食器洗いを効率化・自動化してくれる食洗機。家族の人数が多いほど重宝する家電です。

食洗機には、キッチンと一体化していて専門工事が必要な「ビルトイン食洗機」と置き型の「卓上型食洗機」(卓上食器洗浄機)があります。

ビルトイン食洗機は、余分に場所を取らないなどのメリットもありますが、専門工事が必要なため、賃貸では導入がしにくいです。

卓上型食洗機は、近年、分岐水洗式の他に、電源コードと排水ホースをつないだらすぐに使用できるタンク式食洗機も販売されています。本記事では、工事不要の卓上型食洗機のメリットやデメリット、選び方、おすすめ製品について解説します。

工事不要の卓上型食洗機とは?

卓上型食洗機

工事不要の卓上型食洗機には、大きく「分岐水洗式」と「タンク式」の2つがあります。

分岐水栓式

分岐水栓式は、すでに設置されている水道に分岐水栓を取り付けて使用するタイプの食洗機。シンクに穴をあけるなど、大掛かりな工事は不要です。DIYが得意な方なら簡易的な工事で、原状回復もできます。ただし、自宅の水道に適合した分岐水栓を購入しないと、うまく取り付けられないことがあるため、注意が必要です。

DIY参考サイト:交換できるくん 食洗機用の分岐水栓取り付け実例

タンク式

タンク式は、コンセントを差し、専用カップで上から水を注ぐだけで使える食洗機です。都度、食洗機本体に水を注ぐ手間はあるものの、難しい工事などは一切ないため、購入してすぐに使いたい方におすすめです。近年は、タンク式から分析水栓式に変更できる「2WAYタイプ」も販売されています。

卓上食洗機のメリット

卓上食洗機 メリット

卓上食洗機のメリットは、家事を時短できる、水道代を節約できるだけでなく、工事不要ですぐに使えることなどが挙げられます。

工事不要で自由に置ける

タンク式の卓上食洗機は、電源コードと排水ホースをつなぎ、タンクに水を注ぐだけで、すぐに使用が可能です。分岐水栓式も、分岐水栓を取り付けなければいけないものの、賃貸など原状回復が求められる物件でも使用でき、そこまで難しい工事も必要ありません。また、ビルトイン型食洗機と違い、排水ホースが届く場所であれば、好きな場所に自由に配置できます。

家事を時短できる

通常、スプーンやフォーク、お皿などの食器を洗う場合、洗剤をつけたスポンジで一つひとつ洗い、水切りカゴに置き、布巾で乾拭きするという一連の流れがありますが、食洗機は洗浄から乾燥まで自動で行ってくれるため、家事を大幅に効率化することが可能です。

食洗機が食器を洗っている間に、洗濯をしたり、掃除機をかけたりなど、時間を有効活用できます。

水道代を節約できる

食洗機のスペックや、使用頻度などによって水道代は変わるため、一概にはいえませんが、手洗いの場合と比較すると、使用する水量を減らせるため、水道代を節約できます。

蛇口・水栓

卓上食洗機のデメリット

卓上食洗機 デメリット

卓上食洗機は便利な家電であるものの、一方で給水に手間がかかる、一度に洗える量が限られているなどといったデメリットも存在します。

給水に手間がかかる

タンク式の食洗機は、付属している専用カップで、都度給水をしなければいけません。1回の洗浄にはおよそ4〜5リットルの水が必要で、何度か専用カップで注ぐ手間が発生します。しかし、近年はタンク式でも分岐水栓式への切り替えが可能な2WAYタイプも登場してきています。

一度に洗える量が限られている

タンク式、分岐水洗式に関わらず、食洗機は一度に洗える量が限られています。ご家庭で使う食器の量にあった、食洗機を選ぶことをおすすめします。また、しつこい油汚れなどがついている食器は、予洗いをしていないと落ちないほか、正しく食器を並べていないと1度で食器についた汚れが落ちないことがあります。

卓上型食洗機の選び方

卓上型食洗機 選び方

では、どのようなポイントを意識して卓上型食洗機を選べば良いのでしょうか。ここでは、大きく5つのポイントに分けて選び方を解説します。

1.サイズ・容量

まず、卓上型食洗機で大切なのがサイズと容量です。ビルトイン型食洗機と違い、卓上型食洗機は設置する場所が肝心です。

特にチェックしたいのは、コンセントまでの距離とシンクまでの距離。排水ホースはシンクに直接取り付けられると便利ですが、シンクまで届かない場合は、バケツにつけるか、または排水ホースの延長が必要になります。

また、容量も肝心です。夫婦二人暮らしの場合、子供あり4人家族の場合で、洗う食器の数も変わってきます。
一般的に3人家族なら30〜40点、4人以上なら50点以上のものを選ぶと良いです。製品に「標準収納容量」という記載があるため、必ずチェックしてください。

2.洗浄力

食洗機において、油汚れやぬめり、細かい隙間の汚れを1回で洗い流せる洗浄力も重要なポイントの1つ。基本的に、近年の食洗機においては洗浄力に大きな差はありません。むしろ、洗浄力で差が出るのは庫内の広さ。庫内が狭いと、どうしても食器を重ねて入れることになるため、洗い残しが出てしまうからです。

