外部からの熱を遮断する遮熱カーテンは、外の気温が上がる夏に大活躍するアイテムです。熱の遮断が実現できるため、部屋に熱い空気が入るのを防ぎます。

一方で、遮熱カーテンの性質上、冬は外の日差しを遮り室内を寒くするのでは……と不安に思う方も、いるのではないでしょうか。

遮熱カーテンは、冬でも使用方法に工夫を加えることで、心地よい室温を保つのに役立ちます。

この記事では冬でも失敗しない、遮熱カーテンの選び方や使い方についてご紹介します。遮熱カーテンのメリット・デメリットにも触れているため、ぜひ参考にしてください。

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遮熱カーテンを冬に使用すると逆効果?

遮熱カーテンとは、熱の出入りを防ぐ効果のあるカーテンのことです。一般法人日本繊維製品品質技術センター、または日本ファブリック協会(NIF)などが定める遮熱性能テストを通過したカーテンのみ、遮熱カーテンとして販売が許可されています。

そもそも遮熱カーテンの役割とは?

遮熱カーテンは通常のドレープカーテンよりも、生地に厚みがあります。また、糸の織り方の密度が高いことから、空気を通しにくい性質を持つのが特徴です。

生地の断熱性が高い遮熱カーテンは、外から入る熱を家の中に入れない、という役割を担います。夏の暑い日差しが降り注ぐ環境では、大活躍するアイテムです。

一方で、外から入る熱を取り入れられない性質上、冬は外の暖かな日差しも遮断してしまいます。「遮熱カーテンは冬は逆効果の働きをする」といわれる理由は、採光性が低いことが原因と考えられます。

遮熱カーテンは使い方次第では冬でも活躍する!

外の日差しを取り入れることができない遮熱カーテンは、冬は室内を寒くしてしまうと思われがちです。しかし遮熱カーテンは室内の熱を逃さない効果も期待できるため、しっかり暖められた空間に設置することで、冬でも活躍します。

また、冬の日差しを取り入れたい場合はレースタイプの遮熱カーテンを選ぶのも良いアイデアです。一般的なレースカーテンよりも日差しの入り方は和らぎますが、温かく優しい日の光を感じられます。

断熱カーテンとの違いは?

家づくりの際、「断熱性アップ」「遮熱性の向上」などの言葉を聞くことがあるかもしれません。断熱には外の空気も入れず、中の空気も逃さない、という意味があります。遮熱は上述した通り、外からの熱を遮断するのが目的です。

つまり室温の維持をするのが断熱、外気の熱から部屋を守るのが遮熱の役割と言えます。

断熱・遮熱カーテンにも同じ意味があり、断熱カーテンは熱を入れることも逃すこともしません。一方で遮熱カーテンは外気の熱を防ぐことから、それぞれ違う役割を持っています。

しかし「断熱カーテン」という名称では販売していないカーテンメーカーもあります。たとえば、カーテンの大手メーカーの「サンゲツ」「SINCOL」などでは、断熱カーテンの用意はありません。

両メーカーの断熱性能を持つカーテンは、遮熱カーテンと室内の温度を一定に保つ「保温」機能を備えたレースカーテンが用意されています。遮熱カーテンと保温カーテンを組み合わせることで、従来の「断熱」機能が実現可能です。

また、メーカーによっては遮熱カーテンを断熱と謳ったり、逆に断熱カーテンを遮熱カーテンとして販売したりするケースもあります。各カーテンメーカーの遮熱・断熱の基準を確認した上で購入をすることで、失敗のリスクを減らせます。

冬でも快適に!遮熱カーテンで失敗をしないための選び方・使い方

遮熱カーテンを購入してから後悔するのは避けたいもの。ここからは遮熱カーテン選びで失敗しないための選び方や使い方のポイントについて、ご紹介します。

その他の機能にも注目する

カーテンにはさまざまな機能が存在します。遮熱カーテンにも、遮熱以外の機能が備わっていることが少なくありません。

たとえば防汚機能がついているカーテンは汚れにくく、メンテナンスの手間を減らせます。UVカット効果のあるカーテンは日差しの侵入を抑制するため、家財が日焼けによって劣化するリスクを低減可能です。ウォッシャブル機能付きのカーテンは、自宅でも洗濯ができます。

