スキップフロアとは?設置のメリット・デメリット、後悔しないためのポイントを解説
2023/12/12
2023/12/12
スキップフロアは、空間の有効利用に役立ちます。家族との繋がりを実感できるプライベート空間のため、導入することでより暮らしの幅が広がるでしょう。
満足いくスキップフロアを実現するには、メリット・デメリットを把握し、ポイントを押さえてプランニングすることが大切です。
この記事では、これからスキップフロアの設置について検討している方に向けて、スキップフロアのメリット・デメリットや、後悔しないためのポイントについてご紹介します。
スキップフロアを間取りに取り入れる予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
スキップフロアとは、階段と階段の中間に作られたフロアのことです。「少し広めの踊り場」と考えると、わかりやすいかもしれません。
近年の住宅ではスキップフロアを活用して、さまざまな空間づくりを楽しむ方が多くいます。住まいに広さを生みたい方や、より心地良い空間づくりを実現したい方は、スキップフロアを活用してみてください。
スキップフロアは階段の踊り場のため、2階建て以上の建物でないと作れないと考えてしまいがちです。しかし平屋でも、スキップフロアを作ることはできます。
平屋のスキップフロアは踊り場ではなく「ロフト」や「小屋裏空間」に近い存在です。段数の少ない階段を上った先に作られた、天井が低い空間を、スキップフロアと呼びます。
平屋はワンフロアで設計されているため、空間に高低差が少ないのが特徴です。しかしスキップフロアがあれば上下階を分けられるので、プライバシーの確保ができ、空間づくりの幅が広がります。
スキップフロアを作ることで、次のメリットが得られます。
それぞれの内容を、解説します。
2階建て以上の家にあるスキップフロアは、本来であれば転落防止のためのスペースです。しかしデスクや椅子といった家具を置けば、「部屋」として機能します。
また、平屋の場合は縦空間を活かせます。リビングや個室など、その他の空間を狭めることなく部屋を増やせるため、スペースが限られる住まいでは重宝するアイデアです。
空間を有効活用し心地良い住まいを作りたい方に、スキップフロアはおすすめの選択肢です。
スキップフロアはオープンな空間です。使用用途が個室と同じであっても、壁で囲われていないことから、開放的なイメージといえます。
また、スキップフロアを設ける場合、天井に高さが必要です。高い天井は開放的なイメージや明るさを演出します。
「部屋数は増やしたいけれど閉塞感が増えるのは避けたい」と考える方にとって、スキップフロアはぴったりです。
スキップフロアは壁を必要としない空間です。スキップフロアがある家は天井高も十分に設けられていることから、風通しや採光性も良好です。
風通し・採光性に優れた住まいは、カビやダニの発生を抑制する効果もあります。心地良いだけでなく、健康面にも良い影響を期待できます。
スキップフロアは2階の個室よりも、リビングと近い場所に設置されています。平屋の場合は、リビングの真上に設置するケースがほとんどです。
リビングで過ごす家族の声や気配を感じとれるため、スキップフロアでは自分の時間に没頭しながら、家族との繋がりを実感できます。
メリットが豊富なスキップフロアですが、デメリットがゼロというわけではありません。
スキップフロアのデメリットとして考えられる上記の4つの内容について、見てみましょう。
スキップフロアを利用するには、階段の上り下りが必要です。年齢を重ねると階段の昇降はつらくなるため、将来はスキップフロアを使用しなくなる可能性があります。
また、お子さまが独立すれば、空間が余ることも考えられます。子ども部屋が空いたりリビングが広く使えるようになったりすれば、スキップフロアを使用する機会が減るかもしれません。
新築やリフォームでスキップフロアの設置を検討している方は、将来を見越した必要性を、よく検討したほうが良いかもしれません。
スキップフロアで開放感を得るために、天井を高くつくるケースは多くあります。天井が高くなると、エアコンの風が空間全体に行き渡りにくくなります。
スキップフロアを設置するのであれば、サーキュレーターを使ったり天井にファンを取り付けたりし、エアコンの空気がなるべく効率よく部屋全体に行き渡るようにしてください。
また、熱い空気は天井付近に留まる性質を持っているため、天井に近い平屋のスキップフロアは、他の空間に比べて暑くなる可能性も考えられます。スキップフロアの暑さが厳しい場合は、スキップフロア用にエアコンを買い足すことも、検討したほうが良いかもしれません。
スキップフロアがあることで、空間に広さが生まれます。その分、掃除の範囲も広がります。
掃除の手間を少なくしたい方は、スキップフロアの掃除はお掃除ロボットに任せることや、家具を少なくすることなどを検討してみてください。
階段や住まいの形状によっては、スキップフロアの下に空間ができます。スキップフロア下は、他の場所よりも天井が低い場所になります。
スキップフロアによって空間の一部の天井が下がってしまうため、部屋に日が当たりにくく、閉塞感を感じてしまうかもしれません。
キッチンやテレビ周りなど、天井が低いほうが落ち着く空間をスキップフロア下に設置するといった方法を選択し、天井の低さをうまく活かしてみてください。
スキップフロアを作ることで床面積が増えれば、固定資産税が増します。しかし天井高が1.4m以下のスキップフロアは床面積の対象となりません。固定資産税の対策をする場合は、天井高に注意してください。
また、スキップフロアの固定資産税の扱いは、自治体によって異なります。予算を算出するためにも、プランニング前に窓口に確認をしておいたほうが安心です。
スキップフロアを導入後、イメージと違った仕上がりに後悔をしてしまうケースもあります。
スキップフロアの設置で後悔しないためにも、次の3点に注意してください。
スキップフロアに後悔する方の多くが、空調問題に悩みを抱えています。「スキップフロアが暑い」「エアコンの熱冷風が空間全体に行き渡らない」といったことがないように、空調対策を事前に考えておいたほうが安心です。
たとえば、スキップフロアをプランニングすると同時にエアコンの取り付け位置を見直したり、ファンを取り付けたり。屋根や窓の断熱効果を高めるのも、良いアイデアです。
スキップフロアは壁がないことから、転落の危険性が生じます。小さなお子さまがいる家庭の場合は、スキップフロアの柵部分は背を高くし、隙間が少ないデザインを積極的に選択することをおすすめします。
また、階段の上り下りの際に転落する可能性も考えられます。安全性の高い手すりや隙間がない柵、スケルトン階段ではなく蹴込み面がある階段を選ぶなどし、対策をしてください。
スキップフロアを設置したものの、年月が過ぎると使用しなくなるケースは、少なくありません。スキップフロアを何年後まで使用するのか、じっくりシミュレーションをした上で設置を検討してください。
また、「別の場所で代用できないか」「スキップフロアの使い方を柔軟に変化させられるか」なども、スキップフロアを作る際に大切なポイントです。
家族や家づくりのパートナーとなる会社とじっくり話し合い、スキップフロアの必要性や在り方に向き合ってみてください。
スキップフロアがあることで、空間の有効活用が叶います。プライバシーの保護をしながら、リビングや個室などを広く作りたい方に、ぴったりのアイデアです。
しかしスキップフロアにはデメリットもあります。とくに空調問題は、スキップフロア設置後に悩みがちです。
スキップフロアづくりに後悔をしないためにも、ご紹介した内容を参考にしてみてください。スキップフロアの設置によって、暮らしの幅がより広がると良いですね。
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