赤ちゃんのいる家庭では、毎日何度も哺乳瓶を洗う必要があります。少しでも手間を減らせたら助かる、と感じている方も多いのではないでしょうか。

哺乳瓶の耐久性や耐熱性によっては、食洗機で洗浄できるものもあります。ただし、除菌はできても「消毒」はできないため、使用には注意が必要です。

この記事では、哺乳瓶を食洗機で洗うメリットや注意点、基本的な洗い方やおすすめの使い方について解説します。赤ちゃんの哺乳瓶をどう洗えばよいか悩んでいる方は、ぜひご参考ください。

食洗機でできることは哺乳瓶の「除菌」

赤ちゃんのいる家庭では、「哺乳瓶は食洗機で消毒はできるの?」という疑問を持つ方も、多いと思います。

食洗機でできるのはあくまで「除菌」であり、消毒や殺菌はできません。

除菌とは、菌やウイルスの数を減らすことを指します。一方の消毒は、菌やウイルスを無毒化し、感染力をなくすことを目的とした処理です。

混同してしまいがちな両者ですが、厚生労働省でも、除菌と消毒は用途や効果が異なることが示されています。どちらを選択しても菌が完全にゼロになるわけではないものの、用途に応じた使い分けが大切です。

赤ちゃんの哺乳瓶に消毒が必要な理由

赤ちゃんの体はまだ未熟で、免疫力も十分ではありません。とくに生後6か月ごろまでは、感染症への抵抗力が弱く、ミルクの残りカスなどに繁殖した菌から、下痢や発熱といった症状を引き起こすこともあります。

そのため、毎日何度も使う哺乳瓶は、使用したら都度消毒をし、できるだけ清潔に保つことが大切です。
1歳半を過ぎる頃には、大人の半分ほどの抵抗力がついてくると言われており、それ以降はこまめな洗浄や除菌でも対応しやすくなります。

赤ちゃんの月齢や体調にあわせて、消毒の必要性を見極めることが大切です。

蛇口・水栓

メーカーの見解:ピジョン&パナソニック

実際に、哺乳瓶メーカーや家電メーカーは、哺乳瓶を食洗機で洗うことについて、どのような見解を示しているのでしょうか。

哺乳瓶メーカーのピジョン

A.びんの底部や乳首の細かい部分の汚れが落ちにくいため、食器洗い乾燥機のご使用はお避けください。乾燥機も機種により、部分的に高温になることがありますのでご使用はお避けください。哺乳びんや乳首は、専用の哺乳びん用ブラシ、乳首ブラシでの洗浄をお願いします。

参考:【13】母乳実感 哺乳びん Q&A | お客様サポート | ピジョン株式会社

上記の内容から、基本的には手洗い+専用ブラシを推奨していることがわかります。

家電メーカーのパナソニック

手洗いした食器を食洗機に入れて保管する使い方もできます。消毒したほ乳ビンや、食洗機で洗えない食器も保管できます。
※食器洗い乾燥機では消毒はできません。ほ乳ビンなど気になる食器はお客さまご自身で消毒してください。

レギュラータイプ特長:ストリーム除菌洗浄・ナノイーX | 食器洗い乾燥機(食洗機) | Panasonic

哺乳瓶を食洗機で洗う場合は、それぞれのメーカーの見解を参考にしつつ、パーツの状態や赤ちゃんの月齢などにあわせて使い分けることが大切です。

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哺乳瓶の基本的な洗い方

哺乳瓶を洗うだけであれば、食洗機でも問題ありません。「食洗機は使いたくない」「細かい部分の汚れまで落ちているのか心配」という場合は、手洗いがおすすめです。

手洗いであれば食洗機では落としきれない汚れもきれいに落とせるため、安心して赤ちゃんに使ってあげることができます。

哺乳瓶の基本的な手洗い方法は、以下の通りです。

  1. 1.まずは手を洗う
  2. 2.放置したり洗い残しがあると菌が増える。早く洗う
  3. 3.ガラス製の哺乳瓶はナイロン素材のブラシで、プラスチック製はスポンジブラシで洗う
  4. 4.口部分と底部分には特に汚れが溜まりがち
  5. 5.念入りにすすぎ