3.ドアの開き方

卓上型食洗機のドアは、「前開き式」「上下式」の2タイプがあります。「前開き式」とは、手前に取っ手を引っ張って開ける食洗機です。手前に引くため、設置場所にある程度の奥行きが必要となります。

一方、「上下式」は、上下にドアが開口するタイプの食洗機です。「前開き式」と比べるとそこまで奥行きを取らないほか、しっかりと庫内を視認できるメリットがあります。

4.お手入れのしやすさ

食洗機は使ううちに、庫内に汚れが付着していくため、定期的なケアやお手入れが欠かせません。パーツを簡単に取り外せる、または全て分解できて丸洗いできると、お手入れがしやすく便利。食洗機によっては、「庫内洗浄モード」がついているものもあるので、チェックしてみてください。

5.利便性

食洗機によっては、タイマー機能、乾燥機能、時短モードなど、便利な機能が実装されているものがあります。とにかく、食器洗いから乾燥まで全て自動化したい方には、乾燥機能付きの食洗機がおすすめ。自宅を留守にすることが多い方は、タイマー機能や時短モード機能がある食洗機を選ぶと良いです。

また、意外と見落としがちなのが洗浄中の音。あまりに音がうるさいと、食洗機を使う時間が日中に限定されてしまうため、利便性が損なわれてしまいます。

工事不要の卓上型食洗機のおすすめ5選

食洗機 工事不要

最後に、卓上型食洗機でおすすめの製品を5つご紹介します。サイズ・収納容量・ドアの開き方・運転音など、複数ポイントで比較しているので、購入の参考にしてみてください。

1.パナソニック 食器洗い乾燥機 NP-TSP1-W

パナソニックが販売している卓上型食洗機。タンク式・分岐水栓式どちらにも対応している2WAYタイプ。大きな特徴は、50℃以上の高圧水流でしっかりと除菌を行う「ストリーム除菌洗浄」機能を備えていること。また、39dBと静音性にも優れています。

サイズ(奥行き・幅・高さ)収納容量ドアの開き方本体重量種類運転音その他機能
34.1cm x 55cm x 60cm24点上下式約19kg2WAY式39dB除菌洗浄

2.siroca(シロカ) 食器洗い乾燥機 SS-MA351

分岐水洗式の食洗機。収納容量は36点で、4〜5人のご家庭におすすめ。カゴを外すと27cmの大皿にも対応。また、食器の量や汚れに合わせて洗い方や時間を柔軟に調整する「おまかセンサー」機能を搭載しているから、節水・節電にも効果的。
庫内上下につけられた360°回転するノズルで食器をキレイに洗い上げる、siroca独自の洗浄技術「360°キレイウォッシュ」が搭載されています。高温水であらゆる角度から洗浄するので、 除菌(除菌率 99.9%)もできて安心です。

サイズ(奥行き・幅・高さ)収納容量ドアの開き方本体重量種類運転音その他機能
35cm x 55cm x 50cm36点前開き式約23.4kg分岐水栓式47dBおまかセンサー

3.東芝 食洗機 DWS-22A

東芝が販売するタンク式の食洗機です。特徴は、5種類のコースから洗浄モードを選べること。「標準・スピーディ・強力・除菌・低温」と、ニーズに応じて洗い方を変えることができて、とても便利。

サイズ(奥行き・幅・高さ)収納容量ドアの開き方本体重量種類運転音その他機能
42cm x 43.5cm x 43.5cm15点前開き式約13kgタンク式42dB時短モード

4.パナソニック 食器洗い乾燥機 プチ食洗 NP-TCR4-W

パナソニックが販売している小型の卓上食洗機です。プチ食洗という名前だけに、奥行き30cm、幅47cmとコンパクト。サイズは小ぶりながらも、収納容量は18点と2〜3人分の食器を入れることが可能です。

サイズ(奥行き・幅・高さ)収納容量ドアの開き方本体重量種類運転音その他機能
30cm x 47cm x 46cm18点前開き式約12kg分岐水栓式41dB時短モード

5.THANKO(サンコー) 食器洗い乾燥機 ラクア ‎STTDWAD

分岐水栓にも対応できる2WAY式の食洗機。

庫内には、上下2段のトレイがあり、最大16点まで収納可能。また、上のトレイを取り外せば、45cm程度のフライパンを入れることができます。
また、ドアを開けるとLEDライトが点灯する仕組みになっており、庫内の奥まで見渡せます。カラーは定番の「ホワイト」と、食洗機では珍しい「マットブラック」も。

サイズ(奥行き・幅・高さ)収納容量ドアの開き方本体重量種類運転音その他機能
41cm x 42.5cm x 45.5cm16点前開き式約13kg2WAY45dB乾燥機能

まとめ

卓上型の食洗機は、現在、分岐水洗式に加え、工事不要のタンク式、両方のタイプに切り替え可能な2WAY式など、さまざまな種類があり、自分の家に合ったものを選ぶのはなかなか大変かもしれません。特に、本日紹介したポイントのなかでも、サイズやお手入れのしやすさは重要。

しっかりと確認しておかないと、設置できなかったり、使い勝手が悪かったりして、せっかく購入したのに使わぬまま放置…ということにもなりかねません。
ぜひ、本日のポイントを参考に、自分の家にぴったりの食洗機を選んでみてください。

ビルトインガスコンロ