ディスポーザー(=キッチンシンクの下に設置する生ゴミ粉砕機器)は、キッチン周りの清潔を保ち、衛生的な環境を維持するためにとても便利な装置です。

とくにマンションなどの集合住宅で人気の設備となっており、生ゴミを排出するときに発生する悪臭を軽減することで住環境の質を向上させます。

生活のお役立ちアイテムとして人気のディスポーザーですが、使用している最中に、ディスポーザー下の配管に「詰まり」を引き起こすことがあります。

一度詰まってしまうと、思うように排水されなくなってしまうので、早急に対策しなければなりません。

そこで今回は、ディスポーザーの配管が「詰まった」、あるいは「詰まりかけている」とお困りの方に向け、その原因と対処法をお伝えいたします。

ディスポーザー

ディスポーザーの配管が詰まる原因3つ

①油汚れで詰まる

ディスポーザーの配管が詰まる原因としてまず挙げられるのが、料理中に使用する油です。

油汚れは徐々に配管へとたまっていき、他の汚れと結合して排水管の壁に固着していきます。その後、油の固まりが剥がれ落ちるときに、排水管が詰まってしまうことがあるのです。

具体的なシーンでいうと、油のついたフライパンを洗う際や、油を利用した料理の残りを流すときに、ディスポーザーの配管へ油が入り込んでしまいます。

そのため油汚れは、キッチンペーパーなどを使用して、できる限り拭き取ることがおすすめです。

②本体の故障で詰まる

ディスポーザーの寿命は8年程度とされており、家電製品としての正しい使い方をしないと、寿命を迎える前に故障する場合もあります。

粉砕できなかった生ごみがディスポーザー内に残っている、または本体やゴムパッキンから本体が腐食した粉が出てくるなど、寿命のサインを見逃さないことが大切です。

ディスポーザーが正しく作動しない場合、生ごみが粉砕されずに流れてしまい、配管を詰まらせる可能性があります。

適量を超えたゴミを入れることで、ディスポーザーに負荷がかかりすぎ、熱による故障の原因となる場合もあるためゴミの量には注意が必要です。

また、ディスポーザーには流すべきでないゴミも存在します。種類によって流せるものが異なるため、取扱説明書を確認して正しくご使用ください。

③排水桝(はいすいます)に汚れが蓄積して詰まる

ディスポーザー近くの配管が詰まったかと思いきや、もっと奥にある排水桝(はいすいます)の配管が詰まっている可能性もあります。排水桝は、住宅から排出された汚水を貯留するものであり、下水システムに不具合を起こさないように設置されている装置です。

排水桝には、油汚れのかたまり、野菜くずや粉砕できなかった食べ物のかけら、洗面所や浴室からの髪や皮脂・洗剤などが蓄積されますが、排水の流れが滞ると詰まりが発生します。排水桝の問題があると感じた場合は、戸建ての場合は水道修理業者に、集合住宅に住んでいる場合は管理会社に相談することをお勧めします。

配管でつまりが起こったときの対処法

排水管内での詰まり発生時には、一般的な手法によって排水溝詰まりと同じように対応することができます。

ご家庭に常備されているものや簡単に調達できるものを用いて改善していきましょう。

①真空式パイプクリーナーを使う

初めに利用すべき道具は、真空式パイプクリーナーです。トイレ用の吸引ツールと同様の原理で、非常に強力な効果が期待できます。

お風呂やトイレ等の詰まりにも汎用性があるので、予め常備しておくことをおすすめします。

もしもご家庭に「スッポン」がある場合は、まずはそちらでお試しいただくことをおすすめいたします。真空排水クリーナーやスッポンをどのように使えばよいかご紹介致します。

1.  シンクに水をため、排水口を完全に覆うようにしましょう。

2.  真空排水クリーナーを、排水口に垂直に当て、ハンドルをゆっくりと押し下げます。

3.  ハンドルを思い切り引き上げてください。

この作業は、水の大きなかたまりを引きぬく感覚で行うと効果的です。押し込む力は大切ではありません。

20〜30回程度何度か繰り返すと、水圧のおかげで詰まりが動き始め、やがて一気に流れだします。

②液体パイプクリーナーを用いる

液体パイプクリーナーは、液を流し込むだけでパイプ内の汚れを分解し、配管の詰まりを解消することができます。

パイプ内部の油汚れによる詰まりなら、パイプクリーナーの「水酸化ナトリウム」という成分が効果抜群です。

ただし、製品によって水酸化ナトリウムの濃度には違いがあります。

詰まりに対して十分な効果を発揮するためには、少なくとも1%以上の高濃度が必要です。

濃度が高いため、使用方法には充分にご注意ください。

ディスポーザーの詰まりでやってはいけない「連続作動」

ディスポーザーが停止してしまったとき、あえて作動させ続けることで、つまりの原因となる物質が取れて直るかもしれないと期待される方もおられるでしょう。

しかしながら、連続的な作動は配管の詰まりを悪化させる可能性があるため、細心の注意が必要です。

ディスポーザーが稼働していると、既に詰まりの発生している箇所に圧力が加わってしまいます。

この結果、配管が外れたり、ディスポーザー本体がズレたりする恐れがあります。

決して無理はせず、ディスポーザーを停止させて、内部を点検してみることをおすすめいたします。

ディスポーザーの配管詰まりを起こさないために

今回は、ディスポーザーの配管が詰まる原因とその対処法についてご紹介しました。

ディスポーザーは生活に欠かせない便利なアイテムですが、正しい使用方法やメンテナンスを怠ると、詰まりを引き起こすことがあります。

そのため、ディスポーザーを使用する際には、配管に入り込むことのできないものや、料理で使用する油脂の排水を避けることが大切です。

詰まりの解消には、真空式パイプクリーナーや液体パイプクリーナーが有効です。

これらの方法をしっかりと実践することで、ディスポーザーを安心してお使いいただけるようになりますので、ぜひご参考にしてみてください。

ディスポーザー