フローリングに琉球畳を敷くことで、洋室に和の空間が生まれます。ごろりと寝転んだりお子さまがぺたりと座って遊んだりできる場所ができるため、暮らしの変化を感じ取れるのではないでしょうか。

しかし、フローリングに畳を敷くことでデメリットも生じます。そのためフローリングに琉球畳を取り入れる際は、メリットとデメリットを比較して、どちらのほうが自分たちの暮らしにとって比重が大きいのか把握することが大切です。

この記事ではフローリングに琉球畳を設置する際のメリットデメリットや、畳がズレてしまう場合の対策方法、カビのお手入れ方法などについてご紹介します。

琉球畳とは?置き畳との違い

琉球畳とは?置き畳との違い

琉球畳ときくと、縁がない正方形の畳を想像する方が多いかと思います。しかし本来の琉球畳とは、「七島い(しちとうい)」と呼ばれる草でできた畳のみを、琉球畳と呼びます。

七島いでできた琉球畳は、い草でできた一般的な畳よりも頑丈でアレルギー物質が少ない点が特徴です。また経年変化の様子も美しく、使い込むほど深い飴色とツヤを発します。

琉球畳が多く出回っていた時代、琉球畳も一般的な畳も縁が存在しないデザインが人気が高かったとされています。現在の「置き畳」とよく似た形状の品を思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。

しかし次第に琉球畳の原料である七島いを栽培する農家は減ってしまいます。現在では七島いの取扱をしている農家はごく一部であり、本物の琉球畳を一般家庭で取り入れる事例は少なくなりました。

琉球畳の代わりとして、頭角を表してきたのがい草や樹脂、和紙などを使った正方形の置き畳です。七島いを使用していない畳であっても、「正方形」「縁無し」の畳を、琉球畳と称するのが、現代では一般的です。

置き畳は自分で設置ができるため、市松模様になるよう目の向きを変えたり、藍色や栗色など美しい色のカラー畳を組み合わせたりして、デザインを楽しめます。

この記事でも、七島いを使用した畳に限定せず、「正方形」「縁無し」の畳を琉球畳として、内容を紹介していきます。

フローリングの上に琉球畳を設置!メリットとは?

琉球畳は和室に活用するほかに、フローリングの上に直置きする「置き畳」も人気が高く、セキスイやダイケンといった各メーカーからも販売されています。

多くの方が琉球畳の置き畳を取り入れるのは、次のようなメリットが得られるためです。

  • 部屋の一角に和室コーナーを作れる
  • フローリング空間に布団を敷ける
  • い草の香りに癒される
  • 吸音・調湿・消臭効果が得られる
  • 移動や設置が柔軟にできる

それぞれの詳しい内容について、ご紹介します。

部屋の一角に和室コーナーを作れる

琉球畳の置き畳は、自分で置く枚数を設定できます。そのためリビングの隅に半畳ほどの琉球畳を数枚繋げて、畳コーナーを作る方も少なくありません。

洋室の一部に和室コーナーがあれば、床に寝転ぶことができます。フローリングの上に寝転ぶことに抵抗はあっても、畳の上であれば思い切り手足を伸ばしてリラックスできるのではないでしょうか。

また、小さなお子さまが遊ぶのにも、琉球畳は適しています。

床が柔らかいことから足音やおもちゃを落とした音が響きにくく、長時間座っていてもフローリングのようにお腹が冷えたり足が痛くなったりするケースが少ないためです。

フローリング空間に布団を敷ける

琉球畳は湿気を吸い取る効果があるため、布団を敷いても布団の裏がカビる心配はほとんどありません。

また、フローリングとは「別空間」という印象を与えることから、布団を敷くのにも抵抗が少ないといえます。

来客時にはフローリングの琉球畳に布団を敷いて、ゲストの寝室として活用もできます。

い草の香りに癒される

い草には、独特の香りがあります。優しい牧草のような香りは、癒しを与えてくれる存在です。

リビングに琉球畳を設置することで、い草の香りによるリラックス効果が得られます。

吸音・調湿・消臭効果が得られる

厚みのある琉球畳は、階下への音を減少させます。また、い草は湿気を吸い取り、吐き出す機能もあるため、調湿効果も期待できます。

さらににおいを抑制する消臭効果もあるため、小さなお子さんやペットがいる家庭でも、重宝される存在です。

移動や設置が柔軟にできる

置き型の琉球畳であれば、ラクに持ち運びができます。必要なときはフローリングの上に設置をして、不要なときは片付けてと柔軟に空間づくりができるため、ライフスタイルに合った使い方が可能です。

