秋に咲くオレンジ色の花から香る柔和で甘い香りが人気のキンモクセイ。新居を建てる時に玄関先に植えたという方も多いでしょう。

キンモクセイは定期的に剪定してあげると、毎年綺麗な花を咲かせることができます。キンモクセイの剪定は、プロに頼まなくてもコツさえ掴めば自分で行うことが可能です。

この記事では、キンモクセイの剪定時期と剪定方法、剪定のコツを紹介いたします。

お庭のキンモクセイ、剪定をした方が良い理由

キンモクセイは小ぶりの花が魅力的ですが、成長が早いのがデメリットです。日照条件が良ければ、10mほどの大きさまで伸びてしまうことも。玄関前や塀の近くに植えたキンモクセイが大きくなりすぎると、家に日が入りにくくなってしまったり、根で土が盛り上がってしまったり、思わぬトラブルの原因となります。

毎年1〜2回、しっかりと剪定してあげることで、生育を抑えることが可能です。

また、古い枝を切ったり余分な枝を切ることで、樹形を整え健康的で美しい木に育てることができます。翌年の花付きを良くする効果も得られるうえ、風通しを良くすることで病害虫の予防にもつながります。

キンモクセイの剪定時期

金木犀

キンモクセイの剪定時期は11月が適切ですが、春から秋に剪定する方が良い場合もあります。

目的別に適切な剪定時期を観ていきましょう。

花や香りを楽しみたい場合:11月

花や香りが魅力的なキンモクセイ。毎年きれいな花を咲かせるためには、花が咲き終わった11月ごろに剪定するのがオススメです。
花が咲き終わったすぐ後は、光合成により体力を取り戻している最中なので、軽めの剪定にとどめましょう。短めに切り詰めてしまうと、幹が弱ってしまい冬の寒さに耐えられません。

キンモクセイは常緑樹なので、12月も緑の葉をつけたままの姿が自然です。11月に刈り込みすぎて葉が減ると、光合成ができなくなっていまします。強めの剪定をしたい場合は、暖かくなってきた3~4月に「強剪定」を行うと樹形をコンパクトに維持できます。

4月以降に伸びる枝には花芽が付いているので、4月以降は剪定を避けます。そうすることで、また花の季節が終わることに、剪定をして…といったサイクルが生まれるでしょう。

樹形・樹高をキープさせたい場合:春〜秋

花や香りを楽しむよりも、目隠しや景観のためにキンモクセイを植えているという場合は、樹形や樹高をキープさせた方が、良い見た目を保つことができます。11月末から3月までは木が弱りやすいため、剪定はストップ。春〜秋の間だけ、剪定するようにしましょう。

一から樹形をつくるのは難しいですが、こまめに剪定することで、ちょうど良い樹高や気に入った樹形を維持しやすくなります。

キンモクセイは生育条件が悪くなければ、1年間で約15cm程度伸びると言われています。
上下左右、均等に枝を伸ばしてくれれば、樹形も崩れにくいですが、日当たりが良い方向だけぐんぐん伸びたり、日陰の部分はひょろっとしてきたりと、放置すると樹形が崩れてくるため、360度しっかりチェックしながらこまめに伸びてきたところをカットするのがオススメです。

キンモクセイの剪定方法

キンモクセイは主に切り戻し剪定と刈り込み剪定で樹形を整えます。

ここでは詳しい剪定方法と剪定に必要なものについて解説いたします。

用意するもの

キンモクセイの剪定をする前に下記のものを揃えておきます。

  • 剪定バサミ
  • 木バサミ
  • 刈り込みばさみ
  • 軍手
  • 脚立(木が高い場合)
  • 殺菌剤(トップジンMペースト等)

剪定バサミは10mm〜20mm程度の太さの枝を切る時に使います。細い枝は木バサミでも剪定可能です。刈り込みバサミは伸びてきた細かい枝を一気に刈り込むことができるハサミです。樹形維持が目的の時にはあると便利です。

太い枝を切ったときには、切り口から雑菌が入らないよう、殺菌剤で切り口を塞ぎます。専用の殺菌剤があると安心ですが、ない場合は木工用ボンドでも代用可能です。

切った枝を捨てやすくするために、新聞紙やビニール袋を地面に敷いておくと掃除が楽になります。

枝を切って樹形を整える(切り戻し剪定)

キンモクセイの剪定は、基本的には伸びた枝を切って樹形を整えていきます。新しく伸びた枝は3つに分かれているので、真ん中を分かれ目ギリギリで切り、左右の枝は1節から2節のところまで切り戻します。

大きく育ちすぎてしまった場合は、枝の付け根近くまで切り戻しても問題ありません。ただし、木が弱っている時は、全体のバランスを見て、葉の数が少なくなりすぎないよう注意してください。

刈り込みバサミで整える

花を咲かせなくても良い場合は、刈り込みバサミでこまめに剪定すると、樹形の維持が簡単です。刈り込む前にキンモクセイを360度ぐるっとチェックし、不要な枝や刈り込みバサミを痛めそうな太い枝を先に取り除きます。不要な枝は付け根から切り落とすと、病害虫の予防にもつながります。内向きに生えている枝や徒長している枝は思い切って切り落としてしまいましょう。

不要な枝を切り落としたら、キンモクセイの上部、側面を刈り込みバサミでカットしていきます。サクサクカットできるので、初心者の方は刈り込みすぎに注意が必要です。少し離れた場所から見てバランスをチェックしながらカットしていきましょう。

刈り込みバサミは慣れると便利なアイテムですが、初めのうちは樹形が小さくなりがちです。大胆になりすぎず、すこしずつカットしていくと失敗しにくいですよ!

気に入った樹形のキンモクセイの画像と比較しながら作業を進めるのもオススメです。

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キンモクセイの剪定で失敗しないための注意点

剪定した葉の片づけ

初めてのキンモクセイの剪定で失敗しないために注意点をまとめてみました。剪定前にチェックしてみてください。

切りすぎNG

キンモクセイの剪定でいちばん多い失敗例が切りすぎです。切りすぎると花芽がなくなってしまったり、樹形のバランスが悪くなってしまいます。

また花後で体力が消耗している11月の剪定で切りすぎると、木が弱ってしまうことも。元気な枝が生えてこないだけでなく、来年の花付きにも影響するので気をつけてください。

枝を一つずつ切っていく方が大きな失敗はしにくいため、不安な方は刈り込みバサミでなく剪定バサミで剪定すると安心です。

枝枯れに注意

忙しいとなかなか剪定の時間も取れないですよね。とはいえ、大きくなってしまったキンモクセイを一気にコンパクトにしようと強剪定するのはオススメできません。強剪定は枝枯れの原因になり、最悪の場合幹全体が枯れてしまいます。

コンパクトに戻したい時は、一気に剪定するのではなくこまめに切り戻し剪定を行うか、プロに相談すると良い方法で好みの大きさに近づけることができるでしょう。

丸坊主にしない

強い庭木は丸坊主にしてもすぐに葉が生えてきますが、キンモクセイはそこまで強くありません。成長速度は早いものの、丸坊主にすると光合成ができず弱ってしまいます。

オールシーズン葉が付いているのが自然な姿であることを忘れず、適度な剪定を心がけてください。

まとめ

来年も可憐で可愛らしい花と秋らしい香りを楽しむために、適切な時期にキンモクセイの剪定をしてみませんか?自分で剪定したキンモクセイは多少いびつでも愛らしく見え、より一層愛着が湧くかもしれません。

この機会にお庭のキンモクセイを手入れしてはいかがでしょうか?

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