エアコンを使用していると「ポタッ!」っと室内機の吹き出し口から水滴が垂れることがあります。

故障かな?と心配になりますが、この水滴はエアコンの結露が原因です。
結露が垂れてくるのは故障ではありませんが、放置していると故障の原因となってしまいます。

この記事では、エアコンの結露が起こる原因と対処法、結露の予防法について解説いたします。

エアコンの結露とは

「エアコンに結露が出来る」というと、なんだか良くない事象のように聞こえますが、実は、除湿や冷房運転時にエアコン内部で結露が発生するのは通常の仕様です。

エアコンの除湿・冷房機能は、熱交換器に室内の空気を通すことで、熱や水分を奪います。
熱交換器に空気が通り冷却されると、空気中の水蒸気が行き場を失い液体として熱交換器に付着します。
これが「結露」の正体です。

湿度が高い梅雨の時期や設定温度と外気温の差が激しい時などは、多量の結露が発生します。

通常、結露はドレンパンに溜められて、ドレンホースを通り外に排出されます。
この時に、なんらかの原因で結露が上手く排出されないと、室内機から結露が垂れてしまうのです。

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室内機から結露が垂れる5つの原因と対処法

エアコンの室内機から結露が垂れる主な原因は以下の5つです。

  • ・ルーバーの向き
  • ・ドレンホースの詰まり・不具合
  • ・ドレンパンの詰まり・破損
  • ・熱交換器が汚れている
  • ・エアコンが正しく設置されていない可能性も

それぞれ詳しくみていきましょう。

ルーバーの向き

エアコンのルーバー(風向板)の向きが適切でない場合、冷気が直接室内機に戻ってしまい、結露が発生することがあります。

たとえば、ルーバーが真下に向いていると、冷気が下向きに吹き出したあと、床から反射した冷気が再び室内機に戻ってしまうため、結露が発生しやすくなります。

吹き出し口付近は、室内の暖かい空気とエアコンから出る冷たい空気との差で、ただでさえ結露ができやすい場所です。
ルーバーに結露ができてしまう場合は、ルーバーの向きを調整し、冷気が部屋全体に均一に広がるように設定するのが好ましいです。水平〜やや上向きにくらいの角度に設定すると効果的です。

冷え性の方など、冷気を直接身体に当てたくない方は、風避けカバーを設置すると結露対策をしつつ、ルーバーの角度を適切な角度に調整しやすくなります。

ドレンホースの詰まり・不具合

エアコンのドレンホースが詰まっていると、結露水が上手く排出されず逆流し、室内機から水滴が垂れてくることがあります。
大きめの水滴がポタポタ垂れてきたり、小さじ1〜2杯分くらいのまとまった水が飛んでくることも。

外にあるドレンホースが曲がっていたり、汚れが詰まっていたりすることが原因です。
ドレンホースの詰まりを確認し、清掃すると解消されます。

ドレンホースの先端に詰まりがないか、室内機の周りに落ち葉やゴミが落ちていないか確認してみるのも良いですね。
詰まりが取れない場合は、サクションポンプをつかい、中のものを取り出すと詰まりが解消されます。

ドレンパンの詰まり・破損

ドレンパンとは、熱交換器の真下にある容器で、エアコン内部で発生した結露水を集める役割を果たしているパーツです。
ドレンパンは自分でお手入れできないパーツですが、水を貯めるという性質上、エアコン内部のホコリやカビが溜まってしまったり、劣化してしまうことがあります。

ドレンパンの詰まりや劣化による破損は、自分で治すことができません。
エアコンを分解して交換・修理しないといけないため、業者に依頼して確認・修理してもらう必要があります。

ドレンパンの詰まりを防止するためには、日々のお手入れでフィルターや熱交換器にホコリやカビが溜まらないようにするのが一番です。
フィルターや熱交換器が綺麗なら、ドレンパンに汚れが溜まることはほとんどあり得ません。

熱交換器が汚れている

エアコンの熱交換器が汚れていると、結露水が汚れに付着してしまい、ドレンパンに溜まりにくくなります。
送風ファンにより、結露が飛ばされ、小粒の水滴が飛んでくる時は要注意です。

熱交換器に汚れが蓄積すると冷暖房効率も低下してしまいます。

熱交換器もドレンパン同様、自分ではお手入れできないパーツです。
市販のエアコンクリーナーを使ってお手入れすることもできますが、メーカーは推奨していません。

懐中電灯などで照らし、中が汚れていたら、業者によるクリーニングを頼むかエアコンを買い替えるのが得策です。

熱交換器に汚れをためないためには、フィルターなど自分で簡単にお手入れできる部分をこまめに掃除し、ホコリを溜めないことが重要です。
ハイグレードモデルだと、熱交換器の洗浄機能がついたモデルもあるので、買い替え時には検討してみるのも良いかもしれませんね!

エアコンが正しく設置されていない可能性も

上記に当てはまらないのに結露が室内に垂れてくる場合、エアコンが正しく設置されていない可能性もありえます。

エアコンは、室内機からドレンホースを通り、外に排水する仕組みですが、室内機が傾いていたり、ドレンホースの配管の勾配が逆勾配になっていたりすると、水が正しく流れなくなってしまいます。

室内機と壁の間から水が出てきた場合など、設置したばかりなのに水が垂れてきたら、設置方法が正しくない可能性を検討してみると良いかもしれません。
設置業者に問い合わせてください。

また、新規でエアコンを設置する場合には、信頼できるエアコン取り付け業者に依頼することが重要になります。
工事保証のある業者に依頼すれば、さらに安心です。

エアコンの結露を予防するには?

エアコンの結露を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?

3つの予防策をご紹介いたします。

除湿機能を活用する

エアコンの除湿機能を活用することで、室内の湿度を下げることができます。
蒸し暑い日には、冷房機能を使うよりも除湿機能を使った方が湿度が下がり、結露の発生をコントロールしやすくなるのです。

結露防止のために除湿機能を使用する際には、設定温度を低くしすぎないように注意してください。

設定温度を見直す

真夏など、暑い日に外から家に帰ってくると、ついついエアコンの設定温度下げてしまう…という方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、外気温と設定温度の差が開けば開くほど、結露が発生しやすくなります。

なるべく設定温度は25度〜28度程度に設定することで、結露を防止できます。

最近では、スマホアプリを使って外出中でもエアコンをオンにできる機種も増えています。
帰宅前にリモートでエアコンをつけておけば、設定温度を下げなくても、帰宅直後から快適な室温ですごすことが可能です。

フィルター掃除・内部クリーンを行う

フィルターが汚れていると、風の通り道が狭くなり、エアコンの冷暖房効率が低下してしまいます。
その結果、吹き出し口に必要以上に冷たい空気があたり、結露が発生しやすくなってしまうのです。

また、内部クリーンを適時行うことで、熱交換器やドレンパンなどを乾燥させ、汚れがつくのを防止することができます。

エアコンの結露を放置するとカビの原因に

エアコンの結露を放置すると、カビが発生する原因となります。
フィルターや吹き出し口に黒い点々がある場合は要注意です。

カビが発生すると、カビの胞子がエアコンの風にのって部屋中にひろがります。
喘息やアレルギーなど健康被害を引き起こすリスクもあるため、結露が垂れてきたら、早めに対策をする必要があります。

まとめ

エアコン内部に結露が発生するのは自然な現象ですが、ルーバーや吹き出し口に結露が出てる場合は、注意が必要です。

結露ができないよう、ルーバーの角度を調整したり、エアコン内部に不調がないか確認するなど、早めの対策をしてみてください。

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