年々、暑さがひどくなる昨今、エアコン無しでは夏を乗り切れなくなってきましたね。
とはいえ、エアコンを使いすぎると電気代に直結し、家計が苦しくなってしまいます。

電気代を抑えつつ、快適に過ごすためには『設定温度』が重要です。

この記事では、エアコンの設定温度の適温とエアコンを賢く使うコツをご紹介します。
夏の冷房・冬の暖房、それぞれの設定温度の目安をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

エアコンの設定温度はかなり重要!

エアコンを使う際には、設定温度が室内環境を大きく左右します。
設定温度を正しく設定することで、室内を素早く適温にし、過ごしやすい空間を保つことができるのです。

一般的に、夏の室温は25℃~28℃、冬の室温は18℃~21℃が過ごしやすいと言われています。
外気温に左右されず、室温を適温に保つにはどうすれば良いのでしょうか?

夏の冷房・冬の暖房、それぞれ設定温度の目安をご紹介いたします。

【夏】設定温度の適温は28℃じゃない!

2005年にクールビズがスタートした際に、服装を変えることで、「これまでよりも冷房の設定温度を高くし、エコに貢献しよう。」という流れが生まれました。
この時に多くの団体が「エアコンの設定温度を28度にする」という選択をし、広く一般にも浸透しました。

しかし、現在では度々話題にもなりますが、この28度というのは「室温の目安」として環境省が発表した数値であり、設定温度の数値ではありません。
設定温度を28度にすると、外気温が高い日は特に、室温が下がり切らず、30度前後の室内で過ごさなくてはいけなくなってしまいます。

そのため、エアコンの設定温度を28度にするのではなく、室温を28度前後で保てるような設定温度にすることが大切です。
直射日光が入る部屋なら、設定温度は25度〜26度程度まで下げないと、室温は28度になりません。
また、広めの部屋や吹き抜けのあるリビングなども、設定温度を低めにしないと室温が上がりやすい場所といえます。

体感温度を下げるように意識してみる

日本の夏は高温多湿になる傾向が高く、人間は湿度が高いと暑く感じます
というのも、湿度が高いと、汗が蒸発しにくく、体温を下げにくくなるからです。

また、無風状態も汗をかきにくく、暑さを感じやすい条件のひとつといえます。
さらに、無風・多湿の環境下では、熱中症の危険性も高くなり、危険です。

外気温が高くなく、湿度が高い日は、除湿運転をしてみたり、サーキュレーターを併用してみるなど、一工夫で体感温度を下げると過ごしやすくなります。

【冬】室温20℃が目安

暖房の場合は、室温が20度前後になるように、設定温度を調整します。
外の環境によっても異なりますが、設定温度は22度〜24度程度が適切といえるでしょう。
ただし、外の気温が0度近い時などは、もう少し設定温度をあげるか、他の暖房器具を併用するのが効果的です。

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エアコンの設定温度と電気代の関係性

エアコンは設定温度の設定により、消費電力を抑えることができます。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、冷房時に設定温度を1℃あげると、1ヶ月間で約171円の節約に、暖房時設定温度を1℃下げると、1ヶ月間で約300円の節約につながるそうです。

また、冷房時に設定温度を1℃上げると約13%、暖房時に設定温度を1℃下げると約10%の消費電力を削減できます。

外気温と設定温度の差が少なければ少ないほど、消費電力を抑えることができるため、うまく調節し、省エネ・節約しつつ、快適な空間を作り出すことが重要です。

エアコンの設定温度を抑えるコツ

エアコンの設定温度を抑えるためには、室内の温度を上手にコントロールするのがポイントです。

エアコンの設定温度を抑えても、快適に過ごせる6つのコツをご紹介します。

体感温度と湿度を意識する

エアコンの設定温度を抑えるためには、まず体感温度と湿度を意識することが重要です。

体感温度とは、実際の気温と湿度を合わせた際に人間が感じる温度のことを指します。
たとえば、高い湿度だと汗が乾きにくく体感温度が上昇し、同じ気温でも低い湿度だと、汗がすぐに乾きベタベタ感がなく、体感温度も下がります。