カーテンの遮熱以外の機能にも注目することで、よりカーテンの利便性が向上します。

遮熱・保温タイプを使い分ける

カーテンメーカーの中には、外部からの熱を侵入させない遮熱カーテンと、室内の温度を一定に保つ保温カーテンを用意している会社もあります。

遮熱カーテンを購入する際は、レースカーテンは保温タイプを選ぶことで、より高い遮熱効果を期待できます。

部屋が寒い・暑いで悩む方は、遮熱・保温をペアで使用することを検討してみてください。

カーテンの形状・長さに工夫を加える

「遮熱カーテンを取り入れても効果がない」と感じる原因の1つが、カーテンの形状にあります。

遮熱カーテンは熱を遮断する効果がありますが、カーテンで覆われていない裾部分や横からは、熱が侵入してしまいます。

カーテンの裾を長くしたり、レールの縁まで覆うようなリターン縫製を取り入れることで、より高い遮熱性が実感できます。

遮熱カーテンを取り入れるメリット

遮熱カーテンを取り入れることで、暮らしにさまざまな良い変化が訪れます。遮熱カーテンのメリットを、ご紹介します。

エアコンの効率性が高まる

遮熱カーテンを設置することで、外の暑い・寒い空気が部屋に入るのを防げます。エアコンから出る空気が外気の影響を受けにくくなるため、エアコンの効率性がアップします。

エアコンによる室内の温度調整がスムーズにできることで、光熱費やエアコンの寿命にも良い影響が現れます。

室内温度を保つ

遮熱カーテンは外気の空気を遮断するだけでなく、室内の空気が出ていくのを防ぐ効果もあります。快適な室内温度を保てるため、夏は涼しく、冬は暖かな環境が実現できます。

窓の結露防止につながる

窓の結露は、部屋の暖かな空気が外気で冷やされた窓に触れることで発生します。

遮熱カーテンがあることで部屋の暖かな空気が窓に近づけなくなるため、結露の発生の抑制が期待できます。

結露はカビの原因となり、カビはアレルギーやぜんそくを引き起こす可能性がある存在です。小さなお子さまや高齢の家族がいる家庭では、遮熱カーテンを設置することで家族の健康を守れます。

遮熱カーテンのデメリット

遮熱カーテンにはメリットが豊富ですが、デメリットも存在します。

ここからは、遮熱カーテンを設置することで生じるデメリットについて、ご紹介します。

部屋に日差しが入りにくい

遮熱カーテンは高密度で縫製されているため、部屋に日差しが入りにくい点がデメリットです。

レースタイプの遮熱カーテンもありますが、一般的なレースカーテンより厚みがあり生地の密度も高いため、窓から差し込む日差しは弱くなってしまいます。

夏場であれば日差しを抑制できる点はメリットになりますが、冬は遮熱カーテンによって暖かい日差しを遮られてしまう点を、デメリットと感じるかもしれません。

空間に重厚感が生まれる

遮熱カーテンは一般的なカーテンとは違い、縫製には黒い糸を使用しています。そのため生地の色に暗さを感じてしまいがちです。また、厚みもあり日差しを通さないことから、重たいイメージを空間に与えることも考えられます。

重厚感が似合わない、ナチュラルインテリアや子ども部屋では、遮熱カーテンが浮いた存在になる可能性があります。

なるべく明るい色を選んだり、遮熱レースのみを使用したりと、部屋に暗さが生じない工夫を取り入れてみてください。

遮熱カーテンで冬でも快適な暮らしを実現しよう

窓周りの断熱性を高めたい方は遮熱カーテンを取り入れて、室温を快適に保ってみてはいかがでしょうか。遮熱カーテンがあることで、夏は涼しく冬は暖かな暮らしが実現できます。

「冬は遮熱カーテンは効果がないのでは?」と心配する方もいるかもしれませんが、冬でも遮熱カーテンは活躍するアイテムです。ぜひ住まいに取り入れて、心地よい冬時間を過ごしてくださいね。

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