【図解入り】いちじくの剪定時期や方法とは?選定時の注意点もご紹介!
2024/10/15
2024/10/15
いちじくを健康に育て、美味しい果実を収穫するためには適切な剪定が必要です。しかし時期や方法などがわからず、困っている方もいると思います。
この記事では、いちじくの剪定のベストなタイミングや剪定方法、さらに剪定後のケアについて図解入りで解説します。いちじくを正しく剪定し、木を健康に育てましょう。
目次
いちじくの剪定は、休眠期の12月から2月末にかけて行うのが最適です。この時期は樹木が成長を一時的に停止しているため、剪定によるダメージが少なく、剪定後も健康に育ちやすくなります。
また葉が落ちて樹形が見えやすくなる時期でもあるため、不要な枝や古い枝を適切に選んで切り落としやすいことも、この時期に剪定を行うメリットです。
ただし3年以内の幼苗の場合は、通常の剪定方法と異なるため注意が必要です。幼苗は通常の剪定ではなく仕立て剪定や誘引を行い、樹形を整えることで、今後の成長をサポートできます。
剪定を行わないといちじくの枝が過剰に成長し、日当たりや風通しが悪くなることがあります。日当たりや風通しが悪くなると、病害虫の発生リスクが高まるほか、果実の品質や収穫量も低下します。
また枝が重なり合うことで栄養が均等に行き渡らず、全体の成長に悪影響が出るかもしれません。
定期的に剪定を行うことで、いちじくの木の健康状態を守れ、美味しい実を楽しめるようになります。
いちじくの剪定には、主に「杯状仕立て」と「一文字仕立て」の2つの方法があります。どちらの方法を選ぶかは、木の形状や植えている場所の広さなどによって決めるのがおすすめです。
それぞれの仕立て方法や、仕立てを終えた後の通年の剪定方法をご紹介します。
杯状仕立てとは、その名の通り樹形がワイングラスのような形状の仕立て方法のことをいいます。秋果向けの品種に適しており、空を目指すように伸びた枝葉は日光や風が届きやすく、果実の成熟が均一に進むのに適しています。
外側の枝が重さで垂れ下がることもあるため、必要であれば支柱でサポートしてください。
一文字仕立ては、主幹を任意の高さでカットし、左右に枝を伸ばしてT字型にする樹形です。限られたスペースや壁沿いで栽培したい場合は、一文字仕立てがおすすめです。
横に広げることで実った果実の状態や場所を把握しやすく、管理や収穫の負担を減らせます。
植えてから1年が経過するまでに樹形を決めたら、3年目までは仕立て剪定や誘引などで樹形を整えることに徹するのがおすすめです。3年を過ぎて樹形が定まったら、定期的な剪定を行います。
いちじくには、夏に実をつける品種と秋に実をつける品種、夏と秋の両方に実をつける品種の3種類があります。
夏に実をつける「夏果」は、6月下旬〜7月上旬に実を収穫できます。剪定を行う際は、枝1本あたり5〜8個の芽を残し、それより上の枝は切り落とします。
切り落としを終えたら樹全体を見渡して、混み合っている枝や枯れている枝などもカットしてください。
秋果専用種は、8月下旬〜11月中旬にいちじくの実を収穫します。
秋果のいちじくは新しく伸びる緑色の枝に果実がつきます。緑色の枝は茶色の古い枝から伸びるため、古い枝の成長を止めて新しい枝にエネルギーがいくよう、古い枝から出ている芽を2~3個残してその先を切り落としてください。
夏秋兼用果種は夏と秋に実がなるため、両方の剪定方法を併用します。夏果は茶色の二年枝、秋果は緑色の一年枝に実がつくため、適切な枝を選んで剪定してください。
両方の収穫を狙うと実の品質が低下することがあるため、基本的には秋果をメインに収穫し、夏果は少量に留めるのがおすすめです。
いちじくの木が大きくなりすぎた場合は、強剪定を行います。
強剪定は、「植物のリセット」と考えるとわかりやすいかもしれません。枝の大半を切り落とし主幹とそこから伸びるメインの枝を2〜3本を残してすべて切り落とすことで、いちじくの樹の見た目がすっきりするだけでなく、再び美しい葉や美味しい果実が実りやすくなります。
ただし強剪定はいちじくにとってもダメージが大きいため、計画的に実施することが重要です。
いちじくの剪定後は、切り口のケアが必要です。
剪定を終えたばかりのいちじくの樹の切り口は、非常に繊細な状態です。切り口から病原菌や虫が入れば、病気が発症する可能性もあります。
剪定を終えたら切り口に癒合剤を塗布して保護することで、いちじくの健康を維持できます。
また剪定後の木はストレスを受けやすいため、水やりや肥料の管理をしっかりと行うことも大切です。剪定後数週間は木の様子を観察し、問題がないか確認しましょう。
適切なケアを施すことで、次の成長期に健康な状態を保つことができます。
いちじくを剪定する際は、次のことに注意が必要です。
いちじくの剪定は品種によって適した方法が異なるため、誤って重要な枝や花芽を切らないように注意が必要です。うっかり花芽をすべて切り落としてしまうと、翌シーズンに実がならないことがあります。
剪定前にどの枝が果実を実らせるのかを確認し、計画的に剪定を行ってください。
春から夏の時期はいちじくの成長が活発になるため、剪定を避けたほうが安心です。
この時期に剪定を行うと木に大きなストレスがかかり、果実の成長に影響を与える可能性があります。やむを得ず春〜夏に剪定を行う場合は最低限の枝のみを切るようにし、基本的には休眠期である冬に剪定をしてください。
剪定後のいちじくの木は強いストレスを受けており、繊細な状態です。病気になる確率が高くなっているので、病害虫の発生がないか注意深く観察することが大切です。
また弱っている状態のいちじくは適切な水やりや肥料の管理を行うことで、次第に回復します。剪定後のケアを十分に行い、いちじくが健康に育つように見守ってください。
いちじくの剪定は木の健康を維持し、豊富な果実を実らせるための大切な作業です。適切な枝の選定やケアを行うことで、病害虫を防ぎ、果実の成熟を促進します。
樹形や果実の種類に応じた剪定方法を取り入れて木の成長をサポートしましょう。剪定後のケアや注意点も確認し、いちじくを健康に育ててくださいね。
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