エアコンのカビ取り・掃除は自分でも可能?カビが生える原因と予防策について
2023/07/04
2023/07/04
真夏と真冬の時期に欠かせないエアコン。ただ、エアコン内部は湿気が多く、こまめに拭き掃除や手入れなどを行わないと、カビが生える・カビ繁殖の原因になってしまいます。
エアコンから吹き出るカビを吸い込むと、喘息やアトピー、アレルギー性鼻炎といった症状につながり、健康にも悪影響を及ぼします。
本日は、エアコンのカビが発生するメカニズムと、エアコンのカビ取り・掃除の方法について解説します。
目次
エアコン内にカビが発生する原因は、大きく下記の3つが挙げられます。
カビが繁殖する原因の1つが気温です。カビは気温が5度以上から活動を始め、気温20〜30度になると繁殖するようになり、25〜28度で活発化します。
気温が高くなる夏は要注意です。冬は、エアコン単体で使用する分にはそこまで神経質になる必要はありませんが、加湿器を併用していると、エアコン内の湿度が高くなり、カビが発生する原因になります。
一般的に、カビが発生するのは湿度が70%以上になった時とされています。冬場は、そもそも空気が乾燥しており、かつ気温がそこまで高くならないため発生しにくいですが、夏場は要注意です。エアコンで冷房やドライ運転にすると、熱交換器に結露が発生し、エアコン内部の湿度が高くなるからです。放置しておくと、カビの繁殖の原因となります。
エアコン内部に溜まったホコリや汚れも、カビ繁殖の原因になります。ホコリや汚れに含まれるタンパク質(食べ物のカスや皮脂)は、カビにとって貴重な栄養源の1つ。こまめに、エアコン内部のフィルターや送風ファン、吹き出し口などを掃除することが大切です。
エアコンでカビが発生しやすい場所は、大きく下記の5つに分類されます。
フィルターの下にある薄い金属状の網のことをいいます。エアコン内に取り込んだ空気を冷やしたり、暖めたりする役割をはたします。熱交換器とも。フィルターで防げなかったほこりや花粉、皮脂などはこのフィンに蓄積するため、定期的な掃除が欠かせませんが、フィンは取り外しができないため、本格的に掃除する場合は、専門業者に依頼する必要があります。
フィンの下部にあるパーツです。エアコンの冷暖房や除湿機能を稼働させると、フィン(熱交換器)に結露の水が付着します。この水を集め、ドレンホースに流す役割をしています。
エアコンが稼働中に吸い込んだほこりや花粉、皮脂などをキャッチするパーツです。エアコンの中でも、特に汚れが目立ちやすく、エアコン掃除といえば、真っ先に思い浮かべるパーツといっても良いかもしれません。
ただし、フィルターが全てのゴミをキャッチしている訳ではなく、少しずつエアコン内部に汚れが溜まっていき、カビの繁殖の原因になってしまいます。
エアコンの冷風や温風を吹き出す場所です。エアコン内部で発生したカビを放置しておくと、吹き出し口や、吹き出し口についているルーバーにまで繁殖することがあります。吹き出し口付近にカビが見られる場合、エアコン内部の広範囲にわたってカビが発生している恐れがあります。
吹き出し口(ルーバー)の奥にある筒状を形をしたパーツ。エアコンの風を送り出す機能を果たします。シロッコファンやクロスフローファンとも呼ばれます。
ここでは、自分でエアコンのカビ取り・掃除・除去を行う手順を解説します。
エアコンのカビ掃除に必要な道具は、下記の5つです。
・マスク
・キッチンペーパー(タオル)
・掃除機
・ゴミ袋
・ガムテープ
・綿棒または歯ブラシ
・雑巾
先に述べたように、長時間カビに触れていると、喉の痛みや喘息、アトピー、アレルギー性鼻炎といった症状につながるため、掃除中はマスクを着用します。
感電や漏電といった事故を防ぐため、エアコンの電源を切ります。なお、リモコンで電源オフにするだけでは、何かの拍子に電源が入ってしまう恐れがあるため、コンセントから電源プラグとアース線を抜いてください。
基本的に、壁掛けタイプの家庭用エアコンは全て外して掃除ができません。そのまま、カビ掃除をすると、エアコン付近の壁や天井、家具などにホコリやカビが付着し、汚れる恐れがあります。そのため、45リットルゴミ袋などを使って養生します。