近年の琉球畳はとても軽い製品が多いため、女性1人でも問題なく持ち運びができます。

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フローリングに琉球畳を置くデメリット

フローリングに琉球畳を置くデメリット

フローリングの上に琉球畳を置き敷きすることはメリットが豊富ですが、デメリットも存在します。

  • ・カビやダニが発生しやすくなる
  • ・フローリングに日焼けができる
  • ・重たい家具を置けない

それぞれの内容について、解説します。

カビやダニが発生しやすくなる

畳にはフローリングよりも汚れが付きやすく、取りにくいという弱点があります。

とくに液体をこぼしてしまうと、畳が水分を吸い込んでしまうため取り除くのが困難です。畳が水分を吸収するとカビが繁殖しやすくなります。

また、フローリングと琉球畳との間には、埃が溜まりやすい点も注意が必要です。

こまめに掃除をしないと、ダニが繁殖してしまいます。畳のい草同士の隙間にダニが入り込んでしまうことも少なくありません。

近年では畳のカビやダニを抑制する便利なグッズが販売されています。フローリングに半畳サイズの置き畳を設置する予定の方は、ぜひ活用してみてください。

フローリングに日焼けができる

畳をフローリングに敷くことで、床を日差しから守れます。しかしその他のフローリング部分は、日の光に晒されたままです。

床の大部分が日差しによって変色していく中、置き畳を敷いていた部分だけ色が違うため、床色にズレが生じてしまいます。

重たい家具を置けない

畳はフローリングのような硬さはありません。大きな家具を置けば、その重みで畳がへこんでしまいます。

へこんだ部分は元に戻らないため、置き型の琉球畳の上に重たい家具を乗せるのは避けることをおすすめします。

万が一畳にへこみができてしまった場合は、メーカーに畳の裏返し加工をしてもらうのも手です。畳には畳表・畳裏があり、畳表とは畳の表面の「ござ」のような部分を指します。畳表を裏側につけかえることで、畳を裏返して再利用できます。

フローリングに置いた琉球畳がズレる!防止策とは?

フローリングに置いた琉球畳がズレる!防止策とは?

フローリングの上に琉球畳を敷くにあたって、多くの方が抱える悩みが畳の「ズレ」です。

つるつるとしたフローリング床の上に畳を敷くことで、琉球畳がズレてしまいます。対策方法としては、琉球畳の下に滑り止めシートを敷くのが有効な手段です。

ただし、滑り止めシートの中には床暖房非対応の製品も多くあります。床暖房を導入している家庭では、床暖房対応の品を選んだほうが安心です。

フローリングに置いた琉球畳にカビが生えた場合

フローリングに置いた琉球畳にカビが生えた場合

琉球畳にはカビが生えることがあります。白くてふわふわした埃のようなカビであれば、まだカビ発生から時間が経っていない証拠です。

消毒用アルコールを布に染み込ませ、畳を軽く叩くようにして拭き取れば、問題ありません。

黒や黄色のカビは、発生してから時間が経ってしまっています。畳の奥まで根付いてしまっている可能性が高く、お手入れで取り除くのは困難です。

あまりに目立つようであったり、アレルギー疾患を持つ家族がいたりするのであれば、買い替えをおすすめします。

フローリングに畳を敷く際はメンテナンスの手間も考慮しよう!

フローリングに畳を敷く際はメンテナンスの手間も考慮しよう!

フローリングに琉球畳を敷くことで、さまざまなメリットが得られます。一方でデメリットも存在するため、取り入れる際は注意が必要です。

琉球畳をフローリングに敷くのはライフスタイルに合っているか、メンテナンスを惜しまずにできるかなど、よく検討をした上で暮らしに取り入れてみてください。

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