エアコンの買い替え時期は?交換目安の耐用年数、寿命前でも交換した方がよい場合
2023/06/26
2023/06/26
我々の生活に欠かせない家電製品であるエアコン。年間を通して使用頻度が高い家電製品ですが、一度購入したらどのくらいまで使い続けられるのか、買い替えの時期に悩みますよね。本記事では、エアコンの寿命や買い替え時期の目安について解説します。
目次
家庭用エアコンの寿命・耐用年数は10年が目安とされています。この根拠としては大きく2つあります。
1つが、設計上の標準使用期間(経済耐用年数)です。
これは、標準的な使用条件において利用した場合に支障なく使用できる期間のことを指します。国内の主要メーカーの多くは標準使用期間(経済耐用年数)を10年と定めています。
もう1つが、補修部品の最低保有期間です。全国家庭電気製品公正取引協議会によって、エアコンの部品は、製造打ち切り後9年以上と定められています。メーカーによって異なりますが、概ね10年前後で保有期間を終了しています。
内閣府経済社会総合研究所(ESRI)が発表した調査によれば、令和2年(2020年)4月から令和3年(2021年)3月の間にエアコンを買い替えた2人以上の世帯では、エアコンの平均使用年数は13.2年でした。
さらに買い替えの理由として、上位モデルへの買い替えや引越しなどの理由もありましたが、「エアコンの故障」が最も多く、65%を占めていました。
参照:消費動向調査 令和3(2021)年3月実施分/内閣府経済社会総合研究所 景気統計部
では、実際にエアコンにどのような症状が現れ始めると、買い替えを検討したほうが良いのでしょうか?ここでは、エアコンの寿命を示すサインを5つご紹介します。
わかりやすいサインは、冷房・暖房の効き目や性能が悪くなることです。
どれだけ設定温度や風量を変えても、部屋が暑い・寒い場合は、エアコンのフィルターにホコリや汚れが溜まって、風の通りが悪くなっていることも考えられます。
ちなみにエアコンを稼働すると、エアコン内部を冷媒ガス(フロンガス)が循環して温風や冷風を送風します。しかし、エアコンが老朽化してくると、この冷媒ガスが漏れることがあり、その結果、冷暖房の効き目が悪くなるパターンもあります。
エアコンから異臭がする場合、フィルターの奥にカビが発生している可能性が高いです。エアコン内部は結露が発生しやすく湿度が高いため、カビが繁殖しやすい条件が揃っています。
カビの他にも、魚やお肉を焼いたことによって染みついた油や、タバコの煙などが原因で、異臭が発生している場合もあります。
エアコンを稼働したときに、異音がする場合は注意が必要です。ブゥーンという大きな音や、明らかな異音がするのであれば、室外機のコンプレッサー(圧縮機)や、室内機の送風ファンの故障などが考えられます。
電源を入れてもエアコンが稼働しなければ、エアコン本体、もしくはリモコンの不具合による原因が考えられます。まずエアコンのコンセントがしっかり刺さっているか、リモコンの電池が切れていないか確認してください。
リモコンが作動するにもかかわらず、エアコン本体が反応しないときは、リモコンではなくエアコン本体に問題がある可能性が高いです。
エアコンからポタポタと水が落ちてくるときは、エアコンの水を外に排出するドレンホース(排水ホース)が詰まっていたり、曲がっていたりすることが原因のことも。
また、そのほか熱交換器に汚れが溜まる、エアコン内部のフィルターがホコリで目詰まりしているといった場合も、水漏れの原因になります。
エアコンの不具合や不調は、必ずしも寿命だけではなく、エアコンやリモコンの設定ミスや、不十分なメンテナンスによって起こっている場合もあります。「調子が悪いからエアコンを買い替えようかな」と考える前に、下記のポイントを確認してみてください。
霜取り運転とは、エアコンで暖房を稼働中に、室外機に付いた霜を溶かしながら運転する動作です。室外機に霜が多く付いていると、暖房効果が弱くなってしまうため、大半のエアコンでこの機能が搭載されています。このとき、室内機から水が吹き出るような音がしますが、故障ではありません。
リモコンの電池切れで、エアコンが稼働しないこともあります。特に、リモコンの液晶表示が薄くなっていたら、リモコンの電池が切れている証拠です。
リモコンのボタンを押してもエアコンが反応しない場合、まずはリモコンの電池を新しいものに交換します。電池のプラスマイナスの向きが正しく入っているかも要確認です。それでもリモコンが作動しなければ、リモコンのセンサーが壊れているかもしれません。
スマートフォンのカメラを起動し、カメラに向けてリモコンのボタンを押してみます。もし、正しくセンサーが作動していたら、スマートフォンに映るリモコンの送信部が赤っぽく光ります。光が映らなければ、リモコンのセンサーが故障している可能性が高いです。
