水道管凍結のための対策や予防法とは|原因や条件についても解説
2023/12/12
2023/12/12
朝起きて、蛇口をひねっても水が出ない……。最低気温が-4度を切る日が続いているのであれば、水道管が凍結している可能性が高いです。
場合によっては水道管が破裂することもあるため、むやみに操作をすると非常に危険です。
本記事では、水道管凍結で困らないための対策や予防法について解説します。
気温が下がる夜間や早朝に、水道管の内部に溜まった水が凍結する現象を指します。水道管が凍結すると、蛇口から水が出なくなるだけでなく、凍結した水の体積が増加し、水道管の破裂につながるケースもあります。
水道管が凍結する原因・条件には、主に下記3つがあります。
夜中や早朝にかかわらず、気温が-4度を下回ると水道管の凍結が起こりやすくなります。ちなみに、-4度という気温は寒波が訪れればどの地域でも起こりうる気温で、雪国など寒い地方に限った話ではありません。
気温が-4度以下でなくても、氷点下を切る日が続くと凍結することがあります。強い風が連日続く、日当たりがないなどの諸条件が重なると、さらに凍結の確率は高くなります。
長い間水道を使わないと、水道管の中に水が溜まったままの状態になり、凍結しやすくなります。旅行や帰省などで家を長期間空ける際は要注意です。
上で紹介した3つの条件のいずれかを満たしても凍結する水道管とそうでない水道管があります。その違いは水道管の場所や設置方法にあります。
まず、もっともわかりやすいのが、カバーがかけられておらずにむき出しになっている水道管です。ダイレクトに寒さを受けるため、水道管の温度が急激に下がり、内部の水が凍結します。
もう1つが北向きに設置されている、日陰に設置されている水道管です。日当たりが良い場所と日陰の場所とでは温度差があります。もちろん水道管の形状や、設置されている場所の高低差などによって異なりますが、温度差は数度、場合によっては数十度の差があるとされています。つまり、日陰だと氷点下前後の気温でも凍結する可能性が大いにあるといえます。
最後が、風当たりが強い場所に設置されている水道管です。一般的に風速1m/sで体感温度が1度下がるといわれているように、風が強ければ、それだけ水道管内の気温も下がります。
水道管が凍結してしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか?
水道管内の水が凍結することで、蛇口をひねっても水が出なくなります。そのため、手洗いや調理、洗濯、トイレ、入浴などができず、日常生活に大きな支障をきたします。
水道管の凍った水が膨張して水道管が破裂する場合があります。水道管が破裂してしまうと、自力での対処は難しいです。専門業者に修理を依頼する必要があるため、手間や費用がかかるだけではなく、数日間水が使えなくなる恐れもあります。
特に注意した方が良いのは、地中や壁内に埋め込まれた水道管です。外からは水道管の様子がわからないため、破裂の発見が遅れてしまうのです。
万が一、水道管が凍結してしまったら、どのような対処をするのがベストなのでしょうか。ここでは、水道管が凍結した際の対処法をご紹介します。
地中や気温の上昇によって、水道管内の水が自然に解凍されます。この方法が最も水道管を傷つけることなく、凍結を解消できる方法です。ただし、自然解凍は天候に左右されるため、時間がかかるのが難点です。
水道管にぬるま湯をかけて解凍する方法もあります。凍結した水道管や蛇口にタオルをかけ、タオルの上から40〜50度のぬるま湯をかけます。
なお、水道管に直接かけたり、熱湯をかけたりするのは控えてください。一般的な塩化ビニル製の水道管の耐熱温度は70〜80度といわれており、沸騰した熱湯をかければ急激な温度変化で水道管が破裂する恐れがあるためです。
水道管のそばにコンセントがあって感電が心配な方は、使い捨てカイロを貼り付けたり、ドライヤーで温風を当てたりして保温する方法がおすすめ。なお、使い捨てカイロは製品によって最高温度が異なります。なかには60〜70度にまで到達する製品もあり、使用前に必ず確認してください。
水道管の凍結を解消するのは非常に手間がかかります。大切なのは普段からの備えです。最後に、水道管の凍結を防ぐ対策・ポイントを解説します。
水抜きをするには、まず蛇口が全て閉まっているかを確認したら水抜栓を閉めます。その後、蛇口をひねって水道管に残った水を全て出し切ればOKです。
水抜栓は水道メーター付近に設置されていることがほとんどですが、建物ごとに異なります。なお、寒冷地以外の地域では、全ての建物に水抜栓が設けられているわけではありません。その場合は、後述する保温材や少量の水を出すなどの方法を試してみてください。
物理的に水道管を温めることで、凍結を防げることがあります。市販で保温チューブや保温テープ、断熱材などが販売されているため、これらの保温材をしっかり水道管や蛇口に巻きつけ、ビニールテープなどでとめます。使い古したタオルでも一定の効果があります。
蛇口から少量の水を流すことで、水道管に水が滞留せずに凍結を防ぐことができます。出水量が少なすぎると凍結してしまうため、途切れない程度の量を出し続けるようにすると良いです。ただし、あまりに気温が下がった場合は、出した水ごと凍結することがあるので注意してください。
付着した水滴や結露をそのままにしておくと、水滴自体が凍って蛇口を回せなくなったり、水道管が凍結したりしてしまいます。雨や雪が降った日はもちろん、気温差が激しい日には水道管に結露が発生します。こまめに拭き取るようにしてください。
水道管が凍結すると、水が使えなくなり日常生活に支障をきたします。また、凍結によって水道管が破損してしまうと、修理によって長期間使えなくなるだけでなく、費用もかかってしまいます。
水道管の凍結は、雪が降り積もる地域のイメージが強いですが、条件が揃えば寒冷地以外でも起こりえます。日頃から天気情報を注視して、水道管凍結の予防法・対策を講じておくことをおすすめします。
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