昨今、ルンバなどのロボット掃除機が徐々に普及してきました。便利なロボット掃除機ですが、それが原因で火事が起こることについても話題となりました。共働きの家庭が増えていることや、ロボット掃除機の種類自体が増えてきていることなどもあり、ロボット掃除機は生活に欠かせない存在になってきましたが、どうしてルンバが原因で火事は起こるのでしょうか?

今回は、ルンバが原因で起こる火事について「ルンバのプログラムの誤作動」という観点から説明します。また、ルンバが原因の火事を防ぐ方法についても紹介します。

生活に必須な家電であるルンバの正しい使い方を確認して、安全に使用することを心がけてみてください。

想定外!ルンバの火事はなぜ起きるのか

まず、ルンバなどのロボット掃除機が原因の火事がなぜ起こるのか、その理由を解説します。そもそもルンバにはプログラムが入っていますが、その誤作動により火事が起こる場合があります。

ルンバにはプログラムが入っている

ルンバには、他のロボットや家電と同じようにプログラムが組み込まれています。プログラムとは「このような場合はこうする」というように、ロボット掃除機に指示を出す仕組みのことです。

例えば、ロボット掃除機が部屋の清掃完了後に自動で充電場所まで戻れるのは「部屋の掃除が終わり次第元の位置に戻る」とプログラムが書き込まれているからなのです。これがムログラムの働きです。

プログラムが誤作動を起こすことで火事に繋がる

ルンバをはじめ、ロボット掃除機には多数のプログラムが入っており、動作は全てプログラムに基づいたものになっています。しかし、このプログラムが「想定外」の状況において誤作動を起こした場合に、火事に繋がることがあります。

例えば、冬場にロボット掃除機が電源がついているカーボンヒーターの位置を移動させて、ソファに接触させることでソファが焼けてしまうケースが実際にありました。この一件は、火事にならなかったものの、気づくのが少しでも遅ければ火事になっていたかもしれません。これ以外にも、ロボット掃除機がヒーター等を巻き込んで火事に繋がることは度々起きています。

これら火事に繋がる事故が発生した要因は、そもそもロボット掃除機のプログラムには「住民が不在の部屋で暖房器具の電源がついている」という場合が想定されていません。そのため、ロボット掃除機は「カーボンヒーターがある床の位置を掃除をする場所」として認識しており、カーボンヒーターの有無に関係なく掃除を進めたことにより、火事の危険に繋がったと考えられています。

このように「電源がついたカーボンヒーターが床にあること」はプログラムには入っていないこと、つまり想定外のことのため、誤作動が起きてしまうのです。

ルンバの想定外の火事を防ぐためには

ルンバのプログラムの誤作動が原因で、想定外の火事が起こることがお分かりいただけたかと思います。ここからは、想定外の火事を防ぐ2つの方法を詳しく解説します。

各メーカーの注意喚起をしっかり確認すること

ルンバの想定外の火事を防ぐ方法1つ目は「各メーカーの注意喚起をしっかり確認すること」です。想定外の火事が起きたことから、ロボット掃除機を生産するメーカーは、火事を防ぐための注意喚起を出しています。

アイロボットジャパン合同会社の注意喚起には以下のような記載があります。

・ロボット掃除機本体が接触することで、向きが変わったり、倒れたり、あるいは操作部が押されたりする ことにより、火災、けが、事故、故障をまねく恐れのあるものは、ロボット掃除機の使用前に安全な場所に移動させてください (例えば、石油ストーブ、ガスストーブ、電気ストーブ、扇風機、加湿器など通電した状態の電化製 品各種、それらのホースまたはコード類、火のついたろうそく・たばこの吸い殻等が入っている灰皿、花 瓶) 

・ 上記のものが電気ストーブ、扇風機などの電化製品である場合は、ロボット掃除機の使用前にコー ドを抜いて移動させてください 

・ 火気のある場所や引火性の高いものの近くで使用しないでください 

・スケジュール機能を使用してご不在の状況で使用される場合に、上記に特にご注意ください

アイロボットジャパン合同会社

このように各メーカーは、正しくロボット掃除機を安全に使用してもらうために、火事を防ぐための注意喚起を出しています。火事になってから後悔しては手遅れです。使用する前に、付属の取扱説明書を必ず確認する必要があります。

初回の動作確認がとても重要である

ルンバの想定外の火事を防ぐ方法2つ目は「初回の動作確認をすること」です。ルンバなどのロボット掃除機は、種類によっては外出中にスマホで操作したり、スマートスピーカーを通して電源を入れて掃除を始めることもできます。しかし、初めて使用するときは、外出時ではなく在宅中にその動きを実際に目で確認する必要があります。実際に、どのような動きをして掃除をするのか確認をすることで、火事や事故を防ぐことができます。

例えば、人はルンバがカーペットを「カーペット」と認識して掃除してくれると思っています。しかしルンバは、カーペットを「ゴミ」と認識して巻き込む場合があるのです。他にも、思っていたよりもルンバの押す力が強くて、家具などの位置が移動したり、家具や電化製品が倒れるなど、火事以外にも大きな事故に繋がる可能性があります。

このように、使う人が予想できないことも多く起こり得るのです。初めて使用するときは、実際にその動きを確認して、外出時に使用しても問題がないかをチェックをすることが大切です。

ルンバは、自動で掃除をしてくれるため便利で気軽に使う人が増えてきていますが、手軽さと反して使用時には注意すべき点が多くあります。安全に使用するためにも、こうした動作確認は欠かすことができません。

まとめ

ルンバが原因で起こる火事について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

家の掃除を任せられるルンバなどのロボット掃除機は、今や生活に欠かせない存在となってきました。しかし、ルンバのプログラムに入っていない想定外の出来事が起きると、結果として火事が起きたり、家具が倒れるなどの事故に繋がる恐れがあります。

ロボット掃除機による火事や事故を防ぐためにも、使用前に各メーカーの注意喚起の確認や、ロボット掃除機の動作を実際に目で確認して、正しく安全に使用することが大切です。