フロントガラスの凍結防止に有効な対策|なぜ凍るのか?そのメカニズムについても
2023/11/21
2023/11/21
寒い冬の朝、車のフロントガラスが凍っていた……。そんな経験ありませんか?フロントガラスの凍結を放置した状態で走行すれば、事故につながる危険性も。本記事では、フロントガラスが凍結する原因・条件や対策について解説します。
目次
フロントガラスの凍結は、日中に温められた地表の熱が、夜に大気中へ逃げることで地表の温度が急速に下がる「放射冷却(ほうしゃれいきゃく)」という現象によって起こります。
日中と夜の気温差が大きいほど起こりやすいため、冬だけでなく季節を問わず発生する可能性があります。特に「快晴で雲が少ない」「空気が乾燥している」「風がない」という3つの要素が合わさると「放射冷却」が発現しやすくなるといわれています。
では、実際にフロントガラスが凍結すると、どのようなことが起こるのでしょうか。
フロントガラスが凍結すると、ガラスに霜が降りたような白っぽい状態になります。視界不良となり、安全運転に支障をきたします。
フロントガラスの凍結そのものがひび割れの原因になるわけではありませんが、氷や霜をワイパーやスクレーパーなどで無理やり除去しようとすると、ガラスに傷がついたり、ひび割れたりする恐れがあります。
もし、フロントガラスが凍結してしまったら、下記の方法を試してみることをおすすめします。
最も手軽にできるのが「ぬるま湯」をかける方法です。温度は15〜30℃程度を目安にすると良いです。ただし外気温が低いときは、かけた瞬間に凍ることもあるため、その場合は別の方法を試してみてください。
なお、100℃近くの熱湯をかけてしまうと、急激な温度差によってフロントガラスがひび割れる恐れがあるため注意が必要です。
デフロスター機能とは、フロントドアやフロントガラスの内側の曇りを除去する機能のことをいいます。集中的に温かい空気をフロントドアやフロントガラスへ送風することで、曇りを取り除きます。およそ10〜15分でフロントガラスの凍結を解氷できます。
解氷スプレーまたは解氷剤を使い、凍結を解消する方法もあります。凍ったフロントガラスに吹き付けるだけで、素早く氷を溶かしてくれる優れものです。なかには、撥水膜を形成し再凍結を防止する機能を備えた製品も。市販で1つ400円前後と比較的安価で購入できるため、手軽に活用できます。
先に述べたように、スクレーパーやブラシで除去する際は、力を入れずにゆっくり削り取るのがコツです。スクレーパーの硬度は高いほうが霜取りしやすいですが、反面、車を傷つけてしまう可能性も。気になる方は樹脂素材のスクレーパーを選ぶのが良いです。
フロントガラスが凍結した際の対処法はいくつか存在しますが、ここではやってはいけないこと、NGポイントについて解説します。
ワイパーを動かして無理やり氷や霜を取ろうとすると、フロントガラスを傷つける恐れがあります。また、凍結時のガラス面は凹凸になっており、ワイパーゴムの劣化を早める原因にもなります。
凍結したフロントガラスに熱湯をかけるのはNGです。なぜなら、急激な温度差でフロントガラスが膨張し割れてしまう恐れがあるためです。お湯を使うなら、15〜30℃程度のぬるま湯を使うようにしてください。
フロントガラスは頑丈に作られているため、少し叩いた程度で割れることはありません。しかしながら、何度も衝撃を加え続けると、傷やひび割れの原因につながります。スクレーパーやブラシなどでコンコンと砕いて霜や氷を取り除くことはやめてください。
日頃から、フロントガラスは凍結しないように対策することが重要です。最後に、有効な対策を5つ解説します。
撥水コーティングを施しておけば、万が一フロントガラスが凍結してもスクレーパーやブラシなどで簡単に霜が取れるようになります。また、雨などの水滴を防止する効果も。撥水効果の高さを求めるならシリコン系、効果の持続性を求めるならフッ素系のコーティング剤がおすすめです。
凍結防止シートは、カー用品店や通販サイトで1,000円程度から購入できます。凍結防止だけでなく、遮光機能や防雨・防塵、プライバシー保護などの役割も果たしてくれるため、1年中使えます。凍結防止シートがない場合は、毛布やバスタオルでも代用可能です。
油膜とは、フロントガラスなど車本体に付着した油性汚れをいいます。油膜の成分は、対向車や自分の車が走行中にはね上げた路面の油分や、大気中の排気ガス、溶けたコーティング剤など様々です。油膜が付着したままだと、氷点下を切らなくても凍結が起こりやすくなります。
油膜を除去する方法は簡単で、烏龍茶を浸み込ませた布でフロントガラスを拭くだけ。烏龍茶には油を分解する成分が含まれているため、軽い油膜なら十分に除去が可能です。
氷点下を切る場合は、フロントガラスだけでなくワイパーも凍ることがあります。凍結防止のためにワイパーは立てておいてください。特に前日に降った雨や雪などがワイパーに付着していると、その水滴が凍るため注意してください。
冬場は暖房をかけるため、湿気が多くなります。これにより、車内と外気で温度差が生まれ、フロントガラス内部が凍結することがあります。定期的に窓を開けて蒸発した水分を外に逃がすと良いです。
フロントガラスの凍結は、割と日常的に発生する事象です。しっかり氷や霜を落とさずに運転した結果、よく前が見えずに衝突事故を起こしたという事例もあります。
フロントガラスの凍結を軽視せず、本記事で紹介した凍結防止の方法や、凍結時にしてはいけない行為などを参考にしてみてください。
ARTICLE LIST
2023/12/28
2024/01/11
2023/12/01