そもそも、エアコン本体の電源が入っていないために作動しないパターンもあります。長らくエアコンを使わないときはコンセントを抜いておく方も多く、久々に使うときにコンセントを入れ忘れていることも。久しぶりにエアコンを立ち上げる際は、コンセントがしっかり奥まで刺さっているか確認をすることをおすすめします。
エアコンを稼働しているのに冷房・暖房の効きが弱い場合は、室外機の排気口が塞がっていないか確認してください。
室外機には、部屋から取り込んだ空気を外に排出する排気口があります。排気口のそばに、ゴミ袋やバケツ、掃除用具、ダンボール箱などが置いてあると、室外機から空気が放出されなかったり、放出された空気を再び吸い込んでしまったりすることがあります。
放出された空気が排気口に戻ってしまう現象を「ショートサーキット」とよび、ショートサーキットによって冷暖房の効き目が弱まることがあります。
室外機の排気口付近は、最低でも30cmの空間を作ることが推奨されています。特に寒冷地では、大雪が積もることで排気口が塞がれてしまうケースも多いので注意が必要です。
エアコンは決して安い金額ではないため、一度購入したらなるべく長く使い続けたいもの。ここでは、エアコンの寿命を伸ばす使い方をご紹介します。
まず、普段からエアコンを定期的に掃除して、きれいに保つことです。特に、エアコン内部や室外機は、普段の生活で点検することも少なく、汚れに気付きにくいです。掃除機でフィルターのホコリを取ったり、室外機周辺をきれいにしたりしておくことで、エアコンにかかる負荷が減り、長持ちしやすくなります。
適切な温度設定も重要です。室温に対して極端な温度設定にすると、エアコン本体に負荷がかかり、エアコンの寿命を縮めることになりかねません。
環境省が推奨する室温は、夏季で28度、冬季は20度です。これはあくまでもエアコンが稼働中の室温の目安で、エアコンの設定温度ではありません。
この室温を目安に、室温と設定温度が極端に乖離しないように心掛けるだけでも、エアコンは長持ちします。
参照:エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
春や秋など、エアコンをあまり稼働させない時期は、エアコンにホコリが溜まりやすくなります。エアコンの外側やフィルターに溜まったホコリは冷暖房の効きを悪くさせ、エアコンに負担がかかります。長期間使用しないときは、エアコンに布などカバーをかけて、ホコリが付着しないようにするのがおすすめです。
室外機を置く場所にも注意が必要です。室外機に直射日光が当たりすぎると、熱を放出しにくくなります。室外機の上に日差し避けカバーを置いたり、日陰に置いたりするのがベターです。
また先に述べたように、室外機の排気口が塞がっていると、冷暖房の効き目が悪くなります。排気口の前は30cm以上空けます。
室外機の背面も、壁や建物から10cm以上を目安に離すようにしてください。
いざエアコンを買い替える場合、どの時期がベストか迷うかもしれません。できれば費用を抑えて購入したい一方で、タイミングを逃すとあっという間にエアコンが必要な季節になることも。最後に、エアコンのおすすめの買い替え時期を解説します。
基本的に、エアコンを購入するタイミングは夏シーズンが始まる前が多く、在庫過少となり値段が高めに設定される傾向があります。そのため、需要のピークを過ぎた8〜10月を狙うのがおすすめです。
上位モデルや最新機種でなくても十分な方は、2〜3月もおすすめです。2〜3月はエアコンのモデルチェンジ期で、特に低~中グレードの型落ちモデル・旧モデルが安く買えるようになります。
前述のとおり、国内のメーカーは、エアコンの最低保有期間を製造打ち切り後10年間に設定していることが多いです。補修部品の在庫がないため、万が一壊れると修理対応ができなくなる恐れがあります。保有期間が過ぎたエアコンは、新たに買い替えを検討しても良いかもしれません。
古いエアコンはどうしても消費電力が大きくなり、電気料金が上がりやすくなります。近年では、省エネ機種のエアコンが販売されており、思い切って新しいものに買い替えたほうが、結果的に節電できるかもしれません。
新しいエアコンと、現在使用中のエアコンを比較してみて、電気料金が下がる・節約できるならば、新しいエアコンに買い替えるのが得策です。
エアコンは安い買い物ではないため、買い替えや交換をためらう方も多いかもしれません。しかし、今お使いのエアコンの状態によっては、思い切って交換する方がお得になることもあります。
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