快適に

屋根の断熱リフォームは、家全体の快適性や省エネ性能を大きく向上させる有効な手段です。断熱方法や費用、補助金制度について正しく理解し、自宅に合ったリフォームを選びましょう。

専門業者に相談しながら計画的に進めることで、快適でエコな住環境を手に入れることができます。