エコキュートのメンテナンスをしたことがない家庭も多いのではないでしょうか。

エコキュートの基本的なメンテナンスはとても簡単で、ご家庭でも可能です。定期的にメンテナンスをすることで、より長く安心に、エコキュートを使用できます。

この記事では、エコキュートのメンテナンス方法についてご紹介します。メンテナンスの頻度や業者にメンテナンスをお願いした場合の費用相場もご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

エコキュート

自分でできる!エコキュートのメンテナンス方法

エコキュートのメンテナンスは、自分で行うことが可能です。
自分でできるエコキュートのメンテナンス内容について、見ていきましょう。

風呂配管と配管フィルターの掃除

エコキュートと湯船を繋ぐ配管と、配管を覆うフィルターは定期的なメンテナンスが必要です。配管とフィルターに汚れが溜まると、お風呂のお湯に雑菌が増えてしまいます。

清潔なお風呂を楽しむためにも、風呂配管と配管フィルターはこまめに掃除をしてください。

風呂配管の掃除のやり方は、最初に湯船の排水口の中心部から10cmほど上の位置まで、お湯を溜めます。その後「ジャバ」などの風呂管掃除用の洗剤を、お湯に溶かしてください。

お湯に洗剤を溶かしたら、追い焚きボタンを押して洗剤を配管内で循環させます。追い焚き終了後、お湯を全て捨てて再びすすぎ用のお湯を湯船に溜めてください。

すすぎのお湯を追い焚きしたら、再度お湯を抜きます。これで、配管の掃除は完了です。

フィルター掃除は、歯ブラシを使用します。フィルターを排水口から外したら、目に詰まっている細かい汚れを歯ブラシで落としてください。

お湯で汚れをすすいで、再び排水口に取り付ければフィルターのメンテナンスは完了です。

貯湯タンクの掃除(水抜き)

貯湯タンクとは、エコキュートで沸かしたお湯を貯めておく機器です。ゴミや汚れが溜まりやすいため、定期的なメンテナンスをしないと、汚れたお湯に浸かることになります。

以下の手順で、貯湯タンクの掃除をしてください。

  1. 1.給水止水栓を閉じる&漏電遮断機を切る
  2. 2.逃し弁レバーを上げる
  3. 3.排水栓を左に回して開けて2分ほど排水する
  4. 4.水がきれいになったら排水栓を閉める
  5. 5.給水止水栓を開いてお湯が出ることを確認する
  6. 6.逃し弁レバーと漏電遮断機を元に戻す
  7. 7.混合水栓のお湯側からお湯が出るか確認する

給水口ストレーナーの清掃

吸水口ストレーナーとは、お湯が配管を通る際の入り口となる部分のことです。ブラシを使用してきれいに磨くことで、ストレーナーの根詰まりを防げます。

以下の手順でメンテナンスをしてください。

  1. 1.給水止水栓を閉めて漏電遮断機を切る
  2. 2.逃し弁レバーを上げる
  3. 3.給水口ストレーナーを外し歯ブラシで掃除する
  4. 4.きれいになった給水口ストレーナーを装着する
  5. 5.給水止水栓を戻し水もれがないことを確認する
  6. 6.逃し弁レバーと漏電遮断機を元に戻す
  7. 7.混合水栓のお湯側からお湯が出るか確認する

漏電遮断器の動作確認

漏電遮断機とは、エコキュートが万が一漏電した際に、自動で電源を切る装置のことを指します。正常に作動していないと、家全体のブレーカーが落ちても元に戻せなくなるため、定期的な動作確認が必要です。

以下の流れで、漏電遮断機の動作確認を行います。

  1. 1.カバーを外し、漏電遮断器にある「テスト」と書かれたボタンを押す
  2. 2.電源レバーを操作し「切」→「入」の動作が正常に行われるか確認
  3. 3.電源を「入」に戻しカバーを閉じる

逃し弁の動作確認

水をお湯に変換する際、熱によって貯湯タンクの内部が高圧になることがあります。逃し弁は、貯湯タンクが高圧にならないよう、タンクの外へ水を排出する役割を持つ設備です。

定期的に逃し弁の動作確認をし、貯湯タンクの変形や故障を防いでください。動作確認の手順は以下の通りです。

  • 1.逃し弁レバーを上げて排水の開始の有無をチェック(排水されていれば問題ない)
  • 2.逃し弁レバーを戻す

ヒートポンプユニットの空気抜き

エコキュートは、ヒートポンプユニット(室外機)で空気を取り込み、熱交換器を通してお湯を作ります。そのためヒートポンプユニットの内部には次第に空気が溜まっていくため、定期的に空気抜きが必要です。

