電気を使うエコキュートは、従来のガス給湯器よりもエコな選択肢として人気があります。
光熱費の節約にもつながると言われていますが、電気料金が急騰している今、消費電力が多ければ家計の負担が大きくなってしまいます。

お湯を沸かす時の消費電力はどのくらいなのでしょうか?

この記事では、エコキュートの消費電力目安や電気代が高くなる原因、節約のコツについて解説いたします。

エコキュート

エコキュートの消費電力はどのくらい?

エコキュートの消費電力は、タンクの大きさやメーカー、使用方法によっても多少前後します。

まずはメーカーが発表している数値をもとに、消費電力はどのくらいなのか見ていきましょう。

エコキュートの消費電力目安

3〜5人用のとして一般的なタンク容量、370Lタイプのエコキュートだと、消費電力は大体0.8kW〜1.5kW程度です。
エコキュートは夏と冬で消費電力が異なり、冬はより多くの消費電力を使う傾向があります。

ガス給湯器とエコキュートの光熱費を比較するのは難しいですが、Panasonicが発表している情報によると、東京電力エナジーパートナーエリアの平均電気料金は月額3,100円、エコキュートの年間のランニングコストは従来型ガス給湯器の約1/2となります。(※HE-JPU37LQSで試算)

エコキュートは電気と大気熱でお湯を沸かす!

エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯器ですが、エネルギーの観点からみると、電気だけを利用しているのではありません。ヒートポンプで大気の熱を利用し、水をお湯に替えるのがエコキュートの核となるポイントなのです。

ヒートポンプの仕組み

ヒートポンプでは、大気から熱を吸収し、その熱を冷媒に移動させます。
ちなみに、エコキュートの冷媒ガスには、工場などで排出された二酸化炭素が再利用されているため、エコな冷媒ガスが使われているのもエコなポイントのひとつです。

温められた冷媒圧縮され、さらに高温にしたあと、熱交換器を使って水道水を設定温度まで加熱します。

この一連のプロセスにより、少量のエネルギーでお湯を沸かすことができるのが「エコキュート」の強みなのです。

エコキュートが『エコ』な理由

エコキュートがエコな理由は、そのエネルギー効率の高さにあります。従来のガス給湯器や電気給湯器は、ガスで燃焼した熱エネルギーや電気エネルギーをそのまま水に伝えて加熱します。
そのため、お湯をわかすためには大量のエネルギーが必要でした。

一方、エコキュートは大気中の熱を利用することで、消費電力が大幅に削減されます。
およそ1kWhの電力で約3~5kWh相当の熱エネルギーを生み出すことができると言われており、3倍近く効率が良いのです。

エコキュートの夏と冬で消費電力に差が生まれるワケ

さて、本題に戻りますが、エコキュートは夏と冬とで、消費電力に大きな差が生まれます。
三菱のエコキュートSRT-S376Uを例にとれば、夏の最大消費電力目安は0.97kW、冬の最大消費電力目安は1.52kWと、約0.5kWの差があります。

この差の理由は、ヒートポンプの仕組みにあります。冬は外気温が下がるため、大気熱が低く、ヒートポンプの効率が下がります。
一方、春〜夏は大気熱が高いことから、効率的に熱エネルギーを回収できるのです。

つまり、ヒートポンプの効率が下がる冬は、電気代が高くなる傾向にあります。

北海道や青森など寒冷地の消費電力は?

北海道や青森、日本海側の山間部など、寒冷地でエコキュートを使用すると、他の地域よりも電気料金が高くなってしまいます。

しかし、電気料金が高くなるからといって、非効率とは一概に言えません。
寒冷地だと、ガスでお湯を沸かすのにも多くのエネルギーを使用します。都市ガスならまだしも、プロパンガスの地域だと、お湯を沸かす時のガス料金が心配になってしまうほど。

寒さが厳しい寒冷地でも、他の給湯器とくらべれば、エコキュートの電気代は低価格でコスパが良いと言えるでしょう。

給湯器

エコキュートの電気代が高くなる三大要因

エコキュートは従来型のガス給湯器や電気式給湯器よりも、エコで節約効果も期待できます。しかし、実際に使用してみたら、電気代が高くなってしまったという声も…。

ここでは電気代が高くなってしまう時に考えられる三つの要因について、詳しく解説いたします。

1. 沸き増しが多い

エコキュートは、夜間の電力が安い時間帯にまとめてお湯を沸かし、貯湯タンクに保存しておく仕組みです。
そのため、夜間の電気料金がお得になるプランに加入していれば、安い電気代でお湯を沸かすことができます。

しかし、家族の人数が多い場合や、お湯の使用量・使用頻度が高い場合には、タンク内のお湯が不足しがちです。
お湯が不足した時には、追加でお湯を沸かす「沸き増し」が必要になりますが、日中に沸き増しを何度も行なうと、夜間にお得なプランに入っていることが悪影響になってしまい、逆に電気料金がかさんでしまうのです。

できる限り、沸き増しを行わなくても良いようにしておくと、電気代を抑えることができます。
お風呂に入る時間を調整し、湯船が冷めないよう工夫したり、食器洗い時や洗顔時など、お湯を使う時はこまめに止めるようにするのがおすすめです。

IHクッキングヒーター

2. 省エネモードを切っている

エコキュートには多種多様な「省エネモード」が搭載されています。
省エネモードを利用すると、お湯を沸かす量や沸かすタイミングを自動で調整し、最もエコな方法を選択してくれます。
エネルギー効率を最大化し、消費電力を抑えれば、当然電気代もお得になる、という仕組みです。

しかし、省エネモードを利用すると、お湯の量が少なくなる傾向があることから、湯切れを恐れて機能をオフにしている方もいらっしゃるようです。

たしかに、急に来客があった時など、お湯が足りなくなると不便ですが、普段から省エネモードをオフにしてしまうと、せっかくの便利機能が台無しになってしまいます。
冬にお湯をたくさん使いたい時や来客があるとわかっている時などだけ省エネモードをオフにするなど、こまめに設定を変えて使うことで電気代の節約につながります。

3. 貯湯タンクの大きさが合っていない

エコキュートの貯湯タンクのサイズは、家族の人数に合わせて決めるのが一般的です。
しかし、実際には家庭の事情により、どのくらいお湯を使うかは異なります。
大家族でも家でお風呂に入る機会が少なければ、お湯の量は少なくて済みますし、少人数の家族でもペットがいたりお湯を使うシーンが多ければ、大容量のタンクが必要になるでしょう。

貯湯タンクの容量が小さすぎると、頻繁に沸き増しが必要となり、無駄な電力消費が発生してしまいます。
一方、タンクが大きすぎると、必要以上のお湯を作り続けることになり、これはこれで、無駄な電力を消費する原因となってしまいます。
生活スタイルに応じたタンクサイズを選ぶことで、長期的な節電・節約に繋がります。

まとめ

エコキュートは環境に優しい次世代型の給湯器です。エネルギー効率にもすぐれ、少ない電力でお湯をわかすことができます。

電気代やガス代など、光熱費が高くなってきた今、エコでお得なエコキュートを導入してみませんか?

エコキュート

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