床暖房はつけっぱなしで大丈夫?電気代の差額や火事のリスクについて
2023/11/10
2023/11/10
冬の暮らしを快適にする床暖房は、とても便利な機器です。しかしエアコンと比べて電気代が高額な点が、大きなデメリットといえます。
床暖房の電気代を節約するにあたって「つけっぱなしにしておいたほうが安い」という内容を耳にしたこともあるかもしれません。
床暖房をつけっぱなしにして節約できるかどうかは、床暖房の使い方によって異なります。
この記事では床暖房をつけっぱなしにした際の電気代と発生するリスク、つけっぱなしにする以外での電気代の節約方法について解説します。床暖房をより賢く活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
床暖房には、大きく分けて電気式と温水式の2種類があります。
電気式は電熱線を床下に通し、床を温めるタイプの床暖房のことを指します。初期費用が安価で部分的な設置もできるオーソドックスなタイプですが、ランニングコストが温水式よりも高い点がデメリットです。
温水式は、お湯を床下に巡らせて、床を温めます。ランニングコストが電気式よりも安く広い面積を温めるのに長けたタイプですが、初期費用は高額になりがちです。また、部分的な設置にも向かないため、広い範囲に床暖房を取り入れたい場合におすすめします。
床暖房を導入するにあたって、気になるのが電気代です。以下は、床暖房をつけっぱなしにした場合の電気代の目安です。
電気式と温水式で電気代に倍ほどの差が出ていることがわかります。
製品名 | 種類 | 設定温度 | 24時間つけた場合の電気代/日 | 24時間×30日の電気代/月 |
Panasonic 電気式床暖房システムYouほっと | 電気 | 30℃ | 780円/日 | 約2万3,400円 |
Panasonic ヒートポンプ式床暖房システムYou温すい | 温水 | 30℃ | 450円/日 | 約1万3,500円 |
床暖房を使用する時間は朝や夜の家族が集まるだけ、という家庭も多いかと思います。
1日8時間ほど、Panasonic「電気式床暖房システムYouほっと」を使用した場合、1ヶ月の電気代はおよそ3,500〜7,800円ほどです。
電気代の使用料金は、床の面積や設定温度によって異なります。
ちなみに、同じくPanasonic製の「ヒートポンプ式床暖房システムYou温すい」を1日8時間使用した場合、1ヶ月の電気代は4,500〜5,800円ほどになります。
「床暖房は24時間つけっぱなしのほうが安くなる」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
エアコンに関して同じ噂があることから、床暖房もあてはまる、と考える方もいるかもしれません。
しかし床暖房もエアコンも「つけっぱなしのほうが安くなる」というのは、短時間で電源をつけたり切ったりする場合のみです。
エアコンも床暖房も、電源を入れ始める際、部屋を設定温度に近づけるために電力を多く使用します。ある程度部屋が涼しくor暖かくなると、エネルギーの消費量が減り、以降は安定した状態を保ちます。
そのため、1時間ほどの外出であればつけっぱなしにしておいた方が、電気代を抑えられます。長時間外出をするのであれば、床暖房・エアコンは消して出かけたほうが無難です。
床暖房をつけっぱなしにすることで、火事にならないか不安を抱える方もいるかと思います。
床暖房には、温度調節センサーや過昇温防止センサーが付いています。床が熱くなりすぎると自動で温度を調整する機能が備わっているため、火災の心配はありません。
また、床暖房の温度は、60℃が限界です。60℃の温度では、紙や木は燃えないため火事になることはありません。灯油や軽油の引火点は60℃前後とされていますが、暖房機器やポリタンクに入っている状態であれば問題ないといえます。
安心して、床暖房を使用してください。
床暖房で火事になる心配はほとんどありませんが、酷使すればその分、寿命が短くなります。床暖房を長く使用するためには、なるべく不用なシーンでは電源を切ってください。
また、床暖房をつけっぱなしにすることで、ペットが低温やけどを負う可能性もあります。とくに足が不自由な動物の場合、ずっと同じ姿勢で過ごしてしまいやすいため注意が必要です。
ペットを飼っている家庭で床暖房をつけっぱなしにする場合は、設定温度は低めにすることを意識してください。また、ペットのそばに涼める場所も用意しておくと安心です。
床暖房をつけっぱなしにしていると、部屋の空気が暖まると同時に乾燥が促進されます。
乾燥が進むと風邪や肌トラブルの原因となるため、加湿機を併用するのがおすすめです。加湿機がない場合は、濡らしたタオルを室内に干しておくだけでも乾燥対策になります。
床暖房をつけっぱなしにしておくことは、条件次第では節約に繋がります。
しかし他の電気代の節約方法を用いることで、さらに床暖房の消費電力を抑えられます。
床暖房は製品によっては、省エネモードが搭載されています。省エネモードは設定温度に達したら、エネルギー消費量を自動で抑える機能のことです。
製品に省エネモードが備わっている場合は、活用しましょう。
床暖房は設定温度によっては、電気代が高額になってしまいがちです。設定温度を低くして、他の暖房機器と併用することで、総合的な電気代の削減につながります。
たとえば、灯油ヒーターは灯油代がかかりますが、電気代は安価です。そのほかにも、電気で温まる膝かけやスリッパなどもあります。
上手に活用して、床暖房の設定温度が低くても快適に過ごせる工夫を取り入れてみてください。
床暖房で部屋を温めるスピードや効率性は、住まいの断熱性能に左右されます。
より効率良く床暖房を活用するのであれば、家の断熱性を見直してみてください。壁や屋根、床などの断熱リフォームは大がかりな工事になりますが、窓や扉の断熱工事であれば短期間で終わるケースもあります。
大規模なリフォームを検討していない方は、まずはできる部分から断熱工事を始めてみてはいかがでしょうか。
床暖房の上に物が置いてあると、床の温かな空気が部屋を循環しにくくなります。床暖房の上にはなるべくカーペットや家具を置かず、温かな空気が部屋中を巡るようにしてください。
とくに、脚がなく床に接触する面積が大きい家具は注意が必要です。熱の逃げ場がなくなり、床に接している家具の一部が変形・変色する可能性があります。
床暖房の上に家具を置く場合は、なるべく脚があり接触面積が狭いタイプを選んでください。
床暖房の電気代を節約するには、電力会社や電気料金のプランを見直すことも視野に入れてみてください。
近年では新電力と呼ばれる新しい電力会社が、電機業界に参入しています。新電力は従来の大手電力会社より電気代を安く設定しているところも多く、料金プランも豊富です。
床暖房を使用する時間帯や頻度によっては、電気会社と電気料金プランを変更することで、電気代が安くなることも考えられます。
床暖房は優しく部屋を暖め、冬でも快適な生活を送るのに役立ちます。しかしつけっぱなしにするのは、電気代が高くなることや火傷のリスクなどが懸念されます。
ご自宅に床暖房設備のある方は、この記事を参考に正しい知識を持って、安全に床暖房をご活用ください。
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