シロアリ駆除や予防のための改修工事に補助金は出るの?駆除費用についても
2024/10/03
2024/10/03
シロアリは、木材を食べて劣化させる住宅の天敵です。放置すると住宅の耐久性が悪化し、リフォーム費用が多くかかってしまう結果に……。
そうならないためにも、シロアリの被害を見つけたら早急な対策が肝要です。今回は、シロアリ駆除・予防の補助金や費用について詳しく解説します。
※本記事では、虫の画像を一切使用していません。
目次
そもそもシロアリ駆除にはどのくらい費用がかかるのでしょうか?
シロアリ駆除の費用相場は、駆除の方法やお住まいの地域、住宅の広さや構造、シロアリによる被害状況によって変わります。一般的な相場を駆除方法ごとに解説します。
ベイト工法とは、シロアリが好む味のベイト剤(殺虫成分を配合したエサ)を住宅周辺の地面に埋める方法です。地面に埋まったベイト剤をシロアリが巣に持ち帰ることで、巣ごとシロアリを駆除できます。住宅に直接薬剤を散布しないため、お子様やペットがいるご家庭でも安心です。長期的な効果もあるといわれています。費用目安は下記のとおりです。
1平方メートルあたり | 約1,500円〜3,000円 |
約100平方メートルあたり(一般的な30坪) | 約15万円〜30万円 |
バリア工法は、住宅の床下に薬剤を散布し、すでにいるシロアリの駆除と今後の侵入を防ぐ方法です。また、ベイト工法と比べると安価で、かつ即効性の高い方法といえます。薬剤を散布するため多少臭いがすることがあるものの、近年は安全性に配慮したニオイの少ない薬剤を使用しているケースも多く見受けられます。費用目安は下記のとおりです。
1平方メートルあたり | 約1,000円〜2,500円 |
約100平方メートルあたり(一般的な30坪) | 約10万円〜25万円 |
より効果的にシロアリを駆除したい場合に用いられるのが、ベイト工法とバリア工法を併用する方法です。バリア工法で使う薬剤の持続期間は5年ほどで、時間経過とともに効果が薄れてしまいます。ベイト工法を併用することで、その弱点をカバーします。併用した際の費用目安は下記のとおりです。
1平方メートルあたり | 約2,000円〜4,000円 |
約100平方メートルあたり(一般的な30坪) | 約20万円〜40万円 |
上記の他にも、別途費用がかかることがあります。オプションの例としては下記が挙げられます。
住宅の土台などに専用薬剤を塗布・散布したり、防蟻処理が必要になったりすることもあります。防蟻処理の費用目安は下記のとおりです。
約100平方メートルあたり(一般的な30坪) | 約15万円~30万円 |
シロアリ駆除で施工した効果は、日が経つにつれて薄れていきます。シロアリ駆除を実施したあとも、年1回を目安に定期点検やメンテナンスを依頼するのがベターです。業者によっては無料で定期点検を行うところもあります。ただし、駆除対応後5年間と定められていることが一般的です。
2024年現在、シロアリ駆除を目的とした補助金・助成金はほとんど存在しません。自治体によっては「害虫駆除補助金」と呼ばれる害虫駆除を目的とした補助金・助成金を設置しています。しかし、多くの場合は感染症やかゆみ、痛みなど人間に直接的な被害を及ぼすハエやゴキブリ、ダニなど「衛生害虫」を指すことが多く、シロアリは含まれていません。
基本的にシロアリ被害は火災保険の対象外です。ただし、自然災害によって住宅が損害したことでシロアリが発生した場合はその限りではありません。豪雨によって住宅が雨漏りや浸水の被害を受けて、その結果シロアリが発生したケースなどが挙げられます。
自然災害でシロアリが発生した場合に火災保険の補償を受けたいのであれば、自然災害が発生する前にシロアリ被害がなかった旨の証明が必須となります。災害発生前の住宅の様子や、被害状況の明確な説明が求められ、仮に自然災害であったとしても火災保険が適用されない恐れもあります。
このように、シロアリ駆除を対象とした補助金はほとんど存在せず、火災保険も必ず適用できるとは限りません。ただし、シロアリ被害を防ぐ改修工事については国や地方自治体が行っている補助金が対象となるケースがあります。
※なお、どの補助金も定員に達した時点で申し込みを締め切ることがあります。必ず最新情報を確認してから申請するようにしてください。
国土交通省が実施している長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の長寿命化や省エネ化、バリアフリー化に加え、耐震性の向上などを目的としたリフォーム工事を支援するための補助制度です。
同事業の補助率は1/3で、補助対象となるリフォーム工事などの合計金額の1/3が補助されます。補助限度額は、リフォーム後の住宅性能によって以下の3段階に分類されます。
リフォーム後の住宅性能 | 補助限度額 |
1.長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合 | 100万円 |
2.長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 | 200万円 |
3. 2のうち、さらに省エネルギー性能を高めた場合 | 250万円 |
長期優良住宅認定を取得したり、さらに省エネルギー性能を高めたりすれば、最大で250万円が補助されることがあります。
リフォームを行う既存住宅で、戸建て・共同住宅の両方とも対象となります。長期優良住宅を目指し、住宅性能を向上させるためのリフォームである必要があります。例えば、住宅の安全性や耐久性向上を目的としたシロアリ対策・予防のリフォームであれば対象要件に当てはまります。
同事業の補助を受けるには、リフォーム工事の内容が国の定めた基準に適合していること、リフォーム後の住宅が耐震性や省エネルギー性能など長期優良住宅の一定基準を満たしていなければなりません。
また、工事前に住宅診断(インスペクション)を受けることが必須となっています。インスペクションは、事前にシロアリ被害の状況を確認し、補修が必要な場所を把握します。その部分に対するリフォーム工事であることがわかるようにします。
さらに、工事内容は契約前に事業者と利用者間で合意した計画に基づくものでないといけません。指定された手続きでの申請も必須です。
増改築工事とともにシロアリ駆除や予防対策を行うと、助成金として天草市内で使用できる商品券がもらえます。なお、賃貸住宅は対象外です。商品券の金額(補助金率)は、対象工事費(税抜)の2割で上限は20万円です。
瀬戸内町住宅リフォーム等助成金で対象となるのは、リフォーム工事を伴うシロアリの防除・駆除です。工事費用が50万円以上であれば、最大10万円の補助金が支給されます。工事着手前に「交付申請書」を、工事完了してから10日以内に「完了実績報告書」の提出が求められます。
シロアリ被害に気付いたら、被害が拡大しないうちに駆除と予防対策を取ることが重要です。
安全に暮らせる住宅環境を維持するためにも、本記事で紹介したシロアリ駆除方法や補助金・助成金を参考にしてみてください。
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