哺乳瓶は、使用後すぐに洗うことが基本です。時間が経つとミルクの汚れがこびりつきやすくなり、雑菌の繁殖にもつながります。

まずは自分の手を清潔にし、哺乳瓶を分解して、パーツごとに丁寧に洗ってください。とくに口元や底の部分、乳首の内側などの汚れやすい場所は汚れが残りやすいので、注意が必要です。見落としがちな細かい部分も、専用ブラシを使ってしっかり洗うことをおすすめします。

また、使用する洗剤は家庭用の台所洗剤で問題ありませんが、無香料タイプや赤ちゃん向けの商品を選ぶと、より安心です。

次に使用するまで、しっかり乾燥させることも忘れないようにしてください。水分が残ったまま保管すると、カビや雑菌の原因になることがあります。

哺乳瓶の消毒方法

哺乳瓶を清潔に保ち、赤ちゃんを菌から守るためには、使用する度に消毒を取り入れることが大切です。

消毒の方法はいくつかあるため、生活スタイルに合ったものを選ぶと続けやすくなります。

  • ・煮沸:100℃の熱湯で5分煮る。乳首は3分
  • ・薬剤:ミルトンなどを使用し、1時間以上つけおき
  • ・レンジ:専用ケースなどに水と哺乳瓶を入れて500wで5分

哺乳瓶を食洗機で洗う場合の方法

多くの哺乳瓶メーカーは基本的に手洗いを推奨していますが、食洗機での洗浄も可能な場合があります。実際にパナソニックなどの家電メーカーからは、哺乳瓶の洗浄に対応したモデルも販売されています。

ただし、すべての哺乳瓶が食洗機に対応しているわけではないため、注意してください。

たとえば、耐熱温度が低い哺乳瓶は、食洗機の高温洗浄では破損する可能性があります。耐熱温度はパーツごとに異なるため、使用している哺乳瓶の説明書をチェックし、耐熱温度を確認してみてください。

耐熱温度に問題がなく、食洗機で洗浄する場合は、以下の準備や工夫を行います。

  • ・専用の小物カゴやケースを使う:乳首やフタなどの軽いパーツは水圧で飛ばされやすいため、カゴにまとめて固定すると安心。
  • ・高温モードや除菌モードを活用する:高温洗浄やUVライト照射などの機能があれば、より効果的に除菌できる。
  • ・ほかの油汚れの強い食器とは分けて洗う:ミルクの匂いや油分が移らないようにするため、哺乳瓶だけで洗うのが理想。

食洗機はとても便利な家電ですが、使い方を誤るとパーツの劣化や汚れ残りの原因にもなります。食洗機に頼る場合でも、赤ちゃんの月齢や体調、哺乳瓶の状態を見ながら、必要に応じて手洗いや消毒と併用するのが安心です。

レンジフード

食洗機で哺乳瓶の汚れをきれいに落とすためにできること

ミルクは脂分が多く、食洗機にただ入れて洗うだけでは、ニオイや汚れが落としきれない場合もあります。そこで、洗浄効果を高めるための、ちょっとした工夫をご紹介します。

予洗いをする

哺乳瓶に残ったミルクの脂分は、食洗機では落ちにくいことがあります。

食洗機に入れる前に、ぬるま湯でさっと流すだけでも、汚れ落ちが大きく変わります。

食洗機の配置を工夫する

哺乳瓶は逆さにして、水流がしっかり当たるように配置してください。

乳首やキャップなどの小さなパーツは、専用の小物ケースにまとめると、飛ばされたり詰まったりするのを防げます。

適切な洗剤を選ぶ

食洗機用の洗剤にもさまざまな種類があります。赤ちゃんがいる家庭でも安心して使用できる、無添加・無香料タイプを選ぶのがおすすめです。

高温洗浄&乾燥機能を活用

高温洗浄や乾燥モードがある場合は、ぜひ活用してください。

脂汚れが分解されやすくなるうえ、乾燥までしっかり行えばカビや雑菌の繁殖予防にもつながります。

まとめ|食洗機で哺乳瓶を洗う場合でも消毒・除菌は必要

食洗機は、哺乳瓶を効率よく清潔に保つための便利なアイテムです。ただし、できるのは「除菌」までであり、「消毒」や「殺菌」は別の工程が必要になります。

メーカーの見解を確認しながら、安全に使えるかを判断し、赤ちゃんの月齢や体調に合わせて、手洗いや消毒と組み合わせていくことが大切です。

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