浴室乾燥機は、お風呂場を乾燥させてカビが生えにくくしたり衣類を乾燥させたりと、1台あるだけで生活が豊かになる家電の一つです。
そんな浴室乾燥機ですが、設置義務はないため、新築・築浅の賃貸物件でも付いていないことがあります

浴室乾燥機は天井に埋め込んであるため、後付けするのは難しいと思われがちですが、条件さえ合えば簡単に設置できます。

この記事では浴室乾燥機を後付けする方法について、詳しく解説いたします。賃貸物件に後付けする際の注意点についてもあわせて解説するので、賃貸にお住まいの方はぜひチェックしてみてください!

浴室乾燥機

浴室乾燥機とは?

浴室乾燥機とは、浴室内を乾燥させる機械で、一般的には乾燥機能以外にも暖房や換気、送風機能が付いています。
乾燥運転で洗濯物を乾かしたり、暖房モードで冬のヒートショックを防いだりと、日常的に便利な機能が豊富で、多くの家庭用バスルームに設置されています。

マンション・戸建て問わず、天井に埋め込む形の浴室乾燥機が広く普及しているため、浴室乾燥機といえば天井に付いているものを想像する方が多いでしょう。
壁掛けもできますが、埋め込み式の浴室乾燥機の方が機能性が高く、見栄えも良くなります。

浴室乾燥機を後付けする前に確認すること

現時点で浴室乾燥機が付いていない浴室でも、条件が揃えば後付けすることが可能です。

浴室乾燥機を後付けする前に確認する2つのポイントについて下記で解説していきます。

浴室の天井

浴室乾燥機は天井に埋め込むため、天井の形状が最重要になります。
装飾などのない平らな天井なら浴室乾燥機の後付けが可能です。
反対に、フラットでない天井、たとえばアーチ型の天井や梁(ハリ)がある天井、勾配のある斜め天井などは後付けが難しくなってしまいます

また、後付けする際は、多くの場合既存の換気扇を取り外し、換気扇が設置されていた開口部を再利用して浴室乾燥機を設置します。
換気扇は開口部が狭いため、浴室乾燥機設置時には穴を広げなくてはなりません。

一般的な浴室乾燥機の天井開口寸法は、410mm×285mmとされています。
設置したい浴室乾燥機の大きさより少し広い面積が平らであることが後付けするための第一条件とも言えるでしょう。

賃貸の場合は大家さんに確認

賃貸物件にお住まいの場合、浴室乾燥機を後付けする前に大家さんに設置許可を得る必要があります。

賃貸物件は退去時に原状回復の義務があり、借主が汚してしまった壁紙や床を綺麗にするだけでなく、無許可で付けたエアコンや照明器具、浴室乾燥機などの設備も原則元に戻す必要があります。

一般的に、埋め込み式の浴室乾燥機は一度設置したら、そのまま使い続けるものです。
はずして引越し先へ持っていくという機会も少ないでしょう。そのため、賃貸物件に取り付けたら、退去時には、そのまま置いていくことになります。

賃貸物件で浴室乾燥機を設置したい場合は、大家さんに設置しても良いか許可を取ってから動き始めるようにしてください。自費で取り付けを行うと伝えれば、許可してもらえることも多いようです。

万が一、大家さんに断られてしまった場合は壁掛け式を検討しましょう。
壁に穴を開けるタイプの壁掛け式は原状回復が難しいため、換気扇の開口部をそのまま再利用できるタイプの製品をお選びください。

給湯器

賃貸でもできる!浴室乾燥機の後付け工事の流れ

浴室乾燥機が付いていない物件でも、上記でご紹介した条件に合えば簡単に後付けが可能です。
後付け工事の流れは賃貸でも持ち家でもほとんど変わりません。

ここで換気扇のついている浴室に浴室乾燥機を後付け工事する際の流れをわかりやすく解説いたします。

換気扇の取り外し&新規電源配線

まずは現在、浴室の天井に埋め込まれている換気扇を取り外します。
ダクトは再利用するため、ダクトから取り外し換気扇のみを処分します。

浴室乾燥機を新規で設置する際には、新たな専用回路を分電盤に作らなくてはなりません。
分電盤とは、ブレーカーが設置されている機械のことです。
浴室に面している洗面室や脱衣所に分電盤がある場合もありますが、見つからない場合は玄関や廊下などに設置されている可能性もあります。

分電盤のカバーをあけるとブレーカーが見えますが、このブレーカーに空きがない場合は「フリーボックス」を設置することで、電源配線新設に対応することができるようになります。

天井開口工事

換気扇を取り外したら、電源新設工事を行います。
一般的に換気扇用の天井開口部は浴室乾燥機を設置するための開口寸法よりも狭いため『天井開口工事』が必要になります。

基本的には、現在の開口部を広げる形で工事を進めていきますが、照明器具と近すぎる場合など、現在の場所に浴室乾燥機を設置するのが難しい場合は、古い開口部は塞ぎ、新たに開口部をつくることもあります

切り屑が浴室内に飛び散らないようにしっかりビニールなどで養生をしてから開口作業をします。

浴室乾燥機とリモコンの設置

既設のダクトに新しい浴室乾燥機を接続し、天井に埋め込みます。
浴室の壁に浴室乾燥機のリモコンを設置し、最後に浴室乾燥機のカバーをはめ動作確認をし、工事完了です。

後付け工事にかかる所要時間は、おおむね5~6時間程度となります。

浴室乾燥機の後付け工事でかかる費用

浴室乾燥機の後付け工事では、本体費用と取付基本工事費の他に、浴室天井開口拡大費電源新規配線費が掛かります。

浴室天井開口拡大費はおよそ13,000~15,000円前後、新規電源配線費はおよそ18,000~20,000円前後になります。

その他には、フリーボックス設置費や配線延長費が掛かる場合があります。

浴室乾燥機

浴室乾燥機を賃貸物件に後付けで設置するデメリット

賃貸物件にお住まいの方が浴室乾燥機を後付けする場合、いくつかのデメリットがあります。

まず、自費で設置したとしても退去時に持ち出すのは難しいため、長く住む予定がない場合は損した気持ちになってしまうこともあるでしょう。
2〜3年暮らすだけの予定なら、大家さんや管理会社と交渉して後付け費用を出してもらったり、引越しをすることを視野にいれたりしても良いかもしれません。

また、繰り返しになりますが、大家さんに相談せずに設置すると、退去時のトラブルのもとになる可能性が高いです。
必ず設置前に大家さんに相談し、許可を得るようにしてください。

浴室乾燥機の電気代は?

浴室乾燥機は使い方を間違えると、電気代が高くなってしまいます。
一般的な浴室暖房乾燥機の電気代は強乾燥モードで1時間あたり37円になるため、毎日1時間稼働するだけなら1,200円前後の電気代となります。

浴室のカビ対策には1時間で十分ですが、洗濯物を乾かすためなら、2〜4時間の運転が必要です。
雨の日など、洗濯物が乾かない日には便利ですが、毎日使うと電気代がかさむ原因となるのでご注意ください。

月に一度、フィルター掃除をすると汚れが溜まりにくく、電気代を節約できます。

参考:浴室乾燥機の電気代節約のポイント|交換できるくん

まとめ

天井の形状を確認し、大家さんや管理会社の許可が取れれば、賃貸物件でも浴室乾燥機を後付けすることができます。
浴室乾燥機があると、浴室がカビにくくなり、梅雨時の洗濯物の部屋干しも快適になるだけでなく、外に干さないことで防犯の観点からも安心です。

浴室乾燥機

ウォシュレット