松の木剪定のやり方とは?基本的な方法と樹形を整えるポイントをご紹介
2024/04/01
2024/04/01
松の木の剪定は、初夏と秋に行うのが理想的です。初夏には新芽のミドリ摘みをし、秋には夏の成長を整えるためにもみあげと枝透かしを行います。
手間をかけられない場合は初夏の1回だけの剪定でも問題なく、秋に剪定をしないからといって大きく樹形が乱れることはありません。
ただし、秋の剪定をしないでいると次の初夏の剪定が手間になります。生い茂った枝葉は松の木の成長にも悪い影響を与えるため、なるべく年に2回剪定することをおすすめします。
目次
ミドリとは、初夏になると松の枝先に伸びる新芽のことを言います。枝の先端にぷっくりと膨れて新芽ができることで、松全体の見栄えが悪くなります。また、新芽が伸びてしまうことで、樹形が乱れてしまうことも。
新緑の時期に生えるミドリは柔らかく扱いやすいため、5〜6月の剪定で取り除くのがおすすめです。
もみあげとは、松の古い葉や多すぎる葉を素手で取り除くことを指します。松の葉は枝から引き抜きやすく、素手で除去が可能です。
もみあげによって葉を枝から取り除くことで、松全体がすっきりした印象になり、風通しもよくなります。
枝透かしとは、枯れた枝や見栄えの悪い枝を取り除く、いわゆる「間引き」のことを言います。
松の木の樹形を整えるのはもちろん、葉に日が当たるように調整したり樹全体の風通しを良くしたりすることが、枝透かしの目的です。
松の木の剪定は、ミドリ摘みともみあげ、枝透かしの3つの技法を覚えておけば大丈夫です。
ここからは、松の剪定の基本的なやり方について解説します。
松の木の剪定は、剪定バサミの他にゴム手袋、長袖長ズボンが必要です。
松の葉は先端が尖ってちくちくするため、手や体を守るための衣類を身につけてください。なるべく縫い目が細かく、葉が隙間から入り込まないような衣類が理想的です。
新緑の時期に行うミドリ摘みのやり方から、見ていきましょう。
松の新芽である「ミドリ」は、1本の枝から数本生えてきます。短いミドリを1〜2本だけ残し、残りは根元から取り除いてください。
「短いミドリを残しておくと、枝が伸びてかえってメンテナンスが大変になるのでは?」と思うかもしれません。しかしミドリは松が成長するのに欠かせない要素です。すべて取り除いてしまうと、松は失われたエネルギーを取り戻そうとして、さらに成長を促進させることがあります。
その結果、夏にミドリが増えすぎてしまったり、エネルギーが枯渇して枝が枯れてしまったりすることも……。
1〜2本の小さなミドリを残しておくことで、松が過剰にエネルギーをつくったり成長したりするのを防げます。
松の先端の葉だけを残し、側面の葉をむしり取る剪定方法がもみあげです。枝先に生えている葉を残して、枝の側面の葉は素手でつまんで取り除きます。
葉が混み合っている場所、すっきり見せたいところの枝の葉を優先して、もみあげをしてください。
枝透かしでは、枯れた枝や長すぎる枝、内側に伸びている枝などを剪定します。ミドリ摘みやもみあげは素手でできますが、枝透かしは植木バサミ・剪定バサミなどの道具を使用してください。
ハサミを入れる場所は、枝の根元部分です。切り落としたい枝を根元まで辿り、道分かれしている部分にハサミを入れてください。
明らかに傷んでいる枝は、分かれ道のその先、主枝(幹から直接伸びる、メインとなる太い枝)に繋がる部分から切っても問題ありません。病気にかかったり弱ったりしている枝は、残しておいてもいずれ枯れてしまう可能性が高く、回復をしようとしてその他の枝からエネルギーを奪う原因になることもあるためです。
主枝に繋がる枝は太いため、必要であれば剪定ノコギリを使用してください。
長い間手入れをしていない松の木の樹形を整える場合は、まずは遠くから樹全体を見て、完成図をイメージします。
完成図に沿って、不要な枝をハサミやノコギリで切り落としてください。カットする際は幹に近い部分の枝を残すことと、枝の形がY字になるように意識することがポイントです。
仕上がりのイメージがいまいち湧かない場合は、盆栽をイメージすると良いかもしれません。下を向いている枝葉はなく、すべて並行かやや上を向いている姿が思い浮かぶかと思います。
下を向いている枝葉を切り落とすだけでも、樹形がすっきりして見えるはずです。
松の剪定は難しく、初心者がチャレンジするにはハードルが高いかもしれません。失敗例も多く、剪定をした結果松を枯らしてしまった、というケースもあります。
松を剪定で枯らさないためにも、葉にはハサミを入れないように注意してください。葉にハサミを入れてしまうと、見栄えが悪くなるだけでなく、切った部分が変色して樹全体を傷める可能性があります。
また、松の枝はY字を意識することも忘れたくないポイントです。松に限らず、植物は真ん中から伸びた枝にエネルギーが溜まる傾向にあります。真ん中を切り落とすことでエネルギーの無駄遣いを防ぎ、松が健康な状態を維持しやすくなります。枝をY字に整えられた松は、見た目もきれいです。
加えて剪定をする順番にも注意が必要です。松の剪定は、「上から下へ、奥から手前へ」が基本の流れです。
松の木の上部から剪定をすることで、落ちた枝を払いながら作業を進められます。掃除の手間が省け、効率的です。さらに奥側から手前に向けて手入れをすることで、剪定をされたばかりの弱った枝を傷つけるリスクを減らせます。
立派な松の木は、家に重厚感や厳かな雰囲気を与えます。庭を美しく彩るのに欠かせない存在となるため、ご紹介した内容を参考にして松の剪定を実践し、美しい樹形を維持しましょう。
また、松の剪定の際は尖った葉で怪我をしないように、ゴム手袋や長袖長ズボンを着用することも、忘れないようにしてくださいね。
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