エコキュートとは、空気熱を利用したヒートポンプ技術で沸かす給湯器(給湯機)のことを指します。省エネで電気代を抑えられるのがメリットですが、初期費用は40万〜70万円ほどとけっして安くはありません。

そこで利用したいのが「給湯省エネ事業」や「東京ゼロエミポイント」などの補助金です。本記事では、エコキュートの交換や買い替えで使用できる補助金について解説します。

※2023年12月執筆時点の情報です。補助金申請にあたっては、公式Webサイトで最新情報をご確認ください

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エコキュートの交換や買い替えが補助金の対象になる?

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エコキュートをはじめ、エコジョーズやエネファームといった高効率給湯器の交換や買い替えを対象にした補助金は、ここ10年にわたって実施されています。

政府は「2050年カーボンニュートラル」に向けて、住宅の省エネ化に注力しています。国全体の目標として、2013年から2030年度までに温室効果ガスを46%削減する目標が掲げられています。

一般家庭においては温室効果ガスを66%(約1億3800万トン)も削減しなければなりません。そこで政府は、省エネ性能をもつ家電の買い替えや省エネ性能の高い建材を用いたリフォームを促進すべく、購入費用の一部を補助する補助金を設定しているのです。

2022年には、経済産業省・国土交通省・環境省の3省が連携して「住宅省エネ2023キャンペーン」が実施されました。締切予定日よりも早く予算上限に達したこともあり、2024年でもほぼ同じ内容で実施が決定されました。2024年版については後述します。

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは何か?

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは「住宅省エネ2023キャンペーン」の後継事業です。2023年11月10日に令和5年度補正予算案が閣議決定され、2024年も継続することが決定しました。2023年12月時点で、同キャンペーンで行われる事業は下記4つとされています。

・質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)(こどもエコすまい支援事業の後継事業)
・断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ事業の後継事業)
・高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(給湯省エネ事業の後継事業)
・既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業(新規)

参照:※重要※令和5年度補正予算案に「住宅省エネ2024キャンペーン」の各事業が盛り込まれました。|住宅省エネ2023キャンペーン【公式】

上記4つのうち、エコキュートに関連する補助金は「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」のみです。交付申請は、2024年3月から受付開始の予定です。

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「給湯省エネ2024事業」について

「給湯省エネ2024事業」は、正式名称を「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」といいます。エコキュートなど高効率給湯器の導入に特化した支援を行っており、給湯省エネ事業の後継事業です。管轄は経済産業省の資源エネルギー庁です。

補助対象

戸建て・共同住宅などの制限はなく、以下の条件に合致したものが補助対象になります。

・新築注文住宅に対象機器を購入・設置(工事請負契約)
・リフォーム時に、対象機器を購入・設置(工事請負契約)
・対象機器が設置された新築分譲住宅を購入(不動産売買契約)
・既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅の購入(不動産売買契約)

2023年11月2日以降に着工開始した対象機器については、補助対象になるとみられています。なお、すでに​給湯省エネ事業で交付を受けたことがある場合は補助対象外となります。また、他の補助金・助成金との併用も原則不可です。

補助金額

エコキュート(ヒートポンプ給湯機)の補助金額は下記のとおりです。ハイブリッド給湯器は補助金額が異なるため、別途ご確認ください。

カテゴリ補助金額条件
基本額8万円/台2025年の年間給湯保温効率の目標値を達成した製品
A要件10万円/台インターネットに接続可能な機種、かつ翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有する製品
B要件12万円/台補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2の排出量が少ないものとして、下記いずれかに該当する製品2025年度の目標基準値(給湯保温効率)から+0.2以上(+5%)の性能値を有するものおひさまエコキュート
A要件およびB要件を満たすもの13万円/台

申請期間

2024年3月以降に申請の受付を開始する予定です。申請終了期間は公式に発表されていませんが、2023年同様に12月31日までの可能性が高いです。ただし予算上限に達した段階で早めに打ち切られることがあるので、逐一最新の情報をチェックしてください。

対象機器

まず、2025年の年間給湯保温効率の目標値を達成していることが最低条件となります。購入予定の製品が補助対象かどうかを見極める方法としては、下記の2つです。

・メーカーのカタログの「省エネ基準達成率」が100%である
・「目標年度2025年度」に緑色のログが記されていること

省エネ基準達成率が100%を下回っていると、オレンジマークのロゴが記されています。A要件やB要件については、それぞれ細かい基準が設定されているため、不明な場合はメーカーや設置業者に問い合わせください。

申請方法

具体的な申請方法は、2024年1月下旬に公式Webサイトで発表される予定です。なお、補助対象者は交付申請できません。建築事業者などに申請手続きを委任する必要があります。

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【東京都限定】東京ゼロエミポイント

設置済みの家電を省エネ性能の高い家電に買い替え・交換した都民に対し、「東京ゼロエミポイント」と呼ばれるポイントを付与する制度です。申請期限は2024年3月31日まで。こちらは、給湯省エネ2024事業と違い、エコキュートを購入した者が自ら申請することができます。

ポイントは1ポイント1円換算で、商品券やLED商品券に交換して使用できます。対象の家電は、エアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具です。

補助対象

2019年10月1日以降に購入したものが対象です。給湯器のなかで補助対象になるのは、エコキュート、エコジョーズ、エコフィール、ハイブリッド給湯器の4つです。それぞれ基準が設けられており、エコキュートに関しては、「JIS C9220に基づく年間給湯保温効率または年間給湯効率が3.0以上(寒冷地仕様は2.7以上)であること」を満たす必要があります。

補助金額

付与される補助金額は、下記のとおりです。

・2023年3月31日以前に購入したものは10,000ポイント(LED割引券1,000円分+商品券9,000円分)
・2023年4月1日以降に購入したものは12,000ポイント(LED割引券1,000円分+商品券11,000円分)

申請期間

事業開始当初は2022年3月31日までを予定していましたが、その後、申請期間が2024年3月31日まで延長しました。ただし、予算に達し次第、受付は終了となります。

申請方法

申請方法は、インターネット申請と郵送申請(手書き)の2つから選べます。インターネット申請の場合は、新しい家電や設備を買い替えたあとに、東京ゼロエミポイントの公式Webサイト上でアカウント登録を行い、申請者ポータルサイトで情報入力してから必要書類を添付して送信します。

郵送申請の場合は、紙の申請書類に必要事項を記入したのち、必要書類のコピーを同封して郵送します。申請方法を詳しく知りたい方は東京ゼロエミポイント 申請ガイド(第12版)をご参照ください。

【2024年版】エコキュートの補助金を利用する際の注意点

最後に、エコキュートの補助金を利用する際の注意点について解説します。

対象製品や申請条件をチェックする

前述のとおり、補助金は対象製品や申請条件が細かく設定されています。申請前に必ず対象製品や申請条件を公式Webサイトで確認してください。万が一、対象外だった場合は補助金を受け取ることはできません。

予算枠が埋まり次第終了することがある

申請期限内であっても、予算上限に達すれば終了することがあります。申請する補助金が決まったら、なるべく早めに申請することをおすすめします。

補助金の申請サポートが充実している専門業者を選ぶ

補助金の申請は非常に手間がかかります。申請方法や申請条件なども細かく定められており、迷う部分もあるかもしれません。補助金申請のサポートが充実している業者を選ぶと良いです。

まとめ

他の給湯器と比べると、エコキュートの初期費用は高めです。上手に補助金を活用し、お得に購入・設置してみてください。

「交換できるくん」は給湯省エネ事業の登録事業者です。エコキュートの交換で「給湯省エネ事業」の申請を検討されている方はお問い合わせください。

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