次に、エアコンの表面を覆っているカバーパネルを開けます。フィルターを取り外す前に、簡単に掃除機でフォルターのホコリを吸っておくと、床にホコリが落ちるのを防げます。
フィルターを取り外したら、あらかじめ敷いておいた新聞紙の上に置き、フィルターに付いているホコリを掃除機で吸い取ります。裏面から吸うとホコリが詰まる原因になるため、必ず表面から吸うようにしてください。
掃除機では落とすことが難しい細かい汚れやホコリは、綿棒や使い終わった歯ブラシなどで除去します。強く擦るとフィルターが破れてしまうため、優しく擦るようにして掃除してください。あまりに、ホコリが多く除去が難しい場合は、水で洗浄すると良いです。
水で薄めた中性洗剤を染み込ませた雑巾で、エアコン内部を清掃します。中性洗剤は、市販のもので構いません。高い位置にあって掃除しにくい箇所は、割り箸などに雑巾をくくりつけて拭くと届くのでおすすめです。ただし、電気系統に水や洗剤をかけてしまうと、故障の原因にもつながるため、注意してください。
最後に、エアコン内部に洗剤が残らないよう、水拭きをします。乾燥しないうちに、部品を取り付けると、エアコン内部に湿気がこもる原因になります。フィルターやエアコンのカバーパネルは、取り付け前に乾わすようにしてください。
エアコンのカビ取りやカビの掃除・除去は、家庭でも行うことが可能ですが、パーツによっては取り外しできなかったり、扱い方を誤って故障させてしまったりすることもあります。ここでは、専門業者に依頼すべきケースについて解説します。
エアコン内部は複雑な構造になっており、専門知識がないと分解が難しいパーツがあります。電気系統などもあるため、壊れる原因になったり、また不適切な掃除方法をしたりして火災や事故などにつながる危険性も。
自力で分解して清掃するのが不安な方は、エアコンのカビ掃除を行う専門業者に依頼することをおすすめします。
家庭用エアコンの寿命は、一般的に約10年といわれています。
古いエアコンは、構造が特殊なものがあります。自分で対処せずに、専門業者に依頼した方が得策です。ただし、エアコンの補修部品の保有期間は製造打ち切り後10年と定められています。
エアコンのカビ発生の原因が故障によるものだとすると、補修部品がなくて修理ができなくなる可能性も十分に考えられます。10年以上ご利用の場合は、新しいエアコンへの交換を検討しても良いかもしれません。
未然にエアコンのカビを予防するには、下記3つのポイントを押さえておきましょう。
換気をすることで、エアコンだけでなく部屋の湿気やホコリを減らすことができます。5〜10分程度でも良いので、こまめに窓を開けて空気を入れ替えましょう。なお、直線距離が長い対角線上にある窓を開けると、効率的に換気ができるのでおすすめです。
今日紹介したエアコン掃除は、日常的に行っていれば、さほど大変な作業にはなりません。フィルターだけでも良いので、掃除機で溜まったホコリを吸い取るだけでも、カビの発生を大幅に抑えることができます。頻度としては、2週間に1回程度がおすすめ。
内部クリーン機能、内部清掃機能とは、冷房やドライ運転をしたあとに、エアコン内部を乾燥させて、カビや嫌な匂いの発生を抑える機能です。機種によってはリモコンにボタンはないが、自動的に内部クリーン機能が開始されるものもあります。
電源を切っても、ランプが点灯している場合は、内部クリーン機能が作動している可能性が高いです。
なお、古いエアコンだと、内部クリーン機能や内部清掃機能が付いていないものもあります。その場合は、送風運転をさせます。内部クリーン機能と同じ効果が得られます。特に、湿気が多くなりがちな梅雨は意識して行うことをおすすめします。時間の目安は30分〜1時間程度です。
エアコンのカビ取りや掃除は、自力で行うこともできますが、熱交換器やドレスパンなど、扱いが難しいパーツもあります。徹底的にエアコン内部のクリーニングをしたい場合は、専門業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
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