ヤマボウシの剪定時期は11月〜2月!高さを抑えて花付きを良くする方法とは?
2024/02/27
2024/02/27
白い花が華やかなヤマボウシ。シンボルツリーや目隠し用として、家に植えている方も多いでしょう。
ヤマボウシは一年に一度剪定してあげることで、毎年綺麗な花を咲かせることができます。また「高くなりすぎたら嫌だなぁ…」と心配な場合も、自分で選定するだけで高さを抑えることができるので、非常に育てやすい木として知られているのです。
この記事では、ヤマボウシの特徴や剪定のコツ、上手な育て方について解説いたします。
目次
ヤマボウシは古くから日本に自生する落葉樹です。ハナミヅキと同じミヅキ科ミヅキ属の植物ですが、病害虫に強く手をかけなくてもスクスク育つ品種です。
ほど良い高さがあり、1本植えでもエレガントで美しいシルエットを保ちながらゆっくり成長するので、本州〜沖縄まで、多くの地域でシンボルツリーとしても愛されています。
落葉しても端正な美しさがあり、その姿も好まれますが、常緑の品種もあるため、好みに合わせて選ぶことができます。四季を感じたい方には落葉ヤマボウシを選ぶと、葉の色の変化も楽しむことができますよ!
ヤマボウシといえば白または薄ピンクの大きな花が印象的ですね。しかし、あの大きな花びらは、総苞片(そうほうへん)という葉の一部で、花びらではありません。4枚の大きな総苞片が小さな丸い花の集まり(花序)を包んだものが、大きな花のように見えています。
一般的にはこの総苞片と花序を合わせて花と呼んでいます。個体により白、薄ピンク、ピンクと白のグラデーションなど、色の違いがあり、観賞用としても親しまれています。
庭に植えたヤマボウシは、手をかけなくてもスクスク育ちます。ハナミヅキのように「うどんこ病」にかかる心配もないため、伸ばしっぱなしでも元気に育ちますが、年に一度は剪定してあげると樹形をきれいに整えたまま育てることができます。
ベストな剪定時期と剪定のコツをご紹介いたします。
ヤマボウシのベストな剪定時期は11月〜2月頃までです。冬の間は休眠期に入るので、強めの剪定をしても問題ありません。また、この時期なら、まだ花も咲いていないので剪定もしやすいでしょう。
剪定の前に、まずは理想の樹形をイメージします。幹があり、上部に枝葉が茂る一般的な樹形に仕立てる場合は、円すい形になるように剪定していきます。1年間でどのくらい枝が伸びるのかを意識するのがポイントです。基本的に植物は先端と日当たりが良い部位がよく伸びます。そのため、日当たりが良い場所や先端に近い場所は強めに剪定すると、一年を通して綺麗な樹形を保ちやすくなるでしょう。
ヤマボウシの横幅を狭くしたい場合は、枝の付け根から切り落とします。太い枝は切り戻すと伸びにくいため、切っても良いか慎重に考えてから切り落としてください。
細い枝は剪定バサミでも簡単にカットできます。おおぶりの剪定バサミがあれば、ある程度の大きさまで一つの道具で剪定でき便利です。
太めの枝を切り落とす時には、電動の剪定バサミを用意すると手を痛めず、軽い力で作業がサクサク進みます。枝の太さに対応している口径のものをお選びください。
ヤマボウシは害虫が付きにくい木ですが、切り立ての枝を触ったり切らない枝を避けたりする際に手を怪我する恐れがあるので、軍手かガーデニング用手袋があると安心です。
伐採後の切り口が塞がるまでには長い時間がかかります。その間に切り口から雑菌が入ってヤマボウシが弱らないように、切り口には癒合剤を塗布してください。癒合剤は木工ボンドでも代用できますが、たくさん使う場合は癒合剤を用意した方が塗りやすいはずです。
ヤマボウシは放置すると10〜15mまで成長します。家の高さよりも高くなってしまうので、成長しすぎると年々お手入れが大変になってしまうのです。
そうならないためには「芯止め」であらかじめ高さを抑えてあげると安心!先述したとおり、植物は上へ上へと伸びる性質を持っています。そのため生長点と呼ばれる植物の最先端に近い場所を切り落とすことで、高さを抑えることができるのです。
主幹が太くなってから芯止めすると、見栄えが悪くなってしまうため、なるべく若木のうちに芯止めしておくと先が細くなる自然な樹形に近い形状に仕上げることができます。
剪定時期や気温によっては、枝の先に芽が確認できるかもしれません。ぷくっとしたふくらみがあれば、花芽と考えられます。花芽があれば、なるべく残しておくと花を楽しめます。ただし、枝元や方向の悪い枝に花芽がついている場合は、枝ごと切ってしまうのが得策です。
樹形を整えて、今後に期待しましょう!
ヤマボウシは葉芽がつきやすく、成育条件が良い環境だと、葉が生い茂り、枝も勢いよく伸びてきます。そのまま放置すると木の内部の風通しが悪くなってしまいます。
放置しても問題なく育ちますが、定期的に不要な枝を剪定してあげると、より綺麗に育てることができます。
花を楽しみたい場合は、花芽を切らないように気をつけながら全体の枝を間引いてあげましょう。根本から生える「ひこばえ」や主幹を貫くように左右同じ箇所に枝が伸びている「かんぬき枝」など、『忌み枝』と呼ばれる枝を中心に剪定します。
ヤマボウシは「輪生(りんせい)」という性質で葉をつけるため、1箇所に3枚の葉をつけます。葉が増えすぎた際には葉や枝が左右交互につくようバランスを見ながら間引いていくのがオススメです。
ヤマボウシは野山や林にも自生している植物です。水はけ・日当たりが良い環境なら、ほとんど何もしなくても育ちます。
ただし、環境が良いとスクスク育つので、剪定を行わないと大きくなりすぎるリスクがあります。
広さのある庭に植えている場合は大きくなってもあまり問題ないかもしれませんが、玄関前や家の真横などに植えている場合は、ヤマボウシの育ちが良過ぎると家が日陰になってしまったり、秋の落葉が多くて手間がかかったりする可能性も。
ほど良い高さで芯止めし、年に一度は剪定してあげると良い樹形を保てるでしょう。
シンボルツリーとしてヤマボウシを地植えする場合、日当たりが良い場所がおすすめです。水はけがよく、さらさらした土を好みます。土壌に問題がなければ、基本的には病気にもなりにくい品種です。
植木鉢に植える場合は、土が乾いたらたっぷり水を与えます。夏場は朝イチで水をあたえてください。日中の炎天下の中水をあたえると、植木鉢の中が高温になってしまい根を痛める原因となります。
ヤマボウシの花付きや葉の色を良くしたい場合は、1〜2月に緩効性化学肥料または有機肥料をあたえます。
落葉のヤマボウシは、秋になるとたくさんの葉を落とします。落ち葉を集めるのは大変ですが、ゴミ袋が「ちりとり」になる便利グッズを使うと比較的簡単にお掃除できますよ!
ヤマボウシの剪定時期と剪定のコツをご紹介いたしました。
一年に一度、丁寧に剪定してあげることで、家やお庭のシンボルツリーにふさわしい、綺麗な樹形で育てることができるでしょう。冬の間に剪定して、好みの形に仕立ててみてはいかがでしょうか?
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