もし、エコキュートが凍結したら?凍結防止のための適切な設定・対策
2023/12/08
2023/12/08
エコキュートは環境にやさしく光熱費も抑えられるなどメリットが多い給湯器です。しかし、屋外に設置をするため、急激に冷え込むと配管が凍結することがあります。
寒い冬にお湯が使えなくなると非常に不便ですよね。今回は、エコキュートが凍結する原因や対策を解説します。
目次
エコキュートは、ヒートポンプ方式で空気中の熱を利用してお湯を沸かす給湯器(給湯機)で、正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といいます。
氷点下の日が続いたり、急に気温が下がったりすると、屋外に設置されているエコキュートのヒートポンプユニットや貯湯タンク周辺の配管が冷えてしまい、凍結を起こしてしまうことがあります。
エコキュートで凍結しやすいパーツは主に2つです。1つはヒートポンプユニットと貯湯タンクをつなぐ「ヒートポンプ配管」です。もう1つは、貯湯タンクと浴槽をつなぐ「ふろ配管」です。どちらも屋外にあり、風が直接当たって冷えやすい部分になります。
エコキュートが凍結してしまうと、下記のような事象が発生します。
エコキュート周辺の配管が凍結することで、蛇口をひねってもお湯や水が出なくなります。
ヒートポンプユニットと貯湯ユニットをつなぐ配管が老朽化していると、凍結によって配管が破損してしまう恐れも。配管が破損すると最悪の場合は水漏れが起こります。
貯湯タンクは、室内の浴槽と「ふろ配管」でつながっています。ふろ配管が凍結すると、貯湯タンクから浴槽にお湯を供給できず、お湯張りや追い焚き運転ができなくなってしまいます。
もし、エコキュートが凍結してしまったら、下記の方法を試してみてください。
凍結箇所が温まれば自然と解凍します。よって、基本的な対処法は凍結した部分をそのまま放置することです。
凍結は気温の低い夜中や早朝に起こります。日中になると、気温上昇によって自然に溶けることも多いです。時間に余裕がある場合は、自然解凍されるまで様子をみてください。
今すぐにエコキュートを使わなければいけない状況の場合には、人肌程度(30~40℃)のぬるま湯を使って解凍してください。
凍結した配管部分にタオルをかけ、タオルの上から少しずつぬるま湯をかけていきます。
<注意>
直接お湯をかけたり、熱湯をかけたりすると、急激な温度変化で配管が破損する恐れがあるため、絶対に行ってはいけません。
また、ぬるま湯がそのまま残っていると、その水が原因となって再び凍結してしまいます。ぬるま湯で解凍を行った場合は、必ずすべての水を乾いた布やタオルで丁寧に拭き取ってください。
特に、寒冷地はエコキュートが凍結するリスクが高いです。なお、気温が急低下すれば寒冷地以外の地域でも凍結する可能性は十分あります。本格的な冬を迎える前に、以下で紹介する対策をしておくと安心です。
凍結防止ヒーターとは、コード状のヒーターで「凍結防止帯」や「ヒーターバンド」とよばれることもあります。エコキュートの配管に巻き付けて使用します。外気温が低下したときに自動的に通電し、配管を温めます。
手軽に凍結を防ぎたいなら保温テープがおすすめ。凍結防止カバーはウレタン製のものが多く、巻くだけで凍結から配管を守ります。保温テープは、通販サイトやホームセンターなどで数千円程度から購入可能。取り扱いも非常に簡単です。
エコキュートの給湯栓(蛇口)を少し開いて「水」モードにし、出し続けることで、配管に水がたまらなくなり、凍結が起こりづらくなります。出す水量は1分間に200mlほどが目安です。「水」モードを選べないエコキュートは、給湯温度をできるだけ低めに設定します。
ただし、この方法は水道代がかかるため、長期間行うことはおすすめしません。
凍結防止運転機能とは、浴槽に残ったお湯をエコキュートに循環させることで凍結を防止する機能です。フルオートタイプのエコキュートには、この「凍結防止運転機能」が付いています。なかには「ふろ凍結予防運転」という呼称を使用している製品も。
この機能を使用する際には、循環口の中心から10cm以上を目安に残り湯を浴槽に貯めておくことが重要です。この機能を使うと凍結防止にはなりますが、使用する湯量が増えるので注意してください。また機能使用中はポンプ作動音が発生します。
エコキュートが凍結していないのに、蛇口からお湯が出ない場合は、下記の可能性が考えられます。
エコキュートには「自動沸き増し機能」があるため、基本的には湯切れが起こらない仕組みになっています。しかし、一度に大量のお湯を使用すると貯湯タンク内のお湯が切れることがあります。特に、冷え込む冬場はこまめに貯湯タンクの残量をチェックしてください。
ヒートポンプユニットが、何らかの原因でうまく作動していない可能性があります。特に雪が多く降った日は、ヒートポンプユニットの周辺約30cm以内を確認してください。積雪で塞がれていると、空気の循環が滞って正常に動かなくなることがあります。
初めてエコキュートを使用する際や、災害・修理などで止水した場合は、エコキュートの給水止水栓、もしくは水道メーターの止水栓が閉まっていないか確認してください。
水道の止水栓は水道メーターBOXの隣に設置されていることが多く、自力で開けることが可能ですが、エコキュートの給水止水栓はメーカーや機種によって位置や形などが異なります。必ず取扱説明書を読んだうえで操作してください。わからない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
上の3つを確認しても水やお湯が出なければ、エコキュートのヒートポンプユニットや貯湯ユニットが故障している恐れがあります。エコキュートのリモコンにエラー表示が出ていないかを確認してください。
エコキュートの凍結は、寒冷地だけでなくても、氷点下の日が続いたり、急に気温が下がったりする可能性は十分に考えられます。基本的には、自然に解凍するのを待てば問題ないですが、古い配管であれば、凍結が原因で破損し水漏れを起こすことも。
トラブルなくエコキュートを使用するためにも、本記事を参考に凍結しないような工夫・対策をしてみてください。
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