レンジフードの高さはどれくらいがベスト?決め方や注意点を解説
2024/02/28
2024/02/28
キッチンの印象を大きく左右する「コンロ」と「レンジフード」。なかでもレンジフードの高さは、調理中の利便性を考慮するうえでも、非常に重要な要素になります。
レンジフードの高さが低いと、うっかり頭をぶつけてしまうリスクが高まりますが、火元から離れすぎると換気能力が低くなってしまうのです。
この記事ではレンジフードの高さの決め方や設置時の注意点について解説いたします。
目次
レンジフードは形状や機能性も当然大切な要素ですが、高さもしっかり考えて決めなくてはいけません。というのも、一度設置してしまえば、高さは簡単に変えられないため、動線や調理時の動きを想像し、最適な高さに決める必要があります。
とはいえ、高すぎても低すぎてもデメリットがあるので、極端に高くしたり低くしたりすれば良いものでもないのが難しいところです。
ここでは高さの違いによるメリット・デメリットを解説いたします。
レンジフードの高さを高めにすると、調理中に頭をぶつける心配がなくなります。背の高い人にとっては大きなメリットといえますね。
また、キッチンが広くない場合は、レンジフードを高くすることで、圧迫感を減らすこともできます。
レンジフードは、なにかと邪魔になりがちなので、「できるだけ高くしてしまった方が良いのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、高い位置に設置しすぎると、換気効率が落ちてしまいます。
コンロからレンジフードまでの距離が離れれば離れるほど、湯気や煙、ニオイなどが換気扇にたどり着く前に拡散しやすくなるのです。特に、IH式のコンロの場合は、ガスコンロと違い上昇気流を発生させないため、レンジフードが高すぎると、調理中の換気が難しくなってしまいます。
さらに、レンジフードに換気扇のスイッチがあるタイプの製品だと、背の小さい方やお子さんがお使いの際にスイッチを入れられなかったり入れにくかったりするのもデメリットの一つといえるでしょう。
レンジフードを低くすると、換気性能が高くなるのが一番のメリットです。最近主流のオープンキッチンや対面キッチンだと、調理中にでた煙や湯気が部屋中に行き渡りやすいため、換気扇ですぐに排気する必要があります。
IHコンロをお使いの場合は、特に換気扇の位置を低めに設定すると換気効率が高まります。アイランドキッチンは、防火面や油はねの汚れリスクを防ぐために、IHコンロが主流です。IHコンロ+アイランドキッチンの場合は、なるべく低めにすると、快適に過ごしやすくなるでしょう。
また、低い位置に設置するとお手入れも比較的楽になります。
レンジフードを低めに設置すると、調理時に邪魔になりやすいのがネックです。背の高いご家族がいらっしゃる場合は、特に要注意。うっかり頭をぶつけると、怪我のおそれもあります。
また、天井が下がっているように見え、圧迫感も生まれてしまいます。小さめのキッチンの方は、特に圧迫感が気になりやすいと言われています。
ここまでレンジフードの高さによる使い勝手の違いを解説いたしましたが、実はレンジフードの高さは私たちが勝手に決めることはできません。建築基準法を消防法、二つの法律によって細かく定められているため、その範囲内で決めなくてはならないのです。
建築基準法によると、コンロなど火の元からレンジフードの下端までの距離は100cm以下でないといけません。つまり、高すぎる位置に設置するのはNGということになります。
一方、消防法では火事防止の観点から、コンロなど火の元からレンジフードの下端までの距離は80cm以上ないといけないと定められています。
二つの基準を満たすためには、コンロから80cm以上、100cm以下の間でレンジフードを設置することになります。
レンジフードの高さは、基準の範囲内であれば自由に決めることができます。そのうえで、何をもとに高さを決めれば良いのでしょうか?
レンジフードの高さを決める時に基準にしやすいポイントを2点紹介いたします。
まずはご家族や主にキッチンに立つ方の身長を把握し、合わせると利便性の高いレンジフードの高さを見つけやすくなります。
たとえば、ご夫婦で暮らす家の場合で、キッチンを使う頻度が高いのが奥さんの場合、奥さんの身長プラス5〜6cmの高さにレンジフードの下端がくるよう、シミュレーションしてみます。その場合、カウンターの高さも奥さんの身長に合わせると、レンジフードの高さを程よい位置にしやすくなるでしょう。
ただし、奥さんと旦那さんの身長差がある場合は、背の低い方基準でレンジフードの高さを決めると、背の高い方が頭をぶつけてしまう可能性も。全くキッチンに立たない場合は別ですが、そうでないのなら、安全のため、頭をぶつけにくい高さに設定すると安全です。
ご夫婦で身長差があると、背の低い方が換気扇のスイッチを押しにくくなってしまうという問題もあります。その場合は、レンジフードと連動機能のあるコンロを選ぶと、火をつけると自動で換気扇や電気がONになるため便利です!
最近では、リビングよりもキッチンの天井を下げることで、リビングに開放感を持たせる間取りが人気です。キッチンの天井が低くなると、レンジフードの高さにも影響がでてきます。
キッチンの天井高が一般的な天井高より低めの2300mmとすると、レンジフードの高さがおよそ45cm程度と仮定すると、天井ギリギリに設置しても床から185cmのところにレンジフードの下端がくることになります。背の高い方だと頭をぶつけてしまう可能性もありますね。
天井高が高い分には、幕板で調整できますが、低いとレンジフードを高くするのにも限界があるため、設置時には注意が必要です。
カウンターの高さとレンジフードの高さを考慮して、天井高を再考してみるのも一つの手と言えるでしょう。
最後にレンジフードの高さに関するよくある質問をまとめました。
レンジフードの高さでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
現在設置しているレンジフードが低くて邪魔な場合、レンジフードの交換で高さを調整することができます。シロッコファン式のレンジフードの場合は、排気(ダクト)の状況によって調整できない場合もありますが、プロペラ式のレンジフードの場合は比較的高さを調整しやすいため、リフォームでちょうど良い高さに直すことが可能です。
コンロをガスコンロからIHに交換した際など、レンジフードの高さを変えるべきか悩む方が多いようです。ガスコンロと違い、IHはコンロ周辺の空気があたたまりにくいため、上昇気流が発生しにくく、換気扇までニオイや煙が届きにくい特性があります。
特に現状困っていなければ高さを変える必要はありませんが、IHのほうが低めのレンジフードと相性が良いのは確かです。IHに変えてから部屋のニオイが気になったり、換気性能が落ちた気がする際には、レンジフードを下げてみると良いかもしれません。
レンジフードの高さ決めは、キッチンで快適に過ごすために重要な要素です。レンジフードを設置する際には、ぜひ参考にしてみてください!
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