エコキュートは、省エネ性能が優れた給湯システムとして、多くの一般家庭で導入されている給湯器です。
従来のガス給湯器よりも、給湯に必要なエネルギー量が少なく済むため、光熱費削減や家庭から排出される二酸化炭素の量を減らすことができます。

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンク、この2つのユニットが必要不可欠です。

この記事では、エコキュートのしくみやヒートポンプユニットと貯湯タンクの役割、エコキュートに関するよくある質問について詳しく解説します。

エコキュート

エコキュートのしくみ

エコキュートは、大気中の熱エネルギーを利用してお湯を作り出す給湯器です。
家庭用としては2001年に販売が開始され、2022年3月末の時点で累計販売台数が900万台を突破しました。

一般的な家庭でのエネルギー消費割合は給湯が28.7%と、約3割を給湯が占めています。
そのため、脱炭素化社会に向け、エコキュートは年々注目度を高めているのです。

エコキュートは大きく分けると、「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つのユニットで構成されています。
この二つのユニットでお湯を沸かすため、なくてはならない大切なユニットです。

エコキュートの仕組みを理解するためには、ヒートポンプユニットと貯湯タンク、両方の役割について理解しておく必要があります。

ヒートポンプユニット

エアコンの室外機に似た見た目をしたヒートポンプユニットは、エコキュートの心臓部とも言える重要なユニットです。
ヒートポンプユニットが大気中の熱を集めると、そのエネルギーを利用して水道水を一気に温めお湯を沸かします。

ヒートポンプユニットの役割
1. 大気から熱を集める:ヒートポンプユニットは、外気から熱を集めることで冷媒を温めます。
2. 冷媒を圧縮する:冷媒を圧縮することで、さらに高温になります。
3. 熱交換器で水を温める:高温になった冷媒が熱交換器を通り、水を温めます。
4. お湯を貯湯タンクに送る:温められたお湯は、貯湯タンクに貯められます。

貯湯タンク

貯湯タンクは、ヒートポンプユニットで温められたお湯を貯めておくための装置です。
タンク内の温度を一定に保つための断熱構造が施されており、エネルギー効率を高めています。

エコキュートは夜間など、電力が安い時間帯にお湯を沸かし貯湯タンクに貯め、日中はタンクに貯められたお湯を使う仕組みです。
太陽光発電を導入している住宅などでは、電力があまりやすい時間帯にお湯を沸かすこともできます。

貯湯タンクのメリットとして、一定量のお湯を貯めておくことができるため、断水が起きやすい災害時などに水を使えることが挙げられます。
エコなだけでなく、災害対策としても利用できる便利な設備です。

ヒートポンプが省エネの「カギ」

エコキュートが従来の給湯器と比べ、省エネだと言われるのには『ヒートポンプ』の仕組みが大きく関係しています。

従来のガス給湯器では、ガスでお湯を沸かしていたため、燃焼時に発生する熱エネルギーをそのまま利用しお湯を沸かす仕組みでした。

エコキュートの場合は、電気で熱をつくるのではなく、大気中の熱を利用し圧縮することで高温にし、お湯を沸かしています。つまり、電気は空気を圧縮したり熱を運ぶために必要ですが、熱自体は大気中の熱を利用しているため、エネルギー効率が格段にアップしているのです。

ヒートポンプの技術を利用することで、外気中の熱エネルギーを効果的に活用し、光熱費を抑えることができます。これにより、年間の電気代を大幅に節約できるだけでなく、CO2排出量の削減にも貢献します。

エコキュートのヒートポンプに関するよくある質問

最後にエコキュートのヒートポンプに関するよくある質問をまとめました。エコキュートの設置でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

エコキュートのヒートポンプは騒音の原因になるの?

エコキュートの設置をためらっている方の中には、「騒音が気になる」という方も多いですよね。

エコキュートの低周波音は、ヒートポンプから発生します。
空気を圧縮する際にでる機会音が発生源ですが、エアコンの室外機や冷蔵庫の音と同じ30dB~40dB程度のブーンという音になります。
通常はそこまで気にならないと思われますが、エアコンの室外機の音が気になるという場合には、エコキュートのヒートポンプユニットを置く場所を工夫すると良いかもしれません。

寝室から離れた場所に設置したり、振動が伝わりにくいようある程度スペースのある場所に設置するのがおすすめです。

エコキュートのヒートポンプユニットの寿命は?

エコキュートのヒートポンプユニットの寿命は、約10年とされています。
お湯は毎日使うものですので、10年を経過したあたりから、部品の経年劣化による不具合が起きることがあります。
定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばすことは可能ですが、10年以上つかったエコキュートの修理は、部品代や修理費がかかりコスパ悪くなってしまいます。

10年を目処に、交換を検討しておくと、故障することなく使い続けることができます。
国や行政の補助金を利用すれば、お得に買い替えできることもあるため、時期を見極めるのも重要です。

エコキュートのヒートポンプを設置できない場所はある?

エコキュートのヒートポンプユニットは、外気を取り込むため設置場所には一定のスペースが必要となりますが、エアコンの室外機と同じくらいのサイズ感になり、ほとんどの住宅で置き場所に困ることはありません。

ヒートポンプユニットよりも、お湯をためておく貯湯ユニットのサイズが重要になってきます。
近年では狭いスペースにもおける薄型タイプの貯湯ユニットも多数販売されているため、設置場所が広くない場合には、薄型を検討するのがおすすめです。

ヒートポンプユニット・貯湯タンクのメンテナンス方法

ヒートポンプユニットの効率を保つためには、定期的なメンテナンスが重要です。
フィルターの清掃や、異音がしないかの確認を定期的に行いましょう。

また、貯湯タンクは年に1〜2度水抜き作業を行うことが推奨されています。
慣れれば簡単な作業ですので、点検をかねてメンテナンスを行うことをおすすめします。

寒冷地や冬でもエコキュートのヒートポンプは省エネにつながるの?

ヒートポンプは外気の熱を利用してお湯を作るため、冬や寒冷地では効率が落ちることがあります。
最低気温が-10℃を下回る地域では、寒冷地仕様のエコキュートを設置すれば問題ありません。

また、海沿いにお住まいの場合は潮風の影響を受ける可能性が高いため、耐塩害地仕様のエコキュートを設置する必要があります。

ダイキンや三菱、パナソニックなど人気メーカー各社が寒冷地仕様や耐塩害地仕様のエコキュートを販売しているため、お好きなメーカーのエコキュートを設置することができます。

まとめ

エコキュートは、大気の熱を利用し、高い省エネ性能を実現した給湯器です。
光熱費を節約できるだけでなく、SDGsの観点からも導入を検討する方が増えています。

ヒートポンプユニットの特性を理解すれば、エコキュートの導入も検討しやすくなります。
また、今なら補助金を利用してお得にエコキュート新規設置・交換できる可能性も。

この機会にエコキュートの導入を検討してみませんか?

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