キッチンのコンロ上に、必ず設置しないといけないレンジフード(換気扇)。最新式の換気扇・レンジフードは面倒なお手入れが不要だったり、汚れが落ちやすかったりと、メリットがたくさんあります。

しかし、いざ設置・交換してみようかと思って調べてみると、聞いたことのないパーツが出てきて混乱してしまった…なんて方も多いのではないでしょうか?特に多くの人を悩ませるパーツが『幕板』です。
必ず必要なものなのか、つけなければ費用を抑えられるのか・・?

この記事では、レンジフードの幕板とはどのパーツなのか、概要や役割、必要性について解説いたします。

レンジフードの幕板とは

レンジフードの前幕板と横幕板の説明

レンジフードの幕板とは、レンジフードの前面や側面に付ける板のことを指します。ダクトやファンなどの換気扇内部の部品を隠すためのパーツです。レンジフードを前から見て、前側に設置する幕板を「前幕板」、両サイドの側面に設置する幕板を「横幕板」と呼びます。

レンジフードとは?

幕板を理解するためには、「レンジフード」について知っておく必要があります。

レンジフードとは、換気扇と換気扇を覆うカバー部品の両方をさします。ですので、昔ながらのファンがむき出しになっているタイプの換気扇のことはレンジフードとは呼びません。

換気扇にフードがついていることで、調理中に出た湯気や煙、ニオイなどを効率的に集め、換気効率を高めてくれます。また、フィルターがついているので、換気扇のファン部分が汚れるのを防ぎ、お手入れを楽にすることができるのです。

レンジフードは形状により、大きく3つにわけることができます。

ブーツ型

横から見ると台形のようなかたちで、天井側に向かってだんだん狭くなる「ブーツ」のような形状のレンジフードです。レンジフードの中では一番安価に設置できます。旧式のプロペラ式換気扇を覆う形でつけられているものも多いです。

フードが大きいため、より多くの蒸気や煙を吸うことができますが、汚れが溜まりやすいのがデメリットです。また、古くからある機種が多く、他の形状のレンジフードより機能性が劣るものが多い傾向があり、値段以外のメリットはないといえます。
現在、交換時期を迎えているレンジフードの多くがこのタイプです。

スリム型

横から見るとL字型で、コンロの真上にくる板状の吸い込み口が特徴的な形状のレンジフードです。
ファンはシロッコファンと呼ばれる円柱状のファンが付属しており、また吸い込み口とシロッコファンの間には、整流板と呼ばれるパーツが付いています。
フィルターの有無は製品により異なり、お手入れが楽なノンフィルタータイプも人気です。

現在最も主流なレンジフードの形になるため、ブーツ型からスリム型に交換する方が増えています。ブーツ型よりも圧迫感がなく、すっきりとした印象です。自動洗浄機能付きのものやコンロ連動機能付きのものなど、機能性の高いものが多く揃っています。

フラット型

ブーツ型・スリム型に比べ縦幅が短いタイプになり、天井が低いキッチンに多く設置されています。消防法により、レンジフードはコンロから80cm以上離して設置しなくてはなりません。そのため、天井高が低くてフラット型を設置している場合は、フラット型に交換しなくてはならない可能性が高いです。

ブーツ型のようにフィルターがあるもののファンはシロッコファンやターボファンが使われています。

幕板が必要な場面とは?

レンジフードは大きく分けて3つの種類がありましたが、幕板が必要なシチュエーションなら、レンジフードの種類にかかわらず、幕板が必要になります。

幕板は、レンジフード交換時や設置時に必要に応じて設置するものです。前幕板はレンジフードの前部分に設置し、ダクトやファンを隠します。
横幕板は、レンジフードのサイドに設置し内部を隠します。換気扇の横に壁がある場合や吊り戸棚がある場合は、壁や棚でダクトやファンが隠れてしまうので、横幕板を設置する必要はありません。

レンジフードを交換する際、交換前に使用していたレンジフードの縦の長さが70cm以上の場合、前幕板の長さが足りない可能性があります。その場合は、前幕板の上をおおうように「延長前幕板」を設置し、内部を隠します。

幕板は付属品?

レンジフードを新しくする場合、リンナイとノーリツのレンジフードなら全機種で前幕板が付属していますが、パナソニック社は前幕板が別売となっているので、購入時に比較検討する場合は、幕板を含めた金額で考える必要があります。横幕板はどのメーカーでも別売りです。

レンジフードの幕板に関するよくある質問

レンジフードに関するよくある疑問

レンジフードの幕板に関するよくある質問をまとめました。幕板に関して、もっと詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

幕板だけ交換することはできる?

幕板に物をぶつけて破損してしまったり、汚れがひどい場合、幕板だけ交換することも可能です。古い幕板を外し、同じメーカーの幕板に交換してください。

レンジフード交換時に幕板を再利用することはできる?

結論からいうと、古い幕板を再利用することはできません。レンジフードを交換する際は、交換後の機器に適した幕板を設置する必要があります。

レンジフードの幕板、お手入れ方法は?

レンジフードは毎日使っているうちに汚れが付着してしまいます。高性能でお手入れ不要のレンジフードでも、幕板の外側には汚れが付着してしまうことも。定期的にお手入れすることで、美観を保つことができます。

レンジフードのお手入れ時、フィルターや整流板、ファンは外してお手入れしますが、幕板は外す必要ありません。(なんらかの事情があり外したい場合は、ビスをゆるめれば外れます。)

幕板の汚れは油汚れとホコリです。べたつきがある場合は、アルカリ性の洗剤で汚れを浮かすとお手入れしやすくなります。重曹スプレーがあると便利です。

重曹スプレーの作り方

・スプレーボトル
・重曹 小さじ1
・お湯 100ml

50度前後のお湯に重曹小さじ1をいれ、よく混ぜます。重曹が溶けたらスプレー容器に入れて使います。

横幕板や前幕板にスプレーし、雑巾で拭くとホコリと油よごれがスルっと落ちるはずです、頑固な汚れが気になるときは、幕板にスプレーしたあとキッチンペーパーを乗せ、さらにその上からスプレーし全体を湿らせます。そのまま20分程度放置すると、汚れが浮いて落としやすくなっています。

ビス周りやつなぎめなど、汚れが溜まりやすい場所は、歯ブラシなどで軽くこすると綺麗になります。

幕板の寿命はどのくらい?

幕板はレンジフード設置時〜交換時まで使用するのが一般的です。だいたいレンジフードの寿命が10年〜15年と言われていますので、幕板もレンジフードと同時に交換することになるといえます。

まとめ

今お使いのレンジフードが古くて性能が悪い、もしくは汚れがひどくお手入れが大変なら、新しいレンジフードに交換するのも良いかもしれません。高性能のレンジフードは価格も高くなってしまいますが、ミドルグレードのレンジフードでも、旧式のものよりはかなり性能がよくなっています。

また、レンジフードとコンロは同時期に設置されているケースがほとんどですので、寿命でレンジフードを交換する際は、ガスコンロやIHクッキングヒーターとの同時交換がおすすめです。