エコキュートの配管にはどんな種類がある?寿命年数や劣化する原因についても
2024/12/01
2024/12/01
エコキュートには、ヒートポンプユニット内のお湯をタンクに移動させたり、シャワーや蛇口から出したりするためにさまざまな配管が使用されています。
これらの配管は、頻繁に高温のお湯を通すため負荷がかかりやすく、できる限り劣化しにくい配管を選ぶことが大切です。本記事では、エコキュートの配管の種類について解説します。
目次
エコキュートとは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす高効率給湯器です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」。
最大の特徴は、ヒートポンプ技術によって、空気の熱を取り込み、効率的に水を温めてお湯に変えることです。作られたお湯はタンクに貯まっていきます。従来の給湯器よりも消費エネルギーを抑えられるため、環境に優しく、住宅だけでなく商業施設などでも導入が進んでいます。
エコキュートにはさまざまな配管が使われており、それぞれ役割が異なります。エコキュートに使われている配管の種類を解説します。
エコキュートは、お湯を作るヒートポンプユニットと貯湯タンクを並べて設置します。このヒートポンプユニットと貯湯タンクをつなぐのがヒートポンプ配管です。配管のなかでも、もっとも使用頻度が高いです。
2つのユニットを直接つないでいるため、常に太陽光や雨風などにさらされているため、どうしても劣化しやすくなります。
貯湯タンクとシャワーや水道の蛇口をつなぐ配管です。お湯ではなく水を出すときに使われます。給水配管にトラブルが生じると、シャワーや蛇口からポタポタと水が漏れてくることがあります。
給水配管と同様に、貯湯タンクとシャワーや水道の蛇口をつなぐ配管です。貯湯タンクから給湯配管を通って、シャワーや水道の蛇口などにお湯が供給されます。
貯湯タンクと浴槽の循環口をつなぐ配管です。エコキュートには「給湯専用タイプ」や「セミオートタイプ」、「フルオートタイプ」などいくつか種類がありますが、ふろ配管は「フルオートタイプ」のエコキュートにのみ設置されています。
先に述べたように、特にヒートポンプ配管は使用頻度が高く、かつ屋外にあるため劣化してしまいます。なるべく劣化を遅らせるには、適切な素材の配管を選ぶことが肝心です。
フッ素系の樹脂ホースは耐久性・耐熱性に優れており、紫外線や温度変化など過酷な環境下でも劣化しにくい特徴があります。さらにやわらかく軽量で扱いやすく、配管取り外し作業など施工性も高いです。
その名のとおり、高耐熱ポリエチレン管でアルミニウム層を挟んだ三層構造をした素材です。簡単に手で曲げることができる柔軟性だけでなく、曲げた形状を保持する特長も兼ね備えています。温度変化に強いため、給湯器だけではなく暖房やガスの配管にも適しており、ヨーロッパ圏では良く使用されています。
架橋(かきょう)ポリエチレンは、水道水に含まれる塩素に強く、腐食しづらい特長をもった素材です。銅管と比較すると重量は半分以下であるため、運搬や取り扱いがしやすいです。一方で紫外線には弱く、太陽光に長時間さらされると劣化が早まりやすいです。直射日光が当たらない場所に設置するか、高耐候性被覆材が巻かれている架橋ポリエチレンを選んでください。
銅管は、エコキュートの配管で最も使用される素材です。熱伝導率が高く、耐久性に優れているものの、経年劣化で孔食(こうしょく)が発生する恐れがあります。孔食とは、金属が部分的に腐食してできる孔(あな)のことを指します。孔食が発生すると、配管から水漏れが起こることがあります。
エコキュートの配管の寿命は、一般的には10~15年ほどといわれています。ただしエコキュートの使用頻度やメンテナンスの頻度、配管の素材の種類や水質などによって異なります。定期的にエコキュート本体と配管のメンテナンスや洗浄などを行っていれば、配管の寿命は長くなる傾向にあります。
では、どのようなことを理由にエコキュートの配管は劣化を起こすのでしょうか。劣化する原因としては、大きく以下の4つが考えられます。
エコキュートでは水道水を用いることが一般的ですが、地域によっては地下水や井戸水などを汲み上げて使用するケースもあります。地下水や井戸水が硬水だと、その水に含まれるミネラル類(スケール)が配管内にこびり付いてしまうことがあります。配管内にスケールが蓄積すると水流を妨げ、圧力を増加させてしまうことになり、配管の腐食が早まります。
エコキュートの配管は紫外線や外気、雨風にさらされているため、長年使い続けると腐食やひび割れなどを起こします。定期的なメンテナンスや洗浄を行うことで、経年劣化を食い止めることができます。
寒冷地でエコキュートを使用する場合、配管内の水が凍結することで配管が膨張し、亀裂や損傷が生じることがあります。凍結による配管損傷を防ぐには、凍結防止用ヒーター(凍結防止帯)や保温テープ(保温材)などの利用をおすすめします。
「フルオートタイプ」など追い焚き機能があるエコキュートでは、入浴剤を溶かしたお湯が配管を通過し、エコキュート本体と浴槽を行き来します。そのため、入浴剤に含まれる成分によっては、配管内を傷つける恐れがあります。特に炭酸カルシウムや硫黄、アルカリなどの成分を含んだものや発泡系の入浴剤は、使用方法を間違えるとエコキュート本体や配管の故障・劣化につながるため、注意が必要です。
配管は、エコキュートが効率良く温水を供給するうえで、非常に重要な役割を果たします。エコキュート本体の性能を維持するためにも、エコキュートの配管の定期的なメンテナンスと洗浄を行うことをおすすめします。
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