片さん宅 料理編

「ステキ暮らし」第2回目にご紹介するお宅は、料理研究家・片幸子さんの自宅兼キッチンスタジオ。もともと生活の場だった自宅マンションを、スタジオとして利用できるようにリフォーム。料理を仕事にする片さんのこだわりは、真似したいことばかりです。細部にまできらりとセンスが光っていました。

魚醤とライム香る爽やかな“夏鍋”は、湯気まで美味しい!

片さんのキッチンスタジオに取材に伺ったのは8月の上旬。夏真っ盛りの暑い日でした。片さんがお昼ごはんを用意してくれるということに!しかも、メニューは“夏鍋”ということで、取材中も期待に胸が高なります。

取材が一通り終わった頃、片さんの料理がスタートしました。

#榧(かや)のまな板 #包丁 #グレステン

片さん愛用の包丁は、グレステン。まな板は、榧(かや)で作られたものを使っています。

榧(かや)は、碁盤や将棋盤にも使われている希少な高級木材。包丁の刃あたりが良く、硬さも絶妙なのだといいます。抗菌作用があり、水切れも良いので衛生的で料理のプロが選ぶのも納得です。

片さんこだわりのお出汁。この日はかつおと昆布をブレンドしたものに、さらに鯛のアラからとった出汁も加えているそう!

#スケッパー

パンの生地を分割したりするスケッパーは切った素材をまな板からお皿に移すのにも便利そう。片さんが料理をしている様子を見ていると、真似したいことがたくさん出てきます。

#アンティーク皿

お鍋の具材を乗せたこちらの大皿はヨーロッパのアンティーク。「鍋=和食」というイメージから、お皿を選ぶときも和食器を選びがちということが多いのではないでしょうか?

こんなふうに料理のカテゴリーを飛び越えて、料理とお皿の両方を活かせるのはプロの技。

#海鮮 #野菜たっぷり #実家から届いた野菜

この日のお鍋は「タイ風海鮮鍋」。イカやエビ、蛤などの海鮮を中心に、片さんのお母さんが畑で作ったという野菜もたっぷりです。新鮮でカラフルな野菜は、見ているだけで元気が出そう!

鍋と合わせてもう一品。この時期旬のとうもろこしを使用した「小海老ととうもろこしの炊き込みご飯」は、片さんが大好きな土鍋を利用して。

#土鍋 #長谷園 #カレー鍋

土鍋はいくつも持っているそうですが、この日使っていたのは、長谷園のカレー鍋。このお鍋はご飯を炊くのにも適しているのだとか。 「小海老ととうもろこしの炊き込みご飯」は、下のお米が見えないくらいとうもろこしがたっぷり。ポイントはバターを少々入れて炊き上げること。

炊き上がりの時間が近くなるにつれ、良い香りが広がります。

いろいろなお話を伺っているあいだも、片さんの手は止まることなく、30分ほどでお昼ごはんが完成!カウンターキッチン横のリビングスペースにある長机に準備が整い、みんなでいただきます!

#夏鍋 #タイ風海鮮鍋

「タイ風海鮮鍋」は、こだわりの出汁と魚醤の香りが食欲をそそります。

そして脚付きの器に盛られたパクチーは薬味として、各自で好きな量をトッピング。これがあるだけで、一気にアジアンテイストに!

出汁に具材の旨味が加わったスープのおいしいこと!ライムをきゅっと絞っていただくと一気に夏向きの爽やかな味わいに変化します。

片さんの実家でお母さんが作ったという野菜は、甘味があって、新鮮そのもの。海鮮と野菜を食べ尽くした後は、一滴のスープも残さず飲み干したのは言うまでもありません。

土鍋の蓋を開けたときには、おいしそうな湯気に思わず歓声をあげてしまった「小海老ととうもろこしの炊き込みご飯」。

小海老の旨味、とうもろこしの甘味、バターの風味が三位一体に。お代わりまでして、片さんの料理を存分に楽しませていただきました!

ご馳走様です!

そもそもこのキッチンスタジオを作ったのはたくさんの方に「食」を通じた楽しさや驚きを伝えたかったからという片さん。今は新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うように対面のイベントが難しい状況ですが、「料理は実際に見たり、触ったり、香りをかいだり、食べたり…が醍醐味」という気持ちは変わりません、と片さん。

料理を通じて広がる“これから”が楽しみです。