外の気温が高くないけれど、湿度が80〜95%と高い日には、エアコンの除湿機能を活用して湿度を下げることで、設定温度が高くても快適に過ごすことができるのです。

たとえば、設定温度を28度にして除湿機能を使うと、設定温度25度の冷房時と同程度の快適さで過ごせることがあります。
乾燥しやすい冬なら、加湿器で室内の湿度を適切に調整することで、体感温度を高め、過ごしやすくすることが可能です。

サーキュレーターを活用する

サーキュレーターを活用すると、室内に空気の流れが生まれるため、冷房効率を高めることができます。
エアコンの冷気は、足元に留まりやすいため、部屋の角に置いたサーキュレーターを使い、冷気を部屋全体に循環させることで、室温が下げることができます。

さらに、冷え性の方は、エアコンの風が直接体に当たると、末端が冷えてしまいますが、サーキュレーターを使えば、風向きの調節も簡単です。
また、温かい空気をエアコンが冷やしやすいといったメリットもあります。

タイマー機能で無駄なく過ごす

自分で設定温度を変更しにくい就寝時などは、タイマー機能を活用すると、快適に過ごすことが可能です。
タイマー機能を使えば、設定温度を変えなくても部屋が十分に冷えた後や温まったあとは、冷暖房をオフにすることができます。

さらに、起きる前に冷暖房をつけることで、寝起きも快適に過ごせるでしょう。

帰宅時に部屋が暑いのが嫌だという方は、帰宅前に冷房運転が着くようにタイマーをかけると良いかもしれません。
最新機種の中には、スマホから遠隔操作できるものも増えているので、帰宅前に電源を入れておけば、家に帰る頃には室温が適温になっているはずです。

タイマーでゆるやかに室温調整をすれば、設定温度をこまめにいじらなくても、快適に過ごせます。

フィルター掃除をする

エアコンのフィルターが汚れていると、冷暖房効率も下がってしまいます。
「エアコンの効きが悪い」と感じる時には、エアコンのフィルター掃除をしてみると良いかもしれません。

フィルターが目詰まりしていると、風の通り道が狭くなってしまいます。
フィルターを取り外してホコリを落とすと、冷暖房効率が戻るはずです。

お掃除機能付きのエアコンの場合は、お掃除機能をONにして、フィルターや熱交換器の汚れを落としてみるのもオススメです。

こまめなON/OFFは逆効果

電気代を節約しようと、こまめに冷暖房をON/OFFする方もいらっしゃいますが、実はそれ、逆効果になってしまいます。
エアコンは電源を入れる時に一番電力を使います。

また、最近のエアコンは部屋の温度をキープすることができるため、室温が設定温度付近まで近づくと、風量などを調整して運転しています。
こまめに電源を切ると、運転していない間に室温が変化してしまい、効率が悪くなってしまうのです。

冷えすぎる時は設定温度を高くする、暑すぎる時は下げるなどして、ちょうど良い設定温度を見つけると、つけっぱなしでも快適に過ごせます。

最新式のエアコンに買い替える

10年近く前のエアコンをお使いの方は、最新式のエアコンに買い替える良い機会かもしれません。
最新式のエアコンは、省エネ機能が優れているうえ、自動お掃除機能やカビ防止機能など、さまざまな便利機能がついています。

さらに、冷暖房効率も大幅に向上しているため、従来のモデルと比較し、同じ冷房能力でも消費電力が少なく済む傾向にあります。

故障するのを待つのではなく、オフシーズンに買い替えておくと、お得に買い替えが可能です!

まとめ

エアコンの設定温度について解説しました。夏は室温が28度、冬は室温が20度になるように設定するのが目安です。適切な設定温度にすれば、電気代もそこまで高くなりません。

設定温度をマスターして、一年中快適に過ごしましょう!

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