秋になると紅葉がキレイな紅葉(もみじ)の木。もみじは意外と成長が早いことで知られています。定期的に剪定を行わないと、樹形が乱れやすいうえ、剪定の時期を間違えると枯れてしまうことも。

枝の広がりを抑え、来年も美しい紅葉がみられるように、時間をかけてお手入れしてあげましょう。

この記事では「もみじ」の木の剪定方法や適切な剪定時期、剪定のコツを解説いたします。お庭にもみじの木がある方は、ぜひ参考にしてみてください!

「もみじ」とは?カエデとの違い

秋に葉が色づき落葉する木を「もみじの木」と呼びますが、紅葉する木といえば「楓(かえで)」もありますよね。お庭に生えている木が「もみじ」なのか「かえで」なのかわからない…そんな方もいらっしゃるかもしれません。

実は植物学上では「もみじ」と「かえで」は同じ「カエデ科カエデ属」になります。そのため、管理方法もほとんど変わりません。

「もみじ」と「かえで」の違いは、葉の形状にあります。葉の切れ込みが深く、まるで手のひらのように葉先が5つ以上にわかれているものを「もみじ」、切れ込みが浅く、葉先が3つ、4つのものを「カエデ」と呼びます。

もみじは「秋になり、草木が色づく様子」を意味する「もみず」という言葉が語源になったと言われています。そこから転じて、同じカエデ科カエデ属の木の中でも、より色づきが良いものを「もみじ」と呼ぶようになったとか。

ちなみに、お庭に植えられる定番の紅葉は『イロハモミジ』です。そのほかには『ヤマモミジ』や『オオモミジ』も人気の庭木になります。

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もみじの剪定時期は?

もみじの木の剪定を子供がお手伝い

もみじの最適な剪定時期は11月〜2月、冬の間に行うのがオススメです。夏の間に剪定すると、樹液が止まらなくなってしまうなど、樹勢が衰えてしまいます。
冬の間なら休眠期に入るため、多少大胆にカットしても木が弱りにくいといったメリットがあります。

樹形が乱れていない場合は、ノータッチでも大丈夫です。
その場合は風通しを良くするため、5~8月の間に、その都度伸びた枝を剪定していくと、風通しが良くなり病害虫の予防につながります。

剪定前に用意しておきたい道具

もみじの剪定前に用意しておくと便利な道具を紹介します。

  • 軍手
  • 選定ばさみ
  • 脚立
  • 癒合剤

もみじは切断などの変化にとても弱い庭木として知られています。癒合剤があると、切断面に樹液が滲み出てきた時も安心です。水分の蒸発を防ぎ、雑菌の侵入を防いでくれます。成分的には木工ボンドとほとんど同じです。癒合剤が家に無い場合は、木工ボンドを代理で使いましょう。

基本的には、ハサミやノコを使わず、手で剪定していきます。そのため、手先を保護する軍手は必須です。また、太い枝は剪定バサミがないと切りにくいため、剪定バサミは用意しておきましょう。

もみじの剪定方法

ここからは「もみじの剪定方法」について解説いたします。もみじの剪定で失敗したくないかたは、チェックしてから剪定を始めてくださいね!

樹形を整えたい場合

もみじの樹高を整える場合は、樹勢に勢いがある時期に行うのがおすすめです。不要な枝をなるべく元から剪定し、すっきりさせましょう。
重なり合っている枝やぴょんと不恰好に伸びてしまった徒長枝(とちょうし)、内向きに生えている新芽・枝を切り取ります。根本から生えてくる蘖(ひこばえ)や胴吹き芽も手で摘み取ります。

ただし、光合成ができなくなると木が弱ってしまうため、葉はある程度残しておくようにしましょう。

大きなもみじを小さくしたい場合

条件が良い土地でモミジを育てると、10m程度まで大きく育ってしまう可能があります。山に生えている自然のモミジやカエデも10m以上まで育つので、剪定しないでいると、庭の紅葉もぐんぐん伸びてしまいます。

庭木としてモミジを楽しむなら、ある程度コンパクトな大きさが適切でしょう。大きなサイズまで育ってしまったもみじをコンパクトなサイズにするためには、太枝を切って「切り戻し剪定」をしなくていけません。
もみじは太枝を切ると樹液が出てきやすいため、サイズをコンパクトするための剪定は休眠期間に入っている冬場に行うのが無難です。
枝の分岐がある場所ギリギリを、剪定バサミやノコでカットしていきます。2cm以上の切り口になった場合は、癒合剤を塗ることで、細菌感染や腐食を防ぐことができます。

透かし剪定

もみじの木の日頃のお手入れとしては、透かし剪定を行うことが可能です。樹勢が落ちてきたときやモコモコした樹形になってきてしまったら、透かし剪定を行いましょう。全体的に枝を減らし、風通しを良くすることで、幹に日をあてるのが目的です。

不要な枝は元からしっかり切ります。切り残しがあると、その部分が「コブ」になってしまい、モミジ独特のしなやかさが失われてしまいます。
優美な雰囲気を楽しむためには、切り口が目立たないように剪定していくと良いですね。
切り口を地面と水平にすると、病害虫の被害も受けにくくなります。

もみじの先端を抑える際には、いわゆる木バサミがあると便利です。もみじは繊細な木なので、ノコギリなどの刃物はあまり向いていません。軍手で枝や新芽を「もぎ取る」ように剪定すると、樹勢を落とす心配がありません。

もみじ剪定のコツ

最後にもみじ剪定のコツを3つご紹介いたします。それぞれ重要なコツなので、剪定時には意識しながら作業してみてください。

  • こまめに剪定し、樹形を保つ
  • 柔らかな印象が残るように気を付ける
  • 時期をまもる

こまめに剪定し、樹形を保つ

もみじは生育が早いので、樹形も崩れやすい傾向があります。また、幹や枝が真っ直ぐ伸びるタイプではないので、大きくなりすぎると、お隣さんの敷地内に枝葉が入ってしまうことも。落葉樹なので、思わぬご近所トラブルに発展する可能性もあります。できるだけ管理しやすいサイズ感でキープしておくことをオススメします。

柔らかな印象が残るように気を付ける

モミジは薄くて軽い葉と細い枝、しなやかな幹の形状など、柔らかな印象が魅力的な庭木です。特に誘引などを行わなくても、自然な樹形になりますが、剪定の仕方が悪いと、角ばった不自然な印象になってしまうことがあるようです。左右の枝の広がりに注意しつつ、全体のバランスをみて、柔らかな印象が残るように剪定していきましょう。また、切り戻し剪定を行う際には、元から切るのを忘れないようにしてください。そうすることで、幹や枝がキレイな形に仕上がります。

時期をまもる

モミジは休眠期から目覚めるのが2月下旬ごろと他の木に比べると早めです。葉が芽吹いていないと安心して3月上旬ごろに剪定すると、切り口から樹液や水が出てきたり、樹皮の剥がれなどの症状が現れる可能性も。モミジの大掛かりな剪定は、遅くとも2月上旬までに終えておくようにしてください。

枝先を手で摘み取るくらいの軽い剪定なら5月ごろでも問題ありません。

まとめ

シンボルツリーとしても人気の高いもみじの木は、適切な時期に剪定することで美しい樹形をキープでき、毎年紅葉を楽しむことができます。
難しい技術もいらないので、比較的簡単にお手入れできる木ともいえます。家族で一緒に剪定作業をするのも楽しそうですね。
来年の紅葉に備えて、冬の間にきちんとお手入れをすることがおすすめです。

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