エコキュートを使っていて、「シャワーの水圧が弱い」「蛇口からのお湯の勢いが足りない」と感じたことはありませんか?

水圧が低いと、シャワーの使い心地や給湯の効率が悪くなり、ストレスを感じることもあります。

この記事では、エコキュートの水圧を上げるための具体的な方法や、低水圧の原因について解説します。さらに、高水圧のエコキュートを導入する際のメリットとデメリットについても触れています。

ぜひ、快適な水回り環境を整えるための参考にしてください。

エコキュート

エコキュートの水圧を上げる方法

「エコキュートを使用しているシャワーや蛇口の水圧が弱い」と感じたら、次のことを試してみてください。

お湯の温度を上げる

エコキュートはタンク内で沸かしたお湯と水道水を混ぜて適温のお湯をつくり、シャワーや蛇口を通して供給します。

「Y」の字の左上がタンク内で沸かした高温のお湯、右上が水道水、下の1本線が水道の蛇口やシャワーヘッド、と考えるとわかりやすいかもしれません。

エコキュート内でつくられるお湯が高温であるほど、それを冷ます水道水の量は多くなり、水道やシャワーから出るお湯の勢いも増します。エコキュートの水圧を高めたい方は、エコキュートの設定温度を50〜60℃ほどにしてみてください。

ただし、エコキュートの温度設定を高温にすると、火傷の危険性も高くなります。温度の確認がまだ上手にできない小さなお子さまや、感覚に衰えが見られる高齢の方などが入浴する場合は、この方法を用いるのは避けたほうが安心です。

シャワーヘッドの交換

シャワーヘッドを「低水圧タイプ」に交換することで、エコキュートの水圧を改善できる可能性があります。

低水圧タイプのシャワーヘッドとは、少ない水量でも十分な水圧を感じられるシャワーヘッドのことです。ヘッドが小型であったり、水が出る穴の数を少なくしたりといった方法で、少ない水で高い水圧を実現しています。

ただし、低水圧タイプのシャワーヘッドは体や頭にあたる水の面積が小さくなるため、体や頭を洗うのに時間がかかるようになるかもしれません。

2か所以上で使用している場合は片方の給湯を中止する

キッチンやお風呂、洗面所など、複数箇所で同時にお湯を使用すると、一部のお湯の水圧が弱くなることがあります。

家族が入浴時はキッチンや洗面所は水で対応したり、あらかじめ貯めておいたお湯を使用したり、といった対策を講じることで、水圧の弱さを解消できるかもしれません。

止水栓を緩める

止水栓がきつく閉まっていると、エコキュートの水圧が弱く感じられることがあります。シャワーや水道のお湯の出が弱いと感じたい際は、止水栓をゆるめてみてください。

一般的に止水栓は、シンク下や浴室の点検口内部などに取り付けられています。エコキュート本体に取り付けられている止水栓は、ここでは関係ないため、間違えないようにしてください。

加圧ポンプを後付けする

「給湯加圧ポンプ」を設置することで、水圧を高めることが可能です。

給湯加圧ポンプとは、その名のとおり配水管内に圧力を加えて水の勢いを増すための装置のことです。これを取り付ければ、2階以上に浴室がある家や複数箇所でお湯を使用した際も、水圧不足を感じることを減らせます。

ただし、取り付けには「圧作動弁付エアベント」の同時導入が必要です。負圧作動弁付エアベントを取り付けずに加圧ポンプを使用すると、貯水タンクが真空状態になったときに破損する危険性が生じます。

またこれらの取り付けは後付けできますが、施工には専門的な知識が必要です。そのため素人による取り付けは避けてください。

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高圧仕様のエコキュートへの変更を検討する

水圧の弱い地域や、2階以上の高さでお風呂を使用する家庭向けに、高圧仕様のエコキュートが販売されています。

高圧仕様のエコキュートには、通常のエコキュートに比べるとお湯の圧力が2.9倍ほど高くなる製品もあります。

水圧の低さに悩んでおり、なおかつ現在のエコキュートの使用年数が10年以上を経過し寿命が近い場合は、高圧仕様のエコキュートに交換するのも良い方法です。

水圧が変わらない原因

上記でご紹介した方法を試しても、水圧が変わらないケースもあります。その原因をご紹介します。

住んでいる地域の水圧が弱い

高台にある住まいや住宅地、商業施設の多い地域などは水圧が弱いことがあります。これは水道管が地域全体で共有されているためです。水道を利用する家や店舗が多くなれば、自宅で使用できる水量が減るため、水圧も弱くなります。

水圧の弱さを対策しても変化がない場合、住んでいる地域が水の使用量が多いことが、原因かもしれません。

エコキュートが水漏れしている

エコキュートが水漏れしていることで、シャワーや蛇口から十分なお湯が出てこないケースも考えられます。

家中の水道を止めて、水道メーターが動いている状態であれば、エコキュートの水漏れを疑ってみてください。また、お風呂がなかなか貯まらなかったり、すぐに水切れを起こしたりといった症状が発生している場合も、エコキュートが水漏れしていることが原因かもしれません。

集合住宅の給水設備に不具合がある

集合住宅の場合、給水設備に不具合が生じてエコキュートの水圧が下がっていることもあります。個人では給水設備の確認や修理はできません。

水圧を改善する対策をしても変化がなく、給水設備の不具合が疑われる場合は、管理会社やマンションのオーナーなどに相談してみてください。

シャワーのフィルター(ストレーナー)が汚れている

シャワーヘッドの掃除はしても、シャワーの配管部分にあるフィルター(ストレーナー)掃除までする方は、少ないでしょう。

シャワー配管部分のフィルターに汚れが詰まり、水圧不足が生じているケースもあります。

画像の丸印部分にフィルターが設置されているため、ビスを回して開栓し、歯ブラシなどでフィルターを水洗いしてください。フィルターをきれいにすることで、水圧が改善する可能性があります。

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水圧の高いエコキュートのメリット・デメリット

水圧の高いエコキュートを使用することで、さまざまなメリットを得られます。一方で、デメリットもあるため、水圧問題に悩む方は両方を比較し、改善の有無を検討することが大切です。

メリット

エコキュートの水圧が高いと、シャワーの出に勢いがつくため、皮脂や汚れを落としやすくなります。また、水圧の高いシャワーは血行を促すため、心地よさも感じるかもしれません。

バスタイムの効率化や心地よさを求める方は、エコキュートの水圧が高いほうが、快適に暮らせます。

また、2階以上に浴室がある家や、複数箇所で同時にお湯を使用する家庭なども、エコキュートの水圧が高い方が、不便を感じることを減らせます。

デメリット

エコキュートの水圧が高いと、使用するお湯の量も増えます。その結果、水道代が高くなることが考えられます。

また、高水圧のシャワーは「痛い」と感じる方もいるかもしれません。とくに、肌の弱い方や体の小さなお子さんなどは、高水圧のシャワーが刺激となる可能性も考えられます。

エコキュートの水圧を上げて快適な暮らしを

エコキュートの水圧を上げることで、日常の生活がより快適になります。この記事で紹介した方法を参考にして、自宅の水圧改善を試みてください。

また、高水圧のエコキュートの導入を検討する際には、メリットとデメリットを十分に理解し、家族のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。水回り環境を快適に整え、豊かな暮らしを実現しましょう。

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