空気抜きをすることで、水の循環が悪くなったりお湯が出にくくなったりする症状を防げます。以下の手順で、空気抜きを行なってください。

  1. 1.ヒートポンプユニットの水抜き栓を開く
  2. 2.水と空気が放出されるのでそのまま1分ほど待つ
  3. 3.すべての栓を閉じる

凍結防止ヒーターの動作確認・点検

凍結防止ヒーターを設置している場合、寒い日でも問題なく動作しているか確認しておいたほうが安心です。気温が0度前後の日に、凍結防止ヒーターが動いていることを目視できれば問題ありません。

凍結防止ヒーターを設置しているにも関わらず、寒い日にエコキュートにエラーが出ていたり、お湯が出なかったりする場合は、凍結防止ヒーターの故障が考えられます。新たに凍結防止ヒーターを購入し、設置のしなおしが必要です。

また、以下の記事ではエコキュートの凍結防止方法について、詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。

水もれチェック

エコキュートから水もれが発生していた場合、内部機器が故障している可能性があります。

エコキュートやヒートポンプユニット周りで水漏れが発生していないか、目視で確認してみてください。

結露や排水以外の理由で機器の周りが濡れている場合は、水漏れが発生していると考えられます。

また、お湯が急に水に変わったり「お湯切れ」のエラーなどがでる場合も、エコキュートの水漏れが原因かもしれません。水漏れを疑う症状があった場合、止水栓を閉めて専門の会社やメーカーに連絡をしてください。

リモコンのお手入れ

お風呂場に備え付けられたリモコンは、濡れた布巾などで拭くだけでOKです。室内側のリモコンも、同じように固く絞った布巾で軽く拭いて汚れを落としてください。

油汚れや落ちにくい汚れなどがひどい場合は、台所用の中性洗剤を使用します。洗剤を使用した後は、ていねいに拭き取ってください。

浴室乾燥機

エコキュートのメンテナンスを行う頻度

エコキュートのメンテナンス頻度は、メンテナンス箇所によってさまざまです。

お風呂の配管は月に1回、フィルターは1週間に1度を目安にメンテナンスをしてください。その他の機器類は、半年に1〜2回の点検が必要です。また、エコキュートに異変を感じたら、すぐに点検することも忘れないようにしてください。

エコキュートのメンテナンスをしないとどうなる?

エコキュートのメンテナンスを怠ると、配管や機器に汚れが溜まります。その結果、お湯が汚れたり臭ったりすることも。

また、劣化したり汚れが溜まったりした状態の部品や配管をそのままにしておくと、エコキュートの機器や内部構造を劣化させる原因にもなります。お湯を沸かす効率が悪くなり、光熱費が高くなることも考えられます。

エコキュートを長く安心して使うために、定期的なメンテナンスが重要です。

エコキュートは業者による訪問メンテナンスがおすすめ!

エコキュートのメンテナンスは自分で行うこともできますが、専門の業者に依頼したほうが安心です。

専門の業者にメンテナンスを依頼することで、素人では気付けないような部品の劣化や故障が明らかになります。

安全により長くエコキュートを利用するためにも、メンテナンスはプロに依頼することも視野に入れてみてください。

訪問メンテナンスの費用

エコキュートの点検の依頼先は、エコキュートの清掃・修理点検の専門業者やハウスクリーニング業者などが一般的です。

訪問メンテナンスの費用相場は、1〜3万円とされています。点検の結果、修理や部品交換が必要な箇所があれば、金額はさらに高くなると考えられます。

古いエコキュートは買い替えも検討を

エコキュートの寿命は、10年前後とされています。購入してから10年前後が経過しているエコキュートは、内部機器のさまざまな箇所に劣化が見られます。

メンテナンスの際に部品交換や修理をしても、その後、別の箇所に不具合が生じるかもしれません。修理を繰り返しながら使用し続けることは、コストの負担が大きく、結果的に買い替えのほうが安くなることもあります。

使用して10年前後が経過しているエコキュートは、修理を繰り返すよりも買い替えを検討してみてください。

エコキュートのメンテナンスをして安心&安全にお湯を使おう

エコキュートを定期的にメンテナンスすることで、お湯をより安心・安全に使用できます。メンテナンスは自分で行える内容が多いため、定期的に機能や汚れをチェックし、必要な処置をしてください。

また、エコキュートのメンテナンスをプロに依頼するのも良い方法です。プロに点検してもらうことで、素人では気付けない劣化や不具合がわかります。

ご紹介した内容を参考にして、エコキュートの適切なメンテナンスをし、より長くエコキュートをご活用